劇場公開日 2021年9月23日

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「スパイ映画の醍醐味満載」クーリエ 最高機密の運び屋 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スパイ映画の醍醐味満載

2023年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何でもないセールスマンが、冷戦時代に核戦争を回避する重要情報を運んでいたという逸話の映画化。スパイ映画の醍醐味が色々詰まっていて見ごたえたっぷりのサスペンスドラマだった。
普通のセールスマンがモスクワで商談を装い情報源に接触。その情報源の男と親密な関係となり友情が芽生えてくるが、ソ連当局にバレそうになると、西側は男を見捨てようとする。主人公は、嫌々やっていたスパイ仕事にもかかわらず、最後の任務は友情のために自ら志願する。秘密の任務ゆえに家族にも話せない。任務を取るか(この映画の場合、友情も混じる)、家族を取るかの板挟みの展開は、スパイ映画の定番だ。
スパイは陰で働くため、その功績が公に称えられることがない。家族にすら話せないぐらいなので、誰からも認められることがない、だからこそ、己の信念のために行動する姿が胸を打つ。そんな感情を描けるのがスパイ映画だ。これが実話であるということも感動を倍増させる。ベネディクト・カンバーバッチは素晴らしいパフォーマンス。後半の変りように驚く。

杉本穂高