劇場公開日 2021年2月26日

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「温もりと肯定がいっぱい。子らと共に母が羽ばたく物語」ステージ・マザー 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5温もりと肯定がいっぱい。子らと共に母が羽ばたく物語

2021年2月27日
PCから投稿

何もズバ抜けた行動力があるわけではないし、巨大な力がみなぎっているわけでもない。だがこのママからはじわじわと愛情をもらえる。店に集うドラァグクイーンの中には親と縁を切ったも同然の者もいる。そんな彼/彼女らを、ママはしっかりと見つめ、我が子のように肯定してくれる。そうやってただ頷くだけで、子らはどれだけ心が満たされることか。これはひょんなことからバーの経営を担うことになる女性の物語。様々な要素は含んでいるものの、究極的には広い意味での「母と子の絆」がメインだ。自信なさげでかよわく見えるのに、実は芯が太く、度胸も座ったジャッキー・ウィーヴァーのマザーっぷりが気持ちいい。全編を彩るハーモニーやパフォーマンスも飽きさせない。吹けば飛ぶよな小さいバーだが、そこは己を表現できる掛け替えのないホームでもある。本当の自分。なりたかった自分。あるべき自分。誰もが探している。そしていつでも遅すぎることはない。

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牛津厚信