劇場公開日 2021年4月2日

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Eggs 選ばれたい私たちのレビュー・感想・評価

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4.0選ばれたいと思えている内はきっと大丈夫。

2021年4月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

卵子提供。精子提供。代理出産。里親制度。日本ではなんだか後ろめたいことのように扱われてしまう事柄。でも決してタブーではない。子供が幸せだと思える環境が最も重要。生涯未婚率男性26%女性17%と言われる現代。少子化と言うなら正面から取り組むべき問題。

卵子提供。エッグドナーの登録会に訪れた自称独身主義者の純子とレズビアンの葵。2人はいとこ。偶然の再会であったがそのまま純子のワンルームに葵が転がり込む形で共同生活が始まる。

将来子供を産むという選択肢を持たない2人。それでも血を分けた子供を誰かに産んでほしいと望むのは何故なのか。
卵子提供を題材に母娘の繋がり、性的マイノリティの葛藤、働く未婚女性が感じる重圧を70分で見事に描いています。

純子に共感できる部分は多々あるな。不安なのよね。結局。若い内は考えもしなかったことに縛られて不安で堪らなくなる。分かる。それを埋めるものをきっとみんな探している。

場面転換時に浜辺のカットが入るのがラストシーンに繋がる効果的な演出になっていてうまいなと思った。

そしてなにより純子と葵を演じたお二人素晴らしかった!まるでドキュメンタリーでも見ているかのようでした。

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はるたろう

4.5真摯に真剣に、つくられた稀な映画に出会えます

2021年4月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

映画が始まってすぐに、思います。
主演の2人のキャスティング。この映画は、ドキュメント?
私は、シルバー男性ですが、
物語中の会話の一言一言に、生の女性の声が届いて来ます。リアルです!

「ドナー申込者、説明員のやりとり」のシーンが、この映画の肝ですね。
全編、男性にぜひ見て、知って欲しい場面です。
年に一回くらいは、こんな映画を見て欲しい。

監督、脚本の川崎さんの真剣さが、主役の2人の劇中会話から、伝わって来ます。

上映時間も、丁度いいです。
☆☆☆☆

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SkyLock

4.0【もったいないか】

2021年4月7日
iPhoneアプリから投稿

エッグドナー(卵子提供者)というスコープを通して見る女性の生き辛さや、寄り添う姿が描かれる。

僕の観たのは、監督の川崎僚さんと、「ソワレ」でタカラを主演した芋生悠さんのトークショー付き回だった。

僕も常に感じてることだが、芋生悠さんが、何でもカテゴライズしてしまいがちな僕達の世界の違和感について話していた。

僕は、結果、多くの人は、例えば、LGBTQだとかカテゴリー化することによって、自己満足したり、理解したふりをしてるのであって、多様性が本来の姿であることを本当に理解などしていないのではないかと時々思う。

結婚や出産を希望しない純子。

不安を抱えながらも出産を控えた友人。

間近まで教えてくれず、結婚が近い友人。
純子が独り身でい続けていることに気を遣っていたのだ。

仕事に邁進するものの、そのストレスに耐え難いものも感じ、出会い系サイトに登録する友人。
仕事も何処か中途半端で、いつか、この友人も結婚して自分の境遇など理解してくれなくなるかもしれないという漠然とした不安。

そして、レズビアンの葵。

どうして、二人はエッグドナーになろうとしたのか。

口では結婚と出産は諦めたと言っても、何処かで子孫を残したいと感じているのか。

それはおかしいことなのか。

親との葛藤。

選ばれたことに対するジェラシー。

定期的に訪れる生理は、子供を産まないと決めた自分には、砕け割れた複数の卵のようにもったいないものなのだろうか。

もったいないから、エッグドナーになるのか。

その答えは見つからない。

ただ、見つかる必要もないと思う。

それは、一人ひとり違うからだ。

アラサーも、独り身女子も、アラフォーも、草食系も、肉食系も、〇〇系で表されるカテゴリーも、見た目や、運動経験でカテゴライズされた分類場所が違うから、答えが違うのではないはずだ。

子供を切望する人の助けになりたいと考えてドナーになる人は、カテゴリーとは関係ないだろう。

一人ひとり違うから、答えが異なるのだ。

そんな生きやすい世界であって欲しい。

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ワンコ

3.5こじらせ女子

2021年4月7日
PCから投稿

卵子提供者側視点の映画。

うだうだ悩んで、ぐだぐだ言って、30才なのに20才前後のようなこじらせ方。周りの価値観に自身が振り回されてるだけじゃね?
トイレのシーン、便器の黒ずみが気になった〜掃除してるのか?卵子が…子供が…とウダウダする前に掃除しろ掃除。
コーヒーをこぼしてグループ内の分断を表してみたり、複数の卵を落として割って、子供を望まない=卵子の無駄遣いとでも表したかったのだろうけど…わざとらしい演出に感じた。

見たことある風景だなぁと思ったら、勤務先の建物が映ってた。

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Oyster Boy

4.0過渡期の私たちのための

2021年4月5日
PCから投稿

共感、がまん、波立ち、感情解放、調和………といったフェミニン(?)なキーワードが言外に満ちていました。共感力のある観客にならまっすぐ伝わる、わかりやすい物語であるわりに、変化とデリカシーに富み、面白かったです。ラストに「全解決」はないのですが、季節の使い方から感情のぶつけ合い、そして海へ、の流れがとても上手で、観賞直後に私は拍手したくなりました。
キャスティングやカメラワークは完璧ではなかったようですけれど、新人監督さんにしてはかなり頑張った方だと思います。同性愛者が「私のこと差別してるでしょ?」と発言したのは、理に走りすぎた言い方だったかもしれません。主題を直截的に語りすぎです。「私のことキモいと思ってるでしょ? 警戒してるでしょ?」ぐらいがいいのでは?

