クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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【居場所】
自らの居場所を探すロードムービーであると同時に、人間はいつでも成長し、希望を持てるのだとクリント・イーストウッドは言っているような気がする。
アメリカとメキシコの国境の出入りがゆるゆるだった1970年代の終わりに時代設定しているところも、どこかクリント・イーストウッドの意図的なものを感じる。
現在のアメリカとメキシコの不法入国者を巡る緊張関係とは随分異なっていて、それほどギスギスするようなことなのかと疑問も投げかけているようにも思える。
クリント・イーストウッドの作品は、示唆的だが、物語としては、どちらかと云うとストレートな内容だ。
この作品では、旅をともにするラフォの成長と、旅をともにするうちにマイクに芽生える再び意志を持って生きようとする気持ちの変化にフォーカスが当てられているが、マイクが古い考えに縛られずに、ラフォの成長を見守り、更に自ら選択するように促す姿が印象的だ。
自らの人生を過度に美化せず、また、過度に否定することもなく、そして、押し付けず、ちゃんと選択できるよう促す。
上の世代の下の世代に向けた重要なアプローチの仕方だ。
最近、日本の企業には、取り敢えず、他の人のアイディアや意見に、あれこれ難癖をつけたり、否定するような傾向が多くあって、これが日本の企業の発展を阻害している大きな要因のひとつだとするTVのニュースや特集を見かけた。
そんな傾向のある人に是非見て欲しいと思う反面、そんな人は、この映画を観ても何も感じないのかもしれないと思ったりもした。
まあ、最後のマイクの選択は良いよね😁
佳作だと思います。
一番カッコよかったのは…
イーストウッドの監督50周年記念作品。
クライ・マッチョというタイトルにかなり期待したのだけど、マッチョは闘鶏の名前だった…。
マイクの年齢設定はわからないけど、いかんせんイーストウッドがヨボヨボすぎて、さすがに彼がひとりの少年を誘拐(ということになるのかな)できるとは到底思えなかったし、動物と触れ合っているときの表情は90歳のそれだった。
最後、マイクがメキシコに留まりマルタのところに戻るのは、もう監督業も俳優業も現役は引退してもいいよね?というメッセージとも受け取れるような気さえした。
だけど、いくら老いてもさすがはイーストウッド。
飽きることなく、ロードムービーとしても楽しめたし、動物や子どもたちの表情もとてもよかった。
一番カッコよかったのは闘鶏のマッチョだったかな。
マッチョを真ん中にしてマイクとラフォが歩く後ろ姿はなんとも言えずグッときた。
最期のメッセージなのか、
クリントイーストウッド最期のメッセージなのかな。
まだまだ観たいなぁ。
本当の強さとか、老いとともに無知を知るなんて言葉はそこまで生きないと解らない境地なのかもしれない。
90歳を過ぎても映画を作る情熱素晴らしいし、ステキだなと。
クリントイーストウッドのしわくちゃでゴツゴツした手がとても愛おしいです。
イーストウッドの凄さが分かる1本
クリント・イーストウッド出演、監督作品「クライ・マッチョ」を見てきました。
正直、前作の『運び屋』が最後の出演になるかなと思っていたので、ここに来てまた、イーストウッド出演作品を見れるのはファンとして大変に有難い。
ここまで来ると、イーストウッドびいきで見てしまう・・・・・
まずは、90歳にしても、大変に素晴らしい演技であり、演出、こう言ったしみじみした作品でも、彼の型破りな役が冴えるからいいよな、こう言った本を読むと、イーストウッド自身が、自分をイメージするのかな・・・・・
メキシコの生活の中で、メキシコの女性とダンスするシーンがあるのですが、なぜか、涙が出てくるんだな・・・俺は・・・・
自分の親父と同じ年なんで、本当に、これからも元気に映画を撮り続けて欲しいな・・・・
冷静に映画として強いて難と言うならば、もう少しテンポがあると良いかな・・・
お話がダラダラと進むだけなのと、もう少し少年との絆が深まる演出が欲しかったな・・・・
そうすると、別れのシーンは、もう少しグッと来たのかもしれないかな・・・・
しかし、いい映画でした。90歳で、演技が出来て、映画が作れるのだから、本当に素晴らしい!
