「戦地に息子を送り出した母親の心情が心を打ちます。」セルビア・クライシス よしさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5戦地に息子を送り出した母親の心情が心を打ちます。

2021年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

第一次世界大戦の発端となったセルビアとオーストリア-ハンガリー帝国の戦争を、セルビア視点で描いた物語。

日本で言えば二百三高地のような作品でしょうか?国と国民に対する重圧を受けながら必死に采配する国王。名もなき兵卒として戦場に赴き、死線を潜る青年。たった一人の息子を戦地に送り出した母親。そして、オーストリア兵に家族を殺された少年。
戦闘シーンを挟みながらも、彼らの心情を描く方を優先しています。
特に、母親の寂寥感がたまりません。

後半は、セルビア政府がアルバニアに逃亡するシーンが延々と続きます。雪山を行軍する様子、次々と倒れる将兵、続く雪山の情景が余りにも重く、観ているだけで息が苦しくなります。
ただ、映画としてみた場合、余りにも単調で評価が分かれるところだとも思います。
よりダイレクトに国難を実感出来るセルビアの人たちなら、感情移入し易いところなのでしょう。
残念ながら、遠い異国の私には、ややネガティブな印象を持ちました。

戦局の説明に乏しく、敗戦に至る経緯が分かり難いことも含めて、評価はやや厳しめにしました。

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よし