劇場公開日 2019年11月8日

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「素晴らしい映画です!」国家が破産する日 Rosaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素晴らしい映画です!

2019年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

ちょっと難しい、硬い映画かなと思って観に行ったけど、とても素晴らしい映画でした!
経済問題の難解さは、ストーリーの中で素人にもわかるようにうまく解説されていて、経済問題と人間ドラマをうまく織り交ぜながら展開されていくストーリーに、2時間どっぷり引き込まれました。
キム・ヘス扮する韓国銀行(日本の日銀みたいなもの?)のエリート行員、ユ・アイン扮する危機を逆手にとって大儲けしようとする投資家、ホ・ジュノ扮する真面目で実直な中小企業の経営者。これら全く異なる立場の3人が巻き込まれていく形で、1997年の韓国IMF通貨危機を描くという大胆な構成力。そして1つ1つのエピソードは、綿密に練られた脚本と俳優陣の確かで熱のこもった演技で、見る者に説得力を持って迫ってくる。
韓国映画、凄いなあ!と感嘆させられました。
「タクシー運転手」、「1987、ある闘いの真実」、そしてこの「国家が破産する日」と、評価が難しい近現代史に、韓国映画界は果敢に挑んでいる。隣国の日本は?これは作り手だけの問題ではなく、観る側の問題でもあるのじゃないかと、こんなに素晴らしい映画なのに、休日でも空席の多い映画館を見渡して、改めて感じました。
1人でも多くの日本人に観てもらいたい映画です。他人事ではない問題として、様々なエピソードは迫ってきます。私自身は、ホ・ジュノ演じる中小企業経営者が金策に窮する中で、借金先の1つである社長さんが、「借金の取り立てに来たんじゃないよ」と言いながら、「お互い頑張って難局を切り抜けよう」と言って栄養ドリンクを差し出す場面で、涙が溢れてしまいました。

Rosa