イーストウッドを好きになれて私の映画人生も本当に良かった!そう確信できる1本だった。
イーストウッドがカッコいい
ロデオ界のスターで数々の賞を獲得していたマイク・マイロだったが、落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、家族も亡くなり、いまは競走馬の種付けをしてひとりで暮らしていた。そんなある日、マイクは元の雇い主からメキシコにいる彼の息子ラフォを連れ戻してくるよう依頼された。かつて父親に捨てられ、母親からも虐待を受け、親の愛を知らない不良少年のラフォを連れてメキシコシティからアメリカ国境を目指すことになったマイクだったが、母親が子分を差し向けラファを奪還しようとしたり、車をドロボウに奪われたり、メキシコの腐った連邦警察に追われたり、と、予想外の困難が続き、無事ラフォを父親のもとに届けられるか、という話。
ラフォが最初はマイクを弱っちいジジイと思っていたが、マイクと一緒に旅する中で、彼の知識、能力、強さに触れ、価値観が変わっていく所が良かった。
雄鶏のマッチョも無くてはならない素晴らしい活躍を見せてくれる。
クリントイーストウッドの演技がさすがで、カッコよくて見入ってしまった。
途中のレストランで出会った親切な女性役のナタリヤ・トラベンが素敵だった。
手に職のある男の生き様は気持ちいい
実生活で役に立つ男はモテる。
同日公開の『スティルウォーター』のマット・デーモンもそうでした。
実に役に立つ男なのです。
マット・デーモンは水回りや電気系統の故障対応や修理の腕が優れています。
クリント・イーストウッドは動物全般の取り扱い+ジュークボックスを直せる程度の機械技術。
目の前でそんな(見てるほうにとってはまるで魔法のような)腕前を見せつけられたら、やはりグッとくるところはありますよね。
粗野な見かけとは違った繊細な手作業のスキル。
家事や子育てというクールさとは真逆の実働に明け暮れる女性にとって、どれほど心強く感じられることか。
子どもだって同じこと。〝オトナ〟ってこういう人のことを言うんだな、とある種の憧れを抱くことでしょう。
〝手に職〟のある男は、口で語らずともそれまでの生き様をしっかりと示してくれるし、そこに胡散臭さはありません。いつも通り淡々と静かに紡がれるイーストウッド監督の世界。
私は大好きです。
イーストウッドの記念にふさわしい「オレ様映画」。91歳だから仕方がない。年長者を敬う気持ちは大事・・・
クリント・イーストウッド、監督50周年、40作目の記念作品。
確かに「ミリオンダラー・ベイビー」「硫黄島からの手紙」「グラン・トリノ」「父親たちの星条旗」
「アメリカン・スナイパー」等、監督兼役者として素晴らしい実績は相違ない。
「運び屋」は全編熟睡したけども。
でも俺の世代は、山田康雄吹き替えのテレビ再上映版「ダーティー・ハリー」シリーズ
が彼の全て・・・それぐらいテレビの影響力デカかったし、カッコ良かった。
でもこの映画、馬にも、競馬にも、一切興味のない私にはキツかった。
そんな私が・・
「アメリカ」に慣らされたは紛れもなく
ダーティー・ハリー
ジョーズ
ロッキー
キャノンボール
のテレビ放送、親がちょうど太平洋戦争の時子供で、価値観のどんでん返し
骨身に染みるほど味わった世代だから・・戦争については一切語らず、アメリカ文化を
迎合はしていなかったけれども、決して否定することもなかった。
何を言いたいかというと、我々の世代は「アメリカ万歳」世代な訳・・
イヤその中でも「ダーティー・ハリー」のイーストウッド「ジョーズ」のロイ・シャイダー
と共に断然カッコ良かった。イカしていた(死語)。
イヤイヤ、先週観たリーアム・ニーソンの「マークスマン」から
激しい戦闘銃撃シーンを切り取って、ロデオだか馬を取り入れた超類似作品。
皆、俳優が、大御所「イーストウッド」にひれ伏して、付き合っている感満載・・
遠景から撮るしかないスタントマンの荒馬慣らしのシーンが痛々しい。
もう無理しないで・・監督に専念して❗️お爺ちゃん👴。と悲鳴を上げたくなった。
イヤイヤその年齢で、恋もセックスもないだろに・・・
とにかくメキシコの雄大だけれども、荒れて干からびた自然の砂っぽさ
プラス明らかにお爺ちゃんのイーストウッドの動きが気になって仕方がない。
正直「マッチョ」はあんまりカンケー無いような・・・
「神はエコひいきするのか?みんな神の子だろ」のセリフは響いたけれども。
フンを撒き散らすニワトリが飲食店入れるのと、下痢のはずの、ある意味人間にとって尊厳的に最大のピンチ
を荒野で迎えたイーストウッドが何事もなかったようにやり過ごす描写は
チト冷めた。
映画マニアは必見の作品。ただマニアでない普通の人には・・・言うのはやめときます。
イーストウッド氏の独特なリズム。。
前作品は、なかなか入り込めなかったので期待半分で観ました!
