メモリーズ・オブ・マイ・ボディ

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メモリーズ・オブ・マイ・ボディ

解説

特集上映「響きあうアジア2019『東南アジア映画の巨匠たち』」(19年7月4~10日/有楽町スバル座)でジャパンプレミア上映。インドネシアを代表する監督で、手がける作品がカンヌ、ベネチア、ベルリンなどの国際映画祭ででも上映されているガリン・ヌグロホが、中部ジャワのレンゲル(女装した男性が踊る女形舞踏)のダンサーを主人公に、地域の芸能に根付くLGBTQの伝統を描く。

2018年製作/106分/インドネシア
原題:Memories of My Body

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映画レビュー

5.0インドネシアの伝統に見る性の多様さ

2019年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

インドネシアの巨匠、ガリン・ヌグロホ監督の野心的な作品。「レンゲル」というジャワ島に伝わる伝統舞踊は、男性が女装をして踊る習慣があるそうだが、現代の小さな村を舞台にレンゲルを通じて、自身の性のアイデンティティを見つめ直す男性を描いている。レンゲルは1000年以上も前から存在するそうで、現代でそれを伝える者はかなり少ないらしい。LGBTという概念は欧米からでてきたものだが、欧米流のカテゴライズの仕方では収まりきらない性のあり方が、インドネシアの伝統舞踊に見いだせるというのは新鮮な驚きだ。
同性愛を禁じるムスリムの影響が強い現代のインドネシア社会においては、タブーに挑戦するような内容で、実際にいくつかの街では上映禁止となったらしい。しかし、自国の伝統を描いて何が悪いのだとヌグロホ監督は意に介さないようだ。一つの肉体と心に女性性と男性性が混在し、揺らぐことがここでは当然のことのように描かれる。性の自由とはなにかについて非常に深い示唆を与えてくれる作品だ。

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杉本穂高

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