劇場公開日 2021年4月9日

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「【下北沢に流れる文化の匂い、複数の男女のさり気ないが心に響く会話が心地よい作品。心優しき自分に正直な若者達の姿も、気持ちが良い作品でもある。】」街の上で NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【下北沢に流れる文化の匂い、複数の男女のさり気ないが心に響く会話が心地よい作品。心優しき自分に正直な若者達の姿も、気持ちが良い作品でもある。】

2021年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

幸せ

■好きなシーンは、数々あれど・・

・古着屋を営む青(若葉竜也)が、店で本を読んでいる姿。行きつけにしているヴィム・ヴェンダース監督が来日時に顔を出す!喫茶店で、マスターと何気なく交わす会話。
 ”映画や本は残るからね・・。文化は残るから・・。写真はどうかなあ・・。”

・青が、町子(荻原みのり)が自主制作する作品への出演を、かなり強引に引き受けさせられ、古本屋のバイトの冬子(古川琴音)に動画を取って貰いながら練習するも、余りに下手くそな本を読むシーンの演技。
 ー 若葉さんの演技が絶妙で笑う。あの演技をする方が難しいのではないかなあ・・。キョロキョロする目、ページの不自然なめくり方・・。ー

・映画スタッフのイハ(中田青渚)と、打上の二次会に行かずイハの家でお互いの恋話をするシーン。
 ー 何気ない二人の会話が心地よい・・。あの二人の台詞、良く考えてあるなあ・・。ー

・青を一方的に振ったユキ(穂志もえか)が、密かに付き合っていた朝の連ドラに出ている売れっ子役者(成田凌)に対して、別れを告げるシーン。
 ー 男にとって、一緒に居て楽しくないと言われるほど、ショックなことはない・・。ユキが本当に一緒に居て心地よい男って・・。古本屋と喫茶店とライブハウスを自由にふらふらと行き来する男だよな・・。ー

◆非常に面白かったシーン
 朝、青とイハ、ユキとバーのマスター、イハの三番目の彼氏が偶然出会うシーン。夫々の、嚙み合わない会話が絶品である。

・青が昔作った歌をアコギで優しいトーンで歌うシーン。(作詞:今泉力哉)

・元の鞘に戻った青と、ユキが分かれた日のケーキを恐る恐る食べるシーン。
”イケるよ・・。””うん、イケルネ・・”

<今泉力哉監督は、何気ない台詞を何気ない風景の中で、役者に喋らせる脚本を書いたら、天下一品である。
 ”文化”を大切にする多数の若者たちの姿が、心地よい作品である。>

NOBU
もりのいぶきさんのコメント
2021年5月17日

NOBUさん、お邪魔します。

>余りに下手くそな本を読むシーンの演技。
> ー 若葉さんの演技が絶妙で笑う。あの演技をする方が難しいのでは>ないかなあ・・

これ全く同感です。
どこから見てもド素人の演技でした。 拍手


この読書シーン

何人も何人も人を替えて撮影していますが
いったいどんな作品の
どんな一コマなんだろう と
想像が膨らんでしまいます。

もりのいぶき