んーー評価分かれそうです…笑 最近観た作品は展開が速い作品が多かったので、まったりな雰囲気は個人的には大変楽しめました。(アメリカンスナイパー、グラントリノに近いイーストウッドの哀愁漂う作品です)
裏を読む・脚本の真意を想像するではなく、単純に主人公に感情移入をし感じて観賞していただくと楽しめる名作だと思います。
なんとなくですが、イーストウッドの意地・アメリカの意地を感じました。(アメリカ映画の一区切りかなと。)
恐らく未来は、原作ありきでオリジナリティの薄い作品が多くなるでしょう…。
とはいえ、本作は大変楽しめ上映時間もちょうど良く、イーストウッドファンは是非ご観賞下さい‼️
これはもうクリント・イーストウッド‼︎
︎思えば2008年、78歳のときの『グラン・トリノ』で自身のキャリアを集大成したイーストウッド。それが最後になってもいいと思ったのは私だけではないはず。
しかし、それからの十数年、クリント爺さんはとどまることを知らなかった。ここにいる90歳のイーストウッドもいいなぁ。もう逝ってしまうまで「最後の作品でいい」とは言わない。
ちなみに70年代初頭から映画を見始めた我々世代の大半は、民放の○○ロードショーで放映された『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』で彼と出会っている。セルジオ・レオーネ監督のいわゆるマカロニ・ウエスタンだった。
まあ、50年以上付き合っているので思い入れもでかいはずだ。果たして思い入れが少ない若い人たちにどう映るのだろう?
初詣
俺の知ってるメキシコは「ボーダーライン ソルジャーズデイ」な世界なわけ。彼の地は、マフィアのボスは部下がしくじると簡単殺すし、抗争相手も殺して吊るす様な場所なわけ。
一方こっちのメキシコの女ボスは御大にフラれて、キー!ってなるけど、御大に危害を加えられない間抜けを送り込む。鶏に突つかれて退散ってなんだそれ?
御大が向かう先々の民も御大を迎い入れる体制が万全だ。
移動したいと思ったら、キーをさしてガソリンを入れた車を用意。宿所の前には御供えの食事。
そんな民に対し、御大は病んだ動物達へ手をかざして癒す。
神かよ、生き神様かよ!
正月早々、イーストウッド大明神に初詣。
今年も良い映画に出会えます様に。パンパン!
まだ撮るか!クリント・イーストウッド!
殺伐とした内容の映画が多いため、こんなハッピーエンドの映画は安心できる。
人間の善意や宗教観を描くより、人間の悪意や、この世の合理的な判断を描くことが、より成熟した作品であるかのように扱われることもある。
クリント・イーストウッド演じるマイクは、少年から神を信じるかと聞かれ、「わからない」と答えた。
しかし、マイクはメキシコとの国境で、少年と別れを告げ、神を信じる女性の元へと“帰って“いった。
やはり、人間は損得という合理的なものより、善意や愛という不合理なものを、心の底では選びたいのではないだろうか。
しかし、現代はそのバランスが崩れ、合理性が勝り、その反作用が世界を襲っているのかもしれない。
クリント・イーストウッドの次回作を楽しみに待ちたいと想う。
ぜひ劇場でご覧ください!
