劇場公開日 2022年11月25日

「音楽を使った知ってるつもりで知らないピノッキオ。」ギレルモ・デル・トロのピノッキオ コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0音楽を使った知ってるつもりで知らないピノッキオ。

2022年12月17日
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鑑賞方法:VOD

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内容は、イタリア🇮🇹の童話であるピノッキオを下敷きにしたギレルモ・デル・トロ監督による新たな解釈によるストップモーションアニメ作品。印象に残った台詞は『人生に意味を与える唯一のものーそれは儚さだ。』ピノッキオが死の世界に初めて行った時に精霊🧞に告げられる台詞。生き死の解釈についての物語を言葉で分かりやすく伝える場面は簡単で難しい様に感じましたが、そんなところが好きです。印象的な場面は、あらゆる場面で使われる青色表現の多様さに驚かされたとストップモーションとは思えないほどの素晴らしい滑らかさ。そしてキャラクターや美術の製作者の心意気と愛情が伝わって来そうな所が個人的に好きです。素晴らしくて制作日数15年の歳月を2時間で観るには苦惜しい感を覚えます。個人的にコオロギ🦗のセバスチャン・J・クリケットの部屋にショーペンハウアーの額が飾られている所は、この世界の根本は不条理で盲目的な意思であるとの厭世思想やペシニズムを感じとても楽しく観る事が出来ました。デルトロ監督の世界観と歴史的背景や人物背景には脱帽します。レイヤー構造的で物語の流れに様々な視点を盛り込みまとめ上げた素晴らしい作品だと思いました。ストップモーションアニメは、長い年月が掛かる分、キャラや世界観の作り込みに愛情や魂が乗り移るのて面白い作品が出来るのではと思います。本のピノッキオは最後に本物の人間になりますが、本作では人形のままでピノッキオに出会い関わった人が人形ピノッキオを人間として見る事になり、そこで人形ピノッキオは人間としての自分自身の在り方を見つけるからこそ死を迎えるのではという視点は個人的には好きです。自分はNetflixで見ましたが、特にピノッキオメイキングの30分作品『ピノッキオ手彫りの映画、その舞台裏』が非常に面白くもし見る事が出来るなら見た方が数倍面白くこの作品を鑑賞する事が出来ると思います。

コバヤシマル
コバヤシマルさんのコメント
2023年1月25日

コメントありがとうございます。パンズラビリンスも面白かったですね。総合芸術の芯がしっかりした物語には厚みを感じます。今後とも楽しく酷評レビュー見さして頂きます。ありがとうございました。

コバヤシマル
マサシさんのコメント
2023年1月24日

先ずは色々共感いただき大変にありがとうございます。私の場合、酷評が多くて、これだけ大量に共感頂いたのは初めてで大変に嬉しいです。ありがとうございます。
さて、ピノッキオの件ですが、私も30分のメイキングを見ました。その中で説明していたか記憶していませんが、私は『人間にならなかった』所に大変人気感動しました。また、メイキングの中でも説明されていましたが、姿がシンメトリーをとっていなかった事に凄く感動させられました。バンズラビリンス以来の感動です。奥が深いと思いました。

マサシ