劇場公開日 2021年7月2日

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「やっぱり音楽映画に外れは無いな。」BILLIE ビリー おかずはるさめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やっぱり音楽映画に外れは無いな。

2021年7月3日
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鑑賞方法:映画館

 昨日から角川シネマ有楽町で開催中の「PeterBarakan'sMusicFilmFestival」のプログラム作品。他には、バックコーラスを扱ったドキュメンタリーが面白そう。

 直近の米国アカデミーの主演女優賞ノミネート作品『The United States vs. Billie Holiday』も話題となったためか、ほぼ満席だった

 使われていたライブ映像は、劇場の大画面であっても申し分ない精細なものだった。ビリーが着ているドレスの色味も堪能できる仕上がり。
 何より劇場の音響で再現されるビリーの歌唱がすごくいい。一流の演者による演奏もジャズ好きにはたまらんかも。ライブに飢えている人は駆けつけた方がいい。

 プロットは、ビリーのノンフィクションのために取材していたライターが残した音源を基軸にして、過去のヘリテッジ映像を挟みつつビリーの一生を振り返るというもの。
 ライターは作品を完成させる前に自殺したとされている。ライターの妹は、男性関係に常に苦しんだビリーと自分の人生とを重ねてしまったのではと語る。人種、性別などの差別の現況と併せて、ビリーの苦悩を100分の映画にまとめた手腕は見事。

「PeterBarakan'sMusicFilmFestival」では、エイミー・ワインハウスの人生を扱った「AMY」も公開される予定。併せて観ると、興行界の有り様を実感できて、より面白いと思います。

おかずはるさめ