林檎とポラロイドのレビュー・感想・評価
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そういう事か、と分かると、後からジワジワくる
記憶喪失を治療する、変なプログラムの数々。どんな意味があるのか分からないものが淡々と続き、正直、何回か落ちかけました。
最後も、見た時はよく理解できず(どうして記憶戻ったの⁉︎)、何か重要なシーンを見落としたのか、と思い、こちらのレビューを眺めていたところ、ようやくそういう事か、と分かりました。
あえて書くと〜
誰か大切な人を失い、記憶喪失者向けの「上書きプログラム」に期待して偽って参加したものの、喪失から逃れる事はできず、自分の痛みと向き合いながら生きていこうと思う…。
〜ということ。
そう思うと、あのシーンも、このシーンも味わいが深いように思われ、何度も思い出してしまう。
分かんなさの雰囲気を楽しむ映画なのかな、と思ってたら、低得点だけど、実はクリアな映画で、後からジワジワも、たぶん狙いすまされてる。やられたなぁ、という感じです。
#19 主人公が愛しくなる傑作‼️
冒頭では主人公がただの頭がおかしい人かと思うんだけど、絶対何か裏がある。
いきなり記憶喪失になる病気が蔓延している社会で、主人公の行動はどこか他の患者と違うから。
淡々とリハビリプログラムをこなしていく中で、女性と性的な関わりを持つことを極端に避ける点も変だ。
でも最後の最後に彼の真実がわかると、それまで淡々としていた意味が全部理解出来て愛しさが溢れて来る。
これ作った人凄い。シナリオも良いけど、1970年代みたいな雰囲気もGOOD。
もっと沢山の映画館で上映して欲しい。
ナイフで林檎を切って食べたくなった
特に説明がなく、おじさんが記憶喪失みたいなところから物語がスタートして、記憶を取り戻すために医者から指示されたミッションをクリアして証拠の写真を撮っていく。おじさんはクリマスソングまで完全に忘れている様子でした笑
終始不思議な空気感があり、主人公以外にも舞台になっている街では記憶喪失の人がいっぱいいてみんな記憶を取り戻すミッションをやらされてます。
主人公は作中にほぼ感情を出さず抜け殻のようなですが、ふと自分の中の何かと葛藤しているように見えるシーン散りばめられています。
あとはずっと無心で林檎を食べている姿に自分も林檎が食べたくなりました笑
観客一人一人に答えがあるのかも
,
林檎とポラロイド鑑賞
突然記憶喪失になる奇病が流行している社会
主人公もある日突然記憶喪失になり、病院に収容されたのち症状回復プログラムに参加することになる
回復プログラムは、いわば人生の生き直し
自転車に乗る、車を運転する、仮想パーティに行く、クラブでナンパする、お葬式に参列するetc
淡々とした映画
大きな波はないけど、小さな波が不定期に寄せては返し、ラストへ繋がっていく
主人公が記憶を無くす直前から物語ははじまり、淡々とした中に、仮装パーティやクラブのシーンなど、独特のゆるいユーモラスなシーンがクスリと笑える変な吸引力を持ちつつ、全体的には同じトーンで物語は進む
ハネケとかランティモスとかカウリスマキとか好きな人に合いそう、って思ったら、ランティモスの助監督努めてた人らしい
ラストシーンは、印象に残るラストシーントップ10に入るかも
はっきりとした答えを出さず、観客に委ねる終わり方なんだけど、これ悩む
劇中の黒い犬が再登場するシーンとか、買いかけた林檎を台に戻すシーンとか、どう受け取るかで答えは変わる
観客1人1人に答えがあっても良いのかな
彼は忘れたのか、忘れたかったのか
個人的に、☆5中☆3.2
スローテンボ
映画のテンポがとにかくスロー、セリフや説明描写も少なく、寝不足気味だったので睡魔との戦いだった
この映画の主人公、ある日突然バスの中で記憶喪失になり、過去の記憶を取り戻すのではなく、新しい経験を積んで新しい人生を生きようというプログラムに参加することになる
ただ、このプログラムの内容が怪しいものばかり、指示は毎日、カセットテープ、内容はやたら性的な内容ばかり、どんな新しい人生を歩ませようとしてるのかが、さっぱり分からない
プログラムの内容も人によって変更がなく同一、あのポラロイドで撮った写真のアルバムはなんの役に立つのかがいまいち意味不明、詐欺かなんかの加担者への洗脳プログラムと思ってしまった
ただ、この主人公、記憶喪失のはずなのに、記憶を無くす前に住んでいた近所の犬の名前覚えていたり、隣人のはずの犬の飼い主と会うのを避けたり、家の住所を聞かれて以前の家の住所を思わず答えたり、記憶喪失に効果があると言われたら林檎を買うのをやめたりと、明らかに記憶喪失の振りをしている描写がたくさん
この映画、最後のオチをどのように持っていくのかというが気になっていたが、最後まで鑑賞すると、元の生活で忘れてしまいたい悲しい出来事をこの怪しいプログラムで上書きできないか試してみたが、悲しい記憶を受け入れて生きていく決心をしているので、ある意味、人生の再生に成功している?
