劇場公開日 2021年4月9日

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「【モロッコの山奥に暮らす”自由の民”アマズイーグ族の、アトラス山脈の壮大な自然の中、変わらぬ生活を描いた静なドキュメンタリー作品。】」ハウス・イン・ザ・フィールズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【モロッコの山奥に暮らす”自由の民”アマズイーグ族の、アトラス山脈の壮大な自然の中、変わらぬ生活を描いた静なドキュメンタリー作品。】

2023年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー ご存じの通り、モロッコは男尊女卑思想が残っている国である。だが、世界から絶賛された「モロッコ 彼女達の朝」で描かれれた通り、女性達は逞しく暮らしている。(だが、今作はモロッコ国内では上映禁止)
  今作は、モロッコの山奥に暮らす”自由の民”アマズィーグ族(一般的には、”ベルベル”と称されるが、今作のフライヤーを見ると、それは他称であり、蔑称であると記載されている。知らなかった・・。)の若き姉妹が、自然の中で生きる姿。そして、姉が見知らぬ男性との結婚を迎えるに当たり
”結婚するのは怖いけれど、それが義務だから・・。”と言い、結婚式に臨む姿と、姉が居なくなることに寂しさを感じている妹の姿が、静やかに描かれている。-

◆感想

・今作で映し出される、アマズィーグ族の民の表情が男女問わず、穏やかである事に好感を覚える。もしかしたら、諦観の念も入っているのかもしれない。

・結婚に臨む、姉の不安感と共に語られる未来への希望。そして、実際の結婚式で花嫁は綺麗に着飾り、女性達も美しい装いで、若き二人を祝うシーンも良い。

<今作は、ドラマティックな要素を極力排して、描かれたアマズィーグ族の姉妹を中心に、彼らの大自然と共に生きる姿が、鮮やかに描かれている。
 モロッコの大都会であるカサブランカなどの喧騒は、この映画には一切出ない。
 只、只管に大自然の中で生きるアマズィーグ族の人々の姿が、過剰な演出無く描かれている。
 今作の監督、タラ・ハディドさんは、7年にわたって現地に通い、姉妹たちと寝食を共にし、信頼を得て今作を完成させたそうである。
 派手さはないが、少数民族であるアマズィーグ族の生き方を美しく捉えたドキュメンタリーであると思う。>

NOBU