劇場公開日 2021年6月18日

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「作家主義 × 熱演 = パンクな伝記映画!」トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5作家主義 × 熱演 = パンクな伝記映画!

2021年6月20日
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俺はモニター艦!シーヴの息子だ!自分の歴史を語れ、お前が俺の未来。タイトルに沿う形で綴られるパンキッシュでロックな伝記映画で正直心地よい鑑賞体験からは程遠く、見る人を選ぶ作品ではあると思う。けど、それは裏を返せば、作品としてしっかりと熱量とクセがあるということ。同監督『アサシン・クリード』と違って、しっかりと打ち出された強迫観念的作家主義(≒ 確固たる世界観と迷いなき語り口)にタジタジ。例えば、ネッド・ケリーのカリスマ性のように本作にも賛否両論あったとしても引き込まれるものがあった。
Such is Life. ジョージ・マッケイがすごい……。今までどちらかと言えば真面目なイメージのあった彼が、史上最もパンクなネッド・ケリーに大変身豹変!何をしでかすか分からず、手の付けられない狂犬のような、というよりまさしく狂犬そのもので、思わず緊張が走る瞬間も多々あった。筋骨隆々バッキバキになった彼が反骨精神に基づいた理由のあるキッレキレな大暴れで皆を率いていく様は圧巻。脇を囲む豪華キャストもそれぞれの流石の演技だった。彼らが本作のアートに尖ったキャッチーさみたいな中毒性をより強固なものにしていたことは疑う余地なし。人生こんなもんさ。

とぽとぽ