劇場公開日 2019年10月25日

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「クレラー・ミュラー美術館に行きたくなる」ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝 ノリック007さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0クレラー・ミュラー美術館に行きたくなる

2021年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヴァレリア・ブルーニ・テデスキの語り、専門家の説明、ファン・ゴッホとヘレーネの手紙で構成されています。
絵を描いたファン・ゴッホと絵を残したヘレーネについて、良く理解できます。
ファン・ゴッホの人生も一通り説明されるので、分かりやすいです。
ドキュメンタリー作品で、字幕が長いので、映画館で鑑賞した後で、ブルーレイでも鑑賞したほうが、理解できます。

ファン・ゴッホの絵がなぜ愛されるのかについては、以下のように説明され、納得しました。
「彼の狙いは、動く人間だった。
 ファン・ゴッホは日常を厳しいものと考えた。
 美術や文学は、人々に美と休息と安寧を提供できる。
 それが彼の芸術の重要な要素だった」

ファン・ゴッホの以下の言葉にも共感できます。
「変人の神髄を作品で見せてやる。
 つまらない男の本質を」
自分の信念を貫き通しましたが、評価されずに、自殺という結果は残念です。
もっと、変人の神髄を作品で見せて欲しかったです。

ヘレーネの以下の言葉が心に残りました。
「今後の芸術界の動きとは、ファン・ゴッホに続く動きと伝統を追う動き
 彼は我々や未来の人々に感じさせてくれる、人間とは何かと。
 彼自身が何よりもまず人間だった。そして、次に画家だったの。
 彼は皆が喜ぶ作品を描こうとしたのではない。
 人間の魂の深淵に触れようとしていた」

ファン・ゴッホの画風が、デッサン、色彩豊かな油絵、色彩豊かな点で描く油絵、黄色と青色の色を使った油絵、彫刻的スタイルという厚塗りの油絵、円を描くタッチの油絵、うねる唐草模様の油絵、誌的で運命的な光が特徴の油絵と次々に変わっていくことを解説してくれます。

ファン・ゴッホの絵画がたくさん観ることができます。
有名な「ひまわり」は、残念ながら出てきません。

「ゴッホ展–響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」が開催されるので、行くことにします。
「ゴッホ展–響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」を観に行く前に、この映画を鑑賞することをお勧めします。

ノリック007