劇場公開日 2020年12月4日

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「主人公のマキさんの性格に問題がある」ミセス・ノイズィ 宇佐美真規子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0主人公のマキさんの性格に問題がある

2021年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主人公のマキさんの性格に問題があるというか随分極端だなあと感じた。
すぐに浮かれて踊ってるし、人に何か言われるとすぐに落ち込んだり喜んだり振り回されやすくて単純で短絡的です。
まあだからドラマになるんでしょうけれど。。。私も子どもがいるから分かるけれど、ちょっと迷子になっただけでもものすごく焦る。でもいなくなったら、生きて帰ってきてくれれ
ばそれだけでいい、と親なら願うもの。隣の変わったおばさんだろうと誰だろうと連れて帰ってきたなら、とりあえず泣いて喜ぶと思う。連れて帰ってきてくれた相手に対してあんなにいきなりキレて攻撃的になるかなあ?そりゃあ、時間が経つにつれ冷静になってきて沸々と怒りが込み上げてくるというのなら分かるけれど。
それでも、私だったらもっと子どもの様子を観察すると思う。どう見てもおばさんとおじさんを怖がっていないし、また遊びたいと言う。子どもは正直だから、怖かったり変な思いをしたら、2度と近づこうとしないだろう。マキは子どもの気持ちを分かろうとも言い分にも耳を傾けようともしない。
こんなに観察眼のない人が小説家って信じられない。おばさんが、「あんなにピリピリしてていい小説なんて書けるはずない」と言うのはいい得ている。
ともかく、こういう極端なキャラによって、物事を正しく見たり理解することの大切さがあぶり出される映画だ。自分の判断というのはあくまでも自分の判断であって、何か意見を言っても、「まあ、私の個人的な判断だけどね…」って思うようにして、決して全貌は見えていないことを自覚する冷静さが現代人には必要なんだろう。
1を見て10を分かるなんてあり得ないんだから。

ひざきち