【”人として、真の強さとは何であるのか。”クリントイーストウッド演じる元ロデオ界のスターだった男が口にする言葉が心に響きます。マカロニウエスタン風なメキシコの荒涼とした風景も作品に趣を与えています。】
ー 私は今作を、元ロデオ界のスターだったマイクが、両親の愛を知らずに育った生意気な少年、ラフォを男にしていく様を綴ったロードムービーとして、鑑賞した。
そして、劇中マイクが偶に語る言葉に、唸った。
あの幾つかの言葉は、年齢を重ねないと語れないな・・、とも思った。-
◆感想
・物語はシンプルだ。元雇主ハワードの依頼で、メキシコに住む別れた妻リタと共に住む、息子ラフォを連れ戻してくれ・・、という依頼に渋々応じる元ロデオ界のスターだったマイクと、ラフォとのロードムービーである。
・荒涼としたメキシコでラフォを妖艶で高慢なリタが住む館を訪れ、リタと対峙するシーン。リタの色仕掛けや酒の誘いを袖にして、サッサと館を後にするマイク。
彼の生き方のシンプルさを表している様な態である。
そして、ラフォが居そうな闘鶏場へ、足を運ぶマイク。
・マイクはラフォを連れ、ハワードの元へ向かうが、愚かしき警察や、リタの部下の妨害に会う。
- マイクは、それでも焦らない。悠々としている。
美しき未亡人、マルタが営む食堂に寄り、珈琲を飲み、礼拝所で夜を明かす。
道中、ラフォが自らの闘鶏、マッチョの強さを誇らしげに語る際に、彼に対し、
”若き時の力、強さを誇示しても、尊敬は得られない・・。”と淡々と語る姿。ー
・マイクの周りには、様々な人、動物が集まって来る。
特に印象的なのは、マイクが荒馬を調教するシーンである。
彼の手に掛かると、荒馬が大人しくなり、マイクは荒馬を悠々と乗りこなす。
そして、ラフォにも馬への接し方を教える。ラフォのマイクを見る眼が変わって来るのが、良く分かるシーンである。
・又、マイクは美しき未亡人、マルタが営む食堂にも頻繁に足を運び、彼女の孫娘たちと手話で交流をする。勿論、マルタとも・・。
”カウボーイは自分で料理をするもんだ”と言って、皆に手料理を振舞うマイク。
- マイクの器の大きさ、人としての優しさが、マルタを引き付けたのであろう。ー
・ハワードが、ラフォを呼び寄せた真の理由が分かるシーン。怒るラフォに対しても、”知らなかったんだ”と、淡々と説明する姿。
ラフォを無事に送り届けた時に、ラフォから貰ったモノ。
そして、マイクは、踵を返し、マルタの店に戻り、ダンスをするのである・・。
- 格好良すぎです。-
<クリントイーストウッドは、今作ではかつての様に、マグナム44を撃ちまくる訳ではない。
愚かしき男達に、ストレートパンチを食らわせるだけである。
それでも、観る側に対してクリントイーストウッドは、
”人間の本当の強さとは何であるか”を、鮮やかに見せつけてくれる作品なのである。
荒涼とした、メキシコの風景も作品の趣に、寄与している作品でもある。>
イーストウッド最高のカーボーイ役の映画
ローハイドから、
マカロニウエスタン、
ダーティーハリーと強い男を演じてきたが、
「本当の強さ」ではなく、
本当の優しい行為を示す老練のカーボーイを演じきった。
イーストウッド会心の作品だった。
ブラボー!
このカーボーイ ハットの被り方の懐かしいこと。
まさに、ブラボー!!
また、助演の女優さんの
情熱的な演技が枯れた老人を
見事に恋する男に変えた演技には恐れ入った。
これもブラボー!!!
イーストウッド氏だからこそ
様々なタフガイを演じてこられたイーストウッド氏。
今作終盤でマッチョとは、のセリフがあります。何故か過去作が頭をよぎり、しんみりとしました。
イーストウッド氏でなければ、このセリフは成立しないと。
しかし、あなたは、昔も今もヒーローであること間違いありません。
作品自体は、好みが別れるでしょうし、手放しで賞賛できるものではないと思います。
ただ、イーストウッド氏のファンであれば、是非鑑賞していただきたいと思います。
終盤のマッチョとは、に、郷愁感に必ず包まれてしまうからです。ローハイド(再放送ですが)子供の頃観て、次の日学校で睡魔に襲われ、荒野の用心棒、この世にこんな格好良い人がいるのかと目を丸くし、ダーティハリーでは憧れの存在に。
映画の世界にわたしを誘ったヒーローです。
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