劇場公開日 2019年8月17日

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「線路は幸せを運んでくる、ごくたまに。」鉄道運転士の花束 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5線路は幸せを運んでくる、ごくたまに。

2019年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「俺は線路にいたガキを拾ってきただけだ」と言いながら、我が子以上の愛情でシーマを育てるイリヤ。これぞ東欧の映画と言わんばかりのシュールさが満載。
鉄道運転手は人を轢き殺してなんぼ、の価値観で生きる人々。確かに、避けきれない事故はあるだろうが、彼等の、電車が来るのに線路に入り込む方がわるいんだものしょうがないえじゃねえか、って開き直りが、なんだか誰かのために嫌な役回りを買って出てやっているんだって清々しさにすら感じてしまう。今の日本じゃ確実にコンプライアンスに引っかかり、メジャーで制作することなんてできないストーリー。だけど、そのなかに、不器用ながらも隣人を愛する人ばかりが出てくれば、これはもう子供にだって勧めたくなる。世の中悪いことばかりだけど、けして悪意ばかりではないよ。夢は大きくなくたっていい、誰かが幸せになるためならそれは素晴らしいことだよ、と。

栗太郎