もみの家

劇場公開日:

もみの家

解説

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で数々の新人賞を受賞した南沙良が主演を務め、心に悩みを抱え不登校になってしまった少女が支援施設での出会いや経験を通して成長していく姿を描いた人間ドラマ。心に問題を抱えた若者たちを受け入れて自立を支援する「もみの家」に、不登校が続いて半年になる16歳の本田彩花が入所した。心配する母親に促されうつむきながらやって来た彼女に、もみの家の主である佐藤泰利は笑顔で声を掛ける。そこで暮らす人々との出会いや豊かな自然の中で感じ取った大切な何かに突き動かされ、彩花は少しずつ自分自身と向き合うようになっていく。もみの家の経営者・佐藤を緒形直人、佐藤の妻・恵を田中美里が演じる。監督は「真白の恋」の坂本欣弘。

2020年製作/105分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2020年3月20日

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映画レビュー

4.0この優しさが広がりますように

2020年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

幸せ

押しつけがましくないのがいい。不登校児など、心に問題を抱える子供たち。そうした子らを預かり、共同生活の中で自立を支援する施設を題材にした本作は、実際の施設がおそらくそうであるように、おおらかで深い優しさにあふれている。心の動き方、他者との関わり方は人それぞれ。画一的な学校教育からこぼれ落ちてしまう個性を尊重し、一つ屋根の下で共にする寝食や、四季と自然の恵みに触れる農作業を通じて、子供たちに生きる実感を覚えてもらう。頑張れ、と闇雲に応援するのではなく、そっと寄り添う感じが好ましい。

彩花役の南沙良は「幼な子われらに生まれ」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」と、何らかの問題を抱えて周囲に馴染めない役のオファーが続く。現在17歳で、この世代では抜群の自然な感情表現が起用の要因ではないか。彩花がもみの家で成長する一年を見守ることで、子供たちの多感な心と大人たちの願いに観客も触れられる気がする。

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高森 郁哉

3.5【不登校になってしまった女子高生が、自立支援施設”もみの家”に居を移すことで、共同生活の中”自らの殻を破って”成長する姿を描き出した作品。】

2021年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 今作は、農業を福祉に役立てる実在の組織”はぐれ雲”がモデルだそうである。
 そして、今作では”もみの家”を主宰するご夫婦を、緒方直人さんと田中美里さんが笑顔溢れる姿で演じられている。
 今作に悪意ある人物は登場しない。

◆感想

 ・都会で不登校になってしまった彩花(南沙良)が、嫌々ながら”もみの家”の一員になり、精気溢れる表情になって行く姿が、印象的である。
 ー 早寝早起きの規則正しい生活。
   皆と囲む食卓
   春には田圃で田植えをし、秋には収獲するという自然のサイクルに合った生活。
   彩花が両親に贈った新米、美味しそうに食べる両親の姿。ー

 ・彼女は、地元の獅子舞にも参画し、仲良くなったおばあさんから振舞われた大福餅。
 ー だが、そのお婆さんは人知れず亡くなっていて・・。ー

 ・施設の仲間も、負の過去を克服し、徐々に独立して行って・・。

<ストーリー展開は先が読めるし、大きな驚きはないが、富山県の四季の美しさをきちんと映し出した映像の中で、現況下”自立支援施設”を、善性溢れる中、運営している方々に感銘を受けた作品である。>

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NOBU

3.0タイトルなし

2021年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

静かに心を揺さぶられる映画でしたね。不登校については読んだり聞いたりした情報はたくさんあって、多少理解してるつもりになっていました。改めて映画でみると、いろんな人がいて、人と人とのつながりによって生活できる。他人を認めあうことが必要なんですね。心に残りました。もう一度みたい。

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酒飲む野郎

3.5邦画の良さが生きる作品、北川亜矢子の脚本力も光る

2021年5月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

のんびりゆったりと進む映画は嫌いじゃないけど、睡魔がお邪魔しがち。映画館で観たらもっと集中できたんだろうけど、寝てたかも。優しくて好きな作品だけどね。

脚本に好きな北川亜矢子の名があったこともあって観た。特別何か起きるわけではないのだけど、輪廻が回るように、命が巡る過程を丁寧に描く様はやっぱり心地がいい。意外と書かれがちなテーマっぽく見えるが、淡々と紡ぐ北川亜矢子の脚本が光っており、飽きが来ない。むしろ、出来事ひとつひとつが愛おしくて優しくて抱きしめたくなる。そこにヒールも存在しないので、めくるめく日々を刻むだけというのも好き。ただ、どうしても本能的な部分で言うと、ドラマの起伏があったとしても、どうも眠くなるのが自分の悪いクセ。絶対もっと引き込まれていたら、高かったはず。序盤から空気を掴めなかったのが悔やまれる。あと、富山が舞台だけに、宝物が『おもいで写眞』と被ったのが気になった。笑
個人的には、キャストが割とストライク。主演の南沙良の透明感と雰囲気が次第に変わる感じとか上手い。ただ、ちょっと録音さんが下手なのか、音が籠もって聞きにくい節はあった。陰キャで傷つかないようにしていた女の子が、自身でパドルを漕ぐように進む姿に心を掴まれる。また、中田青渚も中村蒼もドストライク。良いところにいい塩梅のかかったキャラでいるのが堪らない。特に中田青渚なんか、『君が世界のはじまり』や『街の上で』とも被らない変わり様で、もっと知ってもらいたいと思うばかり。アミューズよ、もっと推してくれ…。笑

テーマにある、めくるめくる日々の生き方の肯定が堪らなく優しい。風景と共に過ごすような映画は、邦画のいいところだと思う。南沙良のポテンシャルを堪能できるだけに、多くの人に観てもらいたい作品。

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たいよーさん。
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