人間は生物学上はただの動物なので、メスかオスまたは“異常体”のうちのどれかであり、“正常なメス”としての女性は「優秀な遺伝子をもつと思える男性を可能なかぎり厳選してセックスし、子産み・子育てする」ように体が出来ています。そうして、弱肉強食の生存競争内で遺伝子を継ぎ、種族を存続させてゆこうとします。同性愛者や出産拒否女性や扶養力不足の男性が社会の中で「問題あり」と見なされるのは、“獣としては至当”なのです。
しかし、私たち人間は、ほかの哺乳類と比較にならないほど大脳が発達し、「野獣のような喰い合いだけでは生きていたくない。弱者や異常者も、利害対立相手も、一人一人かけがえのない友愛対象として多様性の中で社会の皆から尊重され、すべての人がお互いに圧迫や搾取や支配を受けない、穏健で自由でのびのびとした創造的な世界をつくりたい」という願いを数千年かけて膨らましてきました。
21世紀の今、まだまだ精神性の過渡期です。そんな中、私たちの日本は、女性解放等にかんして先進国ではありません。 「スコットランドで、全女性への生理用品の無料配布を法的に義務づけ」「ドイツでは、生理痛に耐えることが無意味であるとして、妊活中以外の多くの女性がピルでふだん生理を止めている」とかいうニュースを聞くと、わが国は遅れているわと思うし、問題の種類は違いますが「オランダで、売春を合法化、セックスワーカーに労働者としての権利を保障」「オランダをはじめ世界二十カ国以上で同性婚を認めている」といった、日本では考えられない進歩的な動きもあります。一方、生理期間中の女性を「穢れの身」として家屋内から追い出すインドの信じがたい風習や、レイプ・近親相姦の場合でも堕胎を一切認めないことになった米アラバマ州などの法改悪も。世界にはいろいろなことがあります……。
自分自身や他人をどこまでのびのびさせてあげられるか、どこまで優しく扱えるか、ということにもなるかと思います。みんなの苦悩が減るように。そして社会が個々の人間性を圧迫したり選択肢をむりやり狭めたりすることも、減っていくように。
何よりも、私たち人類は、「自然だけれど、おぞましさも多々ある、本能百に近い」動物なのか、それとも「動物を超えた、真に特別に崇高な」何者かになれるのか。その過渡期は、あと何万年も続くかもしれません。待ちきれない気もします。
この映画は、待ちきれない私たちのための、問題提起力を確実にもっています。
ただ、共感力の乏しい観客には、「ちぇっ、女同士でまとまっちゃって。俺たち男だっていろいろつらいんだけどな。映画として下手な部分もあるし」と文句をつけられるおそれも。そのあたりは、例えば「35歳をすぎて非モテ独身で、年齢の壁で転職に苦労している文句たらたらの善良男性」「定職に就こうとせずフニャフニャしてるが女性への配慮のできる若い男性」といった脇キャラを創出して主人公たちの思考にかかわらせたりするような包容力を監督さんが得ていけば、今後さらにこの作風でいい映画を作れると思います。

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美姫ちゃ

3.0選ばれることが幸福の全てか

2021年4月4日
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鑑賞方法:映画館

全ての夫婦が卵子ドナー制度を利用できるわけではない。
海外での出産に伴う生活費やエージェントに支払う手数料、提供者への報酬。さらには、受胎オペレーションのために時間を用意できる余裕も必要だ。
そのコストに堪える経済力のある夫婦は限られている。

妊娠治療の発展は、子を持ちたいという欲望の実現に寄与した一方で、新たな格差または搾取の形態を世に生み出したと言える。

自ら選択して、女性に生まれたわけではない。
わたしの思いとは別の何かー他者の妊娠や世間一般の常識などーが、子を産んで育てることへのわたしの躊躇を押し流そうとする。

女性に生まれたからには子を産むべきなのか。
母親となった彼女に比べてわたしは損をしているのか。

繊細でありつつも強靭な圧力がもたらす不安が、卵子ドナー制度を成り立たせている。
そして、選ばれないことでさらに傷つく。

すでに妊娠に至った後でも、母親となることへの覚悟ができるとは限らない。
出産して子を育てる過程の中で、母親となることを自ら選び択る機会が得られるものなのだろう。

誰かに選ばれることは至上の幸福であるとは思う。
それでもわたしの人生はただ一つ、わたしだけのものだ。
そしてそれは、自らの思いを積み重ねて選び択るべきものなのだ。。

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おかずはるさめ

2.5自意識

2021年4月4日
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単純

難しい

エッグドナーに登録した30歳目前の女性と、そこで偶然出会った従妹でレズビアンの女性が、同居して巻き起こる話。

ドナーになれるのは20~30歳までで、ドナーを選ぶのは卵子の提供を受ける夫婦という設定のもと展開していくストーリー。

独身主義者の女性とジェンダーマイノリティの女性のコンプレックスや、外野のプレッシャーは良かったけれど、志望理由の件や後めたさは自分には理解出来ず。
男だからか、個人的思想のせいか…自分が自由人だからか?w

とりあえず、暫くは卵をかき混ぜるたびに頭に過りそうww

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Bacchus

4.5舞台挨拶鑑賞よかったです。

2021年4月2日
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鑑賞方法:映画館

純子に、引き込まれました。
まったく、ストーリーは事前に把握していなかったので、最初は戸惑いましたが、よく理解できました。
最初は、葵がイヤだなと思ってしまいました。
Eggsですね!
とてもいい舞台挨拶でした。
パンフレット買いましたよ(^_^)

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かん