劇場公開日 2020年12月11日

「壮大なスケールで描く終活」ミッドナイト・スカイ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5壮大なスケールで描く終活

2021年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

大規模に予算をかけた超大作だけれど、内容は非常に内省的だ。こういう企画は劇場向けには通りにくいのかもしれない。派手なシーンで魅せるタイプの作品ではなく、ブロックバスター映画とは一線を画している分、映画館では売りにくそうな作品だ。こういう企画が拾えるのは配信の良いところなんだろう。
間もなく地球が滅亡する中、南極の基地に一人残った男と、地球が滅亡しかけていることを知らない宇宙船のクルーたちがこれまでの人生を振り返る。滅亡に抗えないことはもうわかっているようで、滅亡回避のための戦いは描かれない。本作はもっぱら人生最期の瞬間をどう迎えるかという「終活」を壮大なスケールで描いたような作品だ。スケールは全く違うが砂田麻美監督の『エンディングノート』と同じタイプの作品かもしれない。
地球が滅亡せずとも人間の人生には必ず終わりがある。人生をどう畳むかは全ての人にとって切実な問いかけだ。高倉健の「鉄道員(ぽっぽや)」にも似ているなとも思った。

杉本穂高