知恵の実では癒やされぬ哀しみ
「ん?」「んんん?」「ん!」「ん〜」等々、頭の中で「ん」がゲシュタルト崩壊を起こす映画でした。好物でございます。
直ぐに2回目を観る気にはなれないけれど、忘れた頃にふと思い出したらゆったり観たい作品でした。最初は滑稽さもあって、皮肉めいたSFコメディなのかなー?なんて思ってましたが、何かが見えて来た辺りから「愛しさと切なさ」が込み上げてきて、ラストシーンでは静かに落涙しておりました。良い余韻と良いタイトルだ。
記憶喪失のふり
途中からこの主人公は妻を亡くした喪失感から、記憶喪失のふり、行方不明者のふりをしただけなのでは?と思いました。犬の件、林檎を食べると記憶力アップになると聞いて林檎を戻す件、複雑な料理ができる件等から。あのプログラムをばかばかしいと思い、先輩彼女に利用されて彼女を哀れに思い、日常の生活、妻を亡くした生活に向き合うことを主人公は選んだのでしょう。
良い治療方法
人生は、忘れたいことばかり?本当に?
痛みとか喪失感とか、過去の嫌なこととか、今大絶賛進行中の嫌なこととか。
全て忘れて全く新しい自分になって、ゼロからやり直せたらそれはそれで良いのかもしれない。
でも、その山盛りの嫌なことの中に、奥の方でキラッと輝く何かがあったりするのだ。
都合よく良いことだけを覚えておくなんて無理で、90.%の嫌なことと、10%の宝石みたいな素敵なことが、常にセットであり続けるのだ。
でも時が経つと嫌な思い出の素敵な部分だけが残る。それには膨大な時間がかかるのかもしれない。
そしてやっぱり与えられた時間を生きていくしかなくて、諦めとか踏ん切りとか、なんかもうとにかく折り合いつけて生きていくしかないのだ…
…という映画でした。たぶん。
ラストシーンで全てが分かると、心の中にじわじわ染みてきます。
そしてこの作品を自分の人生のどのポイントで観るかで、受け取り方がちかってくるのかも。
60歳、70歳と、各年代で見かえすと、自分の気持ちが変わってて、きっと面白いのかも。
そしてやっぱり「新しい自分療法」は意味があったんだと思いたいです。
ヒゲモジャ男ばかりなのはなぜ?
喪失からどのようにして再生するかーー
というテーマをユニークな切り口で展開される。
記憶喪失する人が続出する世界を描く発想がユニーク。
脚本もユニークで、ラストは良い。
インテリアはシンプルでオシャレ。
そもそもギリシャの映画が新鮮。
それにしても、あんなに髭を生やした男性がたくさん出てきているのはなぜ?宗教的な理由?
あそこまで髭がはえると清潔感に欠けるよね。そればっかり気になって見ていた。
とにかく眠気と闘った90分でした。
静かなる映画てもあひ、眠りを誘う作品です。
失った人生は心に空いた穴
面白い作品だ。記憶とは何かについて、改めて考えるきっかけとなった。記憶喪失が蔓延するという発想は奇抜だが、それ以外は至って常識的である。常識的にするためには記憶の代用をしてくれるスマホやPCが邪魔だ。だから時代設定はそれらがまだ一般的でない年代にしたと思う。1970年頃だろうか。その場で一枚限りのポラロイドカメラを小道具にした発想もいい。
人格は記憶によって形作られる。生まれたばかりの赤ん坊には、人権はあるが人格はまだない。遺伝的な気質に加えて、乳児期から幼児期にかけて決定する気性、それに記憶が累積することによって人格となる。
記憶とは脳に入力された情報である。情報は五感から得られるものと、想像や思考によって獲得されるものがある。その大半は潜在意識に蓄積されて、ときどき取り出される。思い出すという現象だ。日常生活や仕事に必要な記憶は顕在意識に置かれて、すぐに取り出せるようになっている。
俗に記憶喪失と呼ばれる症状は、逆行性健忘症といって、顕在意識の記憶が損なわれた状態である。潜在意識にはすべての記憶が残っているから、損傷したシナプスが回復するなど、脳の回路が復旧したら、再び顕在意識に取り出される。つまり思い出すのだ。自分の名前は記憶の最初から繰り返し情報を重ねているから、忘れることはまずない。
本作品はそういった医学的な常識とは裏腹に、医師が奇想天外な治療法を施す。毎日様々な行動を課せられるのだ。患者は街の至るところにいて、何故かみんな真面目で大人しい。課題は日常的な些細なことから、真面目な人が日常生活ではあまりしなさそうな課題まで多岐にわたる。脳や記憶とどんな関係があるのだろうと考えながら観るから、単に踊っているだけの映像が違った意味合いを持つ。
