劇場公開日 2021年7月2日

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BILLIE ビリーのレビュー・感想・評価

全16件を表示

4.0これは彼女の歌を知る人にとっては衝撃であり、いつまでも残したい宝で有る。

2023年11月17日
PCから投稿

生ぬるい時代ではなかった。
と、感覚では知っている。

映画は彼女を知る人のインタビューを中心に行われる。
同じ人間でありながら、人種で分けられた時代。
同じ人種でありながら、男女で分けられた時代。
インタビューで分かる光と影の部分がやりきれない。

他人の言葉は「噂」であり「うわべ」でもある。
これが実際の彼女でも無いし誰も知る由もない。

アメリカの光と影。
人間の光と影の記録。
この映画は宝だと思う。

今日も変わらずビリーの歌を愛している。

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星組

3.0全身全霊で歌う事で社会に抗議

2023年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

リンダと言う記者が亡くなり膨大なビリーホリディ関係のインタビューが発見された。教師でもあったリンダは記者としても伝記をまとめたりもしていた。

ビリーホリディなる名は有名だが、この映画で初めてビリーホリディの歌を聴いた。すごい歌手として名を馳せたのだが、正直ダイアナロスやロバータフラックの様なインパクトは感じられなかったね。ボルティモアで生まれたビリーホリディは貧乏だった様で、14歳でニューヨークへ出た。人種差別も激しかった様で客は正面から入ってもビリーは裏口だった。黒人歌手が歌えないホテルもあった。全身全霊で歌う事で彼女は社会に抗議したのだった。しかし麻薬にも手を出し警察はビリーホリディ逮捕に向けて努力していた様だ。何度も逮捕されたビリーは心不全のため44歳で亡くなった。偉大な記録映画かと思うが、感動作ではなかったね。劇場で観なくて良かったかも。

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重

3.0レディ・デイとリンダ

2023年9月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

関係者が登場して偉人を語るインタビュー映像ばかりな定番のドキュメンタリー映画に飽き始めた昨今、カラー映像で蘇るビリー・ホリデイの歌唱シーンが鮮烈でそんな彼女の生い立ちから生涯の全てに暗い影が幸せの一欠片でさえも望めない、ジャーナリストであるリンダが1960年代から10年間に及ぶビリー・ホリデイに関わる人物にインタビューをした録音テープの音声で構成された本作、ジャズに詳しい訳でもビリー・ホリデイについて無知過ぎるので入り乱れる人物に混乱してしまう複雑さ、これをリンダ自身で世に出せなかった無念と音楽映画として明るくて楽しく鑑賞することは出来ないビリー・ホリデイの生き様に驚くばかりで。

人種差別や薬物依存、ダイナミックに思える男関係や同性愛、付き合う男性からの暴力や虐待に対するあの時代の考え方が今では全く通用しない、少しニーナ・シモンとも似たような境遇で、男から搾取される女の図だけは今も変わらない事柄なのかもしれないが、生きることに不器用すぎて痛々しい。

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万年 東一

5.0激しく、あまりに短い人生

2021年11月25日
iPhoneアプリから投稿

誰もが知るjazzシンガー、
ビリー・ホリデイのドキュメンタリー。

独特な歌声が魅力的な彼女の代表曲とも言える
『Strange Fruit(奇妙な果実)』
何気なく聞いていたこの曲に込められた意味を知って
愕然とした。
「私の為に作られた曲です」と感情を押し殺しすように歌い上げる彼女の姿に、震えた。

そして『God Bless The Child』は14歳で家を出る時
母に言われた言葉をそのままタイトルにしたのだそう。
〜神のご加護を受ける子は自分の力で稼ぐ〜
そうしてやがてアメリカ1と言われるjazzシンガーとなったビリー。

