劇場公開日 2021年8月27日

「不幸せの青い鳩が飛び回る」鳩の撃退法 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不幸せの青い鳩が飛び回る

2021年8月29日
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鑑賞方法:映画館

複数のエピソードが絡まり合って、やがて1つの物語につながっていく話が好きだ。それは映画でも小説でもマンガでも。群像劇だったり、短編集なのに実はつながっていた話なんてのもいい。
そういう意味で、この映画は好みのど真ん中を行く作品だった。予告編に車の中に藤原竜也が2人乗っているシーンがあったので、タイムスリップした津田がいろんな事件を操る話なんじゃないかと勝手に予想していた。当たり前だけど全然違っていた。
舞台である富山県の雰囲気や方言がうまく演出されていて(行ったことないけど…)、いくつかのエピソードが絡まることもありえそうな小さな町感が出ていた。そして身近な出来事の噂話が広まる感じも。
そして俳優陣がいい。藤原竜也の藤原竜也感はいつも通りであっぱれなのだが、脇を固める人たちがことごとくよかった。豊川悦司やリリー・フランキーはもちろん、風間俊介や西野七瀬もいい。特に西野七瀬は、孤狼の血では演技が背伸びしていた感じだったが、本作では自然体のヤサグレ感が出ていてよかった。
原作を読んでいないが、この面白さは原作自体の力なんだろう。たぶん省略したところも多いだろうから、今度読んでおかないと。

kenshuchu