劇場公開日 2020年1月31日

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「骨董趣味+義賊の喜劇。日本らしい垢ぬけなさも○」嘘八百 京町ロワイヤル AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5骨董趣味+義賊の喜劇。日本らしい垢ぬけなさも○

2020年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

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犯罪映画の中でも軽めのケイパー・フィルム、また巧みな話術や贋物を使い金品を騙し取るコンゲームものは、欧米で根強い人気を保つサブジャンルだが、日本ではさほどコンスタントに作られているわけではない。今回で2作目の「嘘八百」シリーズは、そうした洋画のサブジャンルの型を借りつつも、茶器を中心とする骨董趣味を加え、鼠小僧に代表される義賊の伝統も受け継ぎ、日本ならではの“コンゲーム・コメディ”を確立しつつある。

「スティング」や「オーシャンズ」シリーズなどの賊たちはたいてい伊達者で洗練されているのに対し、中井貴一と佐々木蔵之介の垢抜けない、やぼったい感じが邦画の喜劇に似合い、親近感がわく。1作目の成功を受けてか、広末涼子を筆頭に新顔の俳優陣も多彩に。主役2人と広末の恋のさや当てで娯楽色が増した。居酒屋「土竜」に集う贋作師3人組(坂田利夫、木下ほうか、宇野祥平)が今回もいい味を添えている。

高森 郁哉