けれど、ビリーは黒人だった。
多くの黒人jazz men達がそうであったようにビリーもまた人種差別と薬物との戦いに翻弄される人生だった。

私が知るビリーのポートレートはほっそりとした高齢女性のイメージだったが、なんと、
その姿はふくよかだった彼女が44歳で亡くなる数年前のものだったのだ。

あまりに短く、壮絶な人生。

今作はビリーの伝記の為に10年以上に渡って関係者へのインタビュー取材をしながらも、
突然謎の死を遂げた若きジャーナリスト、リンダが残したテープが発見された事で、
インタビュー音声と実録フィルムを合成して制作されたドキュメンタリー作品。

最後に姉の死に不信感を抱くリンダの妹が語る。
警察は飛び降り自殺と断定したが、
路上で発見された遺体は姉がいつも寝る前にやっていたフェイスマスクをしていた、と。

奔放に激しく生き、歌った、
ビリーの伝記の出版を何者かが阻んでいたのだろうか?

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しゅな

2.0歌に捧げた人生

2021年10月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジャズシンガーであるビリーホリディの貴重な証言事例をもとに構成されたドキュメンタリー。彼女のの存在はこの作品を通じて初めて知りました。天才アーティストによくありがちなドキュメンタリーで彼女もまた酒と薬に溺れてしまった一人。短過ぎる人生は非常に残念ですが人生を歌に捧げた素晴らしい生き様だったのではないでしょうか。
2021-153

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隣組

4.0What's True…Nobody khows.

2021年10月14日
Androidアプリから投稿

周りが、どう見ていたのか?
何を感じていたのか?

それも、語った人の真実かもしれない。

当事者がなくなってから、周囲の語りを真実とするのは、難しい気もする。

ほんとのことなんて、時間の経過ととに意味が変わっていくもの。

ビリー・ホリデーを知ろうと取材していたリンダの死が、何を物語っているのか。

人種差別の歴史も絡み、アメリカの闇がまた浮き彫りになったような。

不都合な真実が、そこにはあるのだとスッキリしないモヤモヤが残ったかな。

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ミツバチば~や

3.0【“二つの奇妙な果実”ビリー・ホリデイの波乱万丈な人生と、彼女の生き様を追っていた女性ジャーナリストの不可解な死をミステリータッチで描いた作品。】

2021年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

ー 冒頭、若き女性ジャーナリスト、リンダの不可解な死が告げられる。
  彼女は、ビリー・ホリデイの多くの関係者にインタビューをしていたのである。
  可なり、立ち入った内容まで・・。
  今作は、彼女のインタビューの録音テープを再構成して製作されている。ー

◆感想

 1.冒頭から、物凄い人数の、ビリー・ホリデイに対する想いが映像もしくはテープで語られる。

 2.そこで、語られるのは
  ・ビリー・ホリデイが13歳の時から、売春していた事。
  ・異様なほどの、男好き且つレズビアンでもあり、多数の男とフツーに寝ていた事。
  ・ろくでもない男達との付き合いの中、麻薬に溺れ、麻薬捜査官により、逮捕勾留された事。
  ・マゾヒストだったらしい事。
   ー付き合っていたろくでもない男から、殴られてもその後すぐに体を交えていた事。ー
  ・精神的に不安定な人間だった事。

 □今作では、ゴシップ雑誌のような、真偽不明な事が多数語られる。

  だが、今作の重要さは、黒人への人種差別が横行していた時代に、彼女が歌一つで、富を築いた事と
  ”奇妙な果実”を、ステージで歌い続けた事実である。
  彼女が”奇妙な果実”を歌い始めると、白人の客がゾロゾロと、会場を嫌な顔をしながら出て行く姿・・。
  彼女が、ステージで”奇妙な果実”を歌うシーンはキチンと、見せて欲しかった。他の曲も・・。
  ドキュメンタリー作品として、構成が勿体ないなあ・・、と思った作品。

  <それにしても、享年44歳とは、麻薬過剰摂取も原因なのであろうが、早すぎる死である。
  彼女も、リンダも”奇妙な果実”として、木に括られた犠牲者であったのであろうか・・。>

