「自分らしくあるとはどういうことだろうか」マイ・レボリューション ローチさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分らしくあるとはどういうことだろうか

2019年6月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

知的

フランスで共産主義の両親に育てられた、という設定がすごく面白い。そのせいで、主人公にはフランスという国は問題だらけだと感じられている。しかし、両親はとっくに運動を辞めて悠々自適に暮らしている。主人公の人間関係は悉く上手くいかないが、それは社会のせいか、自分の心に問題があるのかと悩む。社会が悪いのだと変革しようと様々な行動を取る主人公だが、何一つ上手くいかない。そんな時に母親に会いに行くことを決める。
この映画を観て、教育と洗脳はどう違うのだろうと考えた。もしかしたら決定的な違いはないのかもしれない。両親の教育が間違っていたと感じられるのは、フランスや日本が共産主義ではないからだが、国や文化が違えばどう見えるだろうか。人が自立して生きる、というのは案外難しい。人はいろいろなものに影響されている。自分らしく生きるべきという言説は多いが、その「らしさ」は誰に教えられたものかを顧みなければと思った。

杉本穂高