劇場公開日 2021年5月28日

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「トリコロールの赤・白・青!」ローズメイカー 奇跡のバラ 色彩先生さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0トリコロールの赤・白・青!

2021年6月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

映画の中の「美のない人生は虚しい」が印象的な言葉であるが、色もまた無ければ虚しい…。
 パールホワイトの薔薇の白から始まるこの映画。まさに主人公エヴァの薔薇の育種に心血を注ぐスタートに相応しい色であった。なぜなら、本当の純白は観念の中にしかない色で白を維持するのには大変な努力を必要とするとの意味もあるからです。また、白は富や権威、権力の象徴である一方でカラフルな色の中の白は、孤独感も感じさせる。
 映画の中でたくさんの人が様々な場面で花を贈るシーンがある、出会い、想い出、きっかけ、別れ。父の残したバラ園を1人頑なに守り続けるエヴァのもとに3人の従業員がやって来る。映画の流れで、スパイはダメよね〜って思いましたが…笑。まぁ〜それは別にして温かい心の通い合いがホッとする場面ばかりでした。エヴァがフレッドに贈る押し花、花言葉で思いを伝えるなんて、何だかエヴァらしい。起死回生の赤の薔薇も映画には相応しいけど、私は押し花の青が心に残った。花言葉はそれぞれあるが、青が持つ信頼、真実、信用。エヴァがフレッドに贈るのに相応しい色だったのかもしれない。

色彩先生