<2021年10月10日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU

4.0知らなかったビリーがいた

2021年9月18日
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鑑賞方法:映画館

これはビリー・ホリデイのアンソロジー。

ジャーナリストのリンダ・リプナック・キュールが1960年代から10年かけて行った関係者に対するインタビューを基に構成されたとのこと。リンダが謎の死を遂げ、インタビューのテープも永い間眠っていたようだ。

知らないエピソードが一杯あった。
知らなかったビリーがいた。
凄く勉強になった。

何よりビリーのライブ映像が貴重だ。
映像、音とも過去一のクオリティ。
それだけでも観る価値がある。

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エロくそチキン

3.5ぶっ飛んでたビリー

2021年8月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

膨大な取材記録を
ドキュメンタリー作品として
世に出してくれたことに感謝

取材していたジャーナリストの謎の死が
この時代の闇を感じさせる

悲しみ、苦しみ、悔しさ、怒り、快楽…
極限状態まで追い込んで
身も心もすり減らしながら
情感たっぷりに
歌い上げていたビリー
観客を魅了することができても
切なすぎる
晩年の痩せこけた姿が痛々しかった

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xxminaxx

5.0彼女の人生を追った記者の執念に脱帽

2021年8月14日
iPhoneアプリから投稿

ビリー・ホリデイという黒人女性歌手については、数々のアメリカものの本で名前を見てきた(記念切手にもなっている)し、FMで流れた特徴ある声を覚えていたが、どんな人かは本質的には理解していなかった。
彼女の伝記を書こうと8年も取材中だった白人女性ジャーナリストが謎の死の後に残した関係者のインタビュー録音や取材メモで作られた素晴らしいドキュメンタリーで、これまで見たどんな伝記映画よりも素晴らしかった。このジャーナリストは黒人公民権運動を見て、その前の時代に生きていたビリーの伝記を書くことに没頭したようだ。
南部での黒人へのリンチを歌った「奇妙な果実」は初めて聞いたが、凄い曲である。証言も生々しく、黒人差別の実情や、ドラッグとセックス漬けの日々まで明らかにされた、文字通り丸裸の伝記だった。ビリーその人も凄いが、一人の人間の人生にここまで肉薄し、文字通り命がけの取材をした記者の執念に感服した。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0黒人女性として

2021年8月12日
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鑑賞方法:映画館

アメリカで生き抜くには、何をしなければいけなかったのか?
何に耐え、何を求め、何が得られ、何が得られなかったのか?

酷い時代の話ではなく、そのまま今に続く話なのだ。

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Momoko

4.0ビリーホリディのドキュメンタリーであると同時に、ビリーを10年に渡...

2021年8月12日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

ビリーホリディのドキュメンタリーであると同時に、ビリーを10年に渡って追いかけた作家のドキュメンタリーでもある。ビリーの人生が壮絶であったことは本や雑誌などでも知ってはいたが、まだまだ知らなかったことも沢山あった。貧しい幼少期、人種差別が酷かった時代を生き抜いたミュージシャン。映画の中で歌うシーンが出る度にビリーの歌が今まで以上に心に響いた。もっと早くに出るべき映画だったと映画の中でも語られるが、まさにその通りだと思う。

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Yoshi K

4.0とても良い映画

2021年8月7日
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鑑賞方法:映画館

この作品は、ビリー・ホリデイの伝記ドキュメンタリーであると同時に、この作品の元となった大量の取材テープを残して謎の死を遂げたジャーナリスト、リンダ・リプナック・キュールのその謎の死因に迫り、音楽業界の裏側を告発している。その構成は見事で、ビリー・ホリデイの人間像に迫りながらも、同時にビリーの周辺の人々が彼女の事を語る事で、自らの立場をも赤裸々に白日の元にさらしていく。そういった部分は、まるでミステリー作品を観ているかのようで、2時間全く飽きない。もしジャズに興味があったり、彼女の歌を聞いたことがあるなら、ぜひ劇場へ…。

一人のジャズ・シンガーのドキュメントならず、アメリカの暗黒の音楽史でもある。

*ジャズ・シンガーのドキュメントではあるが、彼女の音楽的な面での事はあまり語られていなかった…と思った。どちらかと言うと、スキャンダラスな面に偏っていたかも知れない。そういう意味では、少し物足りなさがあるかも…。

