劇場公開日 1990年11月

「警察官の射殺事件」Q&A kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0警察官の射殺事件

2019年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ブレナン(ノルティ)が悪徳警官だということは冒頭シーンから明らか。これをどう処理するのかが新人検事補アル・ライリー(ハットン)の腕にかかってる。アルの父親は殉死した刑事だったが、彼にとっては模範刑事という認識しかない、正義感の中で育った若者といった雰囲気。証人を何人か取調室に呼んで尋問調書(Q&A)を取るとき、彼の顔見知りがいた。麻薬ディーラーのボビー・テキサドール(アサンテ)の妻ナンシー(ジェニー・ルメット:シドニー・ルメットの娘))・・・彼女はアルの元恋人だったのだ。事件の要となるのは、射殺事件になる前、殺された男の件をブレナンにタレこんだというロジャーというオカマの行方。そのためブレナンは新たな殺人を犯さなければならなかった・・・

 人種差別問題がかなり大きく食い込んでいて、黒人、イタリア人、プエルトリコ系。そこに黒幕の姿が見え隠れするのだ。「ブラックよりもブルー(=制服)を選ぶ」などといった台詞も聞ける。ナンシーがプエルトリコ系だったためか、バレンタイン刑事(ルイス・ガスマン)をかなり信頼していたアル。黒人のチャップマン刑事(チャールズ・ダットン)に対してはブレナンと繋がってると疑ったりした。

 結局はアルの直接の上司となるケヴィン・クイン(パトリック・オニール)が黒幕だったわけだが、州知事にも立候補しようとする悪そうなヤツ。過去には無表情の殺し屋だったりもしたのだ。汚職と賄賂にまみれた警察や検察の世界をサスペンスタッチで描いてはいるが、どうも社会派としてはインパクトが弱い。悪すぎるからだろうか?それとも恋に溺れそうなティモシー・ハットンのキャラが弱っちいからなのか・・・

kossy