劇場公開日 2019年8月2日

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「危機感と諦観」世界の涯ての鼓動 hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5危機感と諦観

2020年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

"Until the end of the world" が 「夢の涯てまでも」、"Submergence" が「世界の果ての鼓動」。ふたつの邦題があまりにも似ているので観に来た。『世界の果ての通学路』もあったな。タイトルっていうのは、ついつい似てしまうんだな。なぜ◯◯は◯◯なのか。なぜ黒木華は蒼井優なのか。なぜ杏里は悲しみが止まらないのか。

「夢の涯てまでも」は公開当時あまり評判がよくなかったけれども、私は割と好きだった。素っ頓狂だったけれどフィクションに御都合主義はあるものだし、市場に出すために削ったシーンもあったのだろうし、逆にそれが故にどうとでも観ることができるところが好きだった。

サントラもヘビロテだった。参加するミュージシャンが雑多甚だしく、サウンドトラックらしき通奏低音みたいなものはまるでなく、監督の好みでしかもつながりのある80年代のミュージシャンに片っ端から声をかけましたって感じが好きだった。

この「世界の果ての鼓動」も評判は芳しくないようだけれど、割と好きだ。「夢の涯てまでも」より映画らしい。

この作品を観ると、日本はすでに相当マズいとか東アジアがカオスとか、ヨーロッパから見たら北極の温暖化にも及ばないことを実感する。

この危機感と諦観、それでもの希望、日本にいるとなかなか感じ取れない。日本でだっておよそ 30年前「悪魔の詩」の訳者が殺害されているのに。ISにジャーナリストが殺害されているのに。

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hideaqui