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stoneage

2.0ファンは十分に楽しめると思います。

2021年7月13日
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鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリーと言ってよいのかな?
未公開(かな?)の彼女に近かった関係者のインタビューで構成されたビリーホリデイの生涯をたどる作品です。インタビュアーの不可解な死や、ビリー本人の決してハッピーではない生涯もあり、ダークな印象です。当時のアメリカの国、ショービズ界の闇を見せてくれます。

僕はビリーホリデイについては詳しくないです。wikiで読んだ程度の生涯の情報です。多分知られていた事実に証言が重なっている程度なのかな?と。きっと、良く知った方であれば、あ、あの人が話してる!って盛り上がるのかもしれません。

ただ、全体的に掘り下げ度が少ないかなっておもいました。長年取材をしていたわりには、浅いイメージ。もしかしたら、公にできないことが山ほどあるのかもしれません。取材者が怪しい最後を迎えてるって辺りがきな臭いです。にしても、あまりにも彼女を浮き彫りにできていないかなぁ。人種差別がひどい時期の話が大半なので、この時期に作ったのかな。物足りなかった。

なんか、bsか、csの番組みたいだったな。
けど、JAZZファン、ビリーファンは楽しめるのではないでしょうか?

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バリカタ

3.5単なる音楽映画ではない、哀しいパーソナルヒストリーでした。

2021年7月6日
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鑑賞方法:映画館

 ビリー・ホリデイのドキュンメタリーであると同時に、その人生の真実に迫ろうとして志半ば、謎の死を遂げた作家リンダ・リプナック・キュールのドキュメンタリーでもあった。(アメリカのちょっといいお家は60年代でも8ミリ映像が結構残っているのだなあと、感心してしまった。)全編、明るいアメリカにおける闇が出ている。録音テープの中で、諸般の事情でお蔵入りになっているものもあるのだろうか、と勘ぐってしまう。
 生育歴の最初がそもそも悲惨だったのを知った。彼女は「不幸である時にしか幸せを感じない」運命にあったのだと思う。だからこそ、歌の中の「言葉」が真実として人々に届いたのだろう。偶々天賦の歌の才能があったことで歴史に名を残したけど、同じ時代を生きた無名のビリー・ホリデイたちにも思いを馳せて見た。
 個人的体験としては、昨日見た「ビリー・アイリッシュ」(2001年生まれ)との対照がすごかった。

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Kumiko21

4.0やっぱり音楽映画に外れは無いな。

2021年7月3日
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鑑賞方法:映画館

 昨日から角川シネマ有楽町で開催中の「PeterBarakan'sMusicFilmFestival」のプログラム作品。他には、バックコーラスを扱ったドキュメンタリーが面白そう。

 直近の米国アカデミーの主演女優賞ノミネート作品『The United States vs. Billie Holiday』も話題となったためか、ほぼ満席だった

 使われていたライブ映像は、劇場の大画面であっても申し分ない精細なものだった。ビリーが着ているドレスの色味も堪能できる仕上がり。
 何より劇場の音響で再現されるビリーの歌唱がすごくいい。一流の演者による演奏もジャズ好きにはたまらんかも。ライブに飢えている人は駆けつけた方がいい。

 プロットは、ビリーのノンフィクションのために取材していたライターが残した音源を基軸にして、過去のヘリテッジ映像を挟みつつビリーの一生を振り返るというもの。
 ライターは作品を完成させる前に自殺したとされている。ライターの妹は、男性関係に常に苦しんだビリーと自分の人生とを重ねてしまったのではと語る。人種、性別などの差別の現況と併せて、ビリーの苦悩を100分の映画にまとめた手腕は見事。

「PeterBarakan'sMusicFilmFestival」では、エイミー・ワインハウスの人生を扱った「AMY」も公開される予定。併せて観ると、興行界の有り様を実感できて、より面白いと思います。

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おかずはるさめ