顕在意識の記憶がなくなっても、潜在意識には残っているから、人格を喪失することはない。しかし長期の記憶がなくなると人生を失う。記憶が戻らないのなら、新たな記憶を獲得すれば再び人生を始められるというのが本作品である。ただしこれまでとは別の人生だ。それが本人にとって幸福なのかどうか。
痴呆症になって家族の名前さえ忘れてしまうのは、当人にとって人生を失ってしまうのと同じことだが、失ったことさえ認識できなければ不幸ではない。人生だけでなく人格も喪失しているからだ。
しかし健忘症は人格がありながら、人生の一部を喪失している。これは不幸だ。主人公が知り合った女性が課題をこなす姿に虚しさを感じたのは、当方だけではないだろう。おそらく主人公も同様の虚しさを感じたはずだ。記憶をなくすことで失った人生は、心に空いた穴である。
哀しき記憶
突如記憶喪失になる病が流行する世界にて、特殊な治療プログラムを受ける男の様子を描いた作品。
ひとりぼんやりとバスに乗っていたところ、いつの間にか記憶喪失に・・・。
次々出される奇妙な課題とポラロイド写真の撮影。一体何の役に立つのかまったくわからんプログラムだが、不意に元の住所を思い出したり、効果がでているのか?と思ったが・・・
終始、ローテンションな空気感で進む作品。
とは言え、個人的にもの寂し気な雰囲気の映画は好きなので、これは◎
記憶を失い、親族がいる様子もなく、只管主人公の孤独感がひしひしと伝わってくる。同じ症状の女性と出逢い、良い感じにもなるが好意というよりはこれもプログラムの一環。。どうやっても虚しさが漂う男の暮らしが哀しい。
スローテンポな展開の中にも、何故か袋から戻したシーンからは妙な違和感に引き込まれる。
一体この病の正体は何なのか?どういう落としどころに持って行くのかと思ったが…こういうことか。確かに、思い起こせばいくつもアレコレあったか。
終わってみればシンプルとも言えるが、これは読めなかったかな。思いの外気持ちよく裏をかかれ、映画の醍醐味も味わえたし、最後リンゴを食べる所は諦めというか決別というか…哀しさと同時に前に進む気持ちにもなれたのかな。
あとは、あまり深く考える所じゃないかもだけど、プログラムの内容はかなり気になったかな(笑)
トイレで・・・ってそんなの無理に決まってるでしょw ってかコレ記憶云々に関係あるの??
そしてもうすぐ親族が亡くなるという時にズカズカと近づいてくる他人なんて迷惑過ぎて普通誰も受け入れないでしょ。。
さておき、観る人によってはスローで退屈な作品かもしれないけど、少ない言葉でも深さを感じさせてくれる良作だった。
察するが、眠い
セリフなどで一切説明せず、主人公の虚無しか見ていないその死んだ魚のような目を写し続けていて「感じろ」「察しろ」という作り。
油断すると、観てるこちらが深く寝落ちそうになる。
記憶を失くす奇病の流行る世界ではあるのだが、記憶を失った男と思えない行動が続く。
冒頭から冷静なのだ。
自己回復プログラムを淡々とこなす姿から、開始40分くらいで、過去を忘れたのではなく、忘れて新しい自分を手に入れ、別の人生を送ろうとした男ではないかと思いはじめました。
結論は各々でご確認いただくとして。
生きていくのには悲しいこと、苦しいことが常につきまとい、それが人生の一部になっていく。
受け入れられるか、受け入れたくないか、それだけだと言いたかったのではないか。
そう感じ、察しました。
が、眠い。
忘れてしまいたいことや~
ギリシャのニクさんの映画。ギリシャの人って色黒で毛深い。アルジェリアとかモロッコ人が主役のフランス映画かと思って見ていた。
静かで、5.6回意識消失発作に襲われた。いやもっと多かったかもしれない。だからレビューは差し控えたいのだが、大変おもしろかった。
意識がハッキリしたのは後半の酒場のひとりダンス(ツイスト)以降。たぶん音楽(曲)がモタセてくれたのでしょう。ホラー映画を見に行く場面は全く記憶にない。すっぽり記憶から抜け落ちている。若い女の子となんかいたすようなシーンも寝てしまった😵キャットウーマンがチラッと見えた。でもハル・ベリーっぽくなかった。
記憶喪失者がたくさんいる設定なのに医者は全然焦らないし、病院のベッドが足りない様子もない。記憶力テストや知能テストも超苦手なもんで、眠くなったのだと思う。カセットテープにわざわざ録音されて送られてくる回復プログラムのミッションはだんだん摩可不可思議なものになってゆき、ポラロイドカメラで自撮りし、古風なスクラップブックに貼るというのはなかなか大変。あの女の人は女医さん役に似ていたけど、おんなじ俳優さん?
ギリシャってユルユル?
だから経済危機になっちゃうんじゃないの。
リンゴが記憶力にいいのは知ってましたけど、普段ほとんど食べないですね~ 皮剥くのがめんどくさい。咀嚼するからいいんでしょうね。ジュースやすりリンゴでは効果は少ないかもしれない。八百屋さんがリンゴは5.6個食べりゃ下痢は収まるし、記憶力にいいけど、今日はオレンジ🍊のいいのが入っているよと言われるとちょっと考えて袋に入れたリンゴを全部出して、オレンジにするエンディングに近いシーンがなかなか意味深。
🎵忘れてしまいたいことや~どうしようもない悲しみに~包まれた時に 男は
リンゴをやめるの
でしょう~
あのケーキはオレンジピール入りのチョコレートスポンジケーキだった。とても真面目で思いやりのある主人公でした。
とりあへず、リンゴ🍎食べなきゃ!
バットマン
設定が面白そうだったので鑑賞。
事前に公式HPのストーリーやあらすじ読んどいて良かったなーと思ってしまうくらい説明はないです。色んな道があるはずなのにまっすぐにしか行かない映画です。
記憶を突然無くしてしまった奇病にかかってしまった男性を軸に物語は進んでいきますが、多くの登場人物が感情を表に出さないので若干不気味ではありますが、それが後半になるといい塩梅で効いてきてクスッと笑えるものになっていました。
無くしたい記憶と留めておきたい記憶の狭間で揺れながらも回復プログラムをこなしていく主人公と、映画館で面白いくらいビビっていた先輩の物語が中盤からは展開されていき、トイレに行ってセッ○スをしたのかしていないのか?なぜ車で木にぶつかって事故した際に写真を撮るのか?と、没入していたあまりにその回復プログラムの意図が分からず曖昧な感じで飲み込んでしまい、疑問に思いながら鑑賞を進めてしまいました。リンゴを食べた方が記憶力低下を防げるのになぜオレンジに変えたのかもピンとこず。
個人的ハイライトはコスプレをしている際にバットマンとキャットウーマンがいた事です。同日公開だから配給会社が合わせてきたのかな?と思わずニヤリ。
最終的にプログラムの違和感に気づきつつも、吹っ切れた様にリンゴを齧る姿を見て、少しばかり切ない気持ちになりました。中盤クスッと笑っていたのに…。
90分と短い映画ながら、考えさせられるテーマの映画でした。アート系映画に当てはまると思うので、大衆ウケはしないと思いますが自分はそこそこ楽しめました。
鑑賞日 3/15
鑑賞時間 11:20〜12:55
座席 D-10
本当は。。
昔の音楽が、良い感じで流れるがこれはわざと?なのか?
時代はいつなの?
等と思いながら引き込まれていく。
見終わって、この記憶障害って自己申告だよね?
中には、いまの生活が嫌になって、記憶障害を演じてるとか。。
犬の、名前を呼んだとき、記憶を取り戻したければミッションよりも大事な行動できるのでは。。
回復も自分で決められるようだし。
と、色々思ってしまった。。
とっても不思議な映画だけど、何だか好きだな。。
1日1日、丁寧に生きる。
ケイトブランシェットお薦めという事でチェックです。
流行病の記憶喪失病になり病院で処方箋をもらうんだけど、それは新しい経験をしてポラロイドで撮影記録する事、、、、林檎は大切な記憶でポラロイドは新しい体験とその記録かな、、、アート系だと思うので万人にはお薦めできません。同じギリシャの若手監督ヨルゴスよりは目線が優しめです。
観てるうちにどうせ皆んないずれ頭がぼーっとして色々忘れちゃうんだから、生活に支障ない最低限の事だけ外付けメモリにいれて、新しい体験や新しい気持ちを大切に生きていけばいいんじゃないかと思ってしまった。いや、それでいいはず。
思い出す必要ない事を思い出して、猛烈な喪失感を味わう事も有るからね。
リンゴも美味いが、オレンジも美味しいぜ。
ダンスは浄化する
音楽が身体を通り踊り出す時に、頭は真っ白になり浄化される。そんなあの瞬間を思い出した。
現状も思い出したくない悲しみも、洗い流す様に踊り続ける。
誰にも触れられない気持ちを感じさせる印象的なダンスシーン。
林檎を食べるシャリシャリ感はリアルで、シュールと深い悲しみが混じり合う不思議な話だった。
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