劇場公開日 2019年6月14日

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「ゲームプレイ大前提!」劇場版 誰ガ為のアルケミスト むねりんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ゲームプレイ大前提!

2019年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ゲームはまったくプレイしていない状態で鑑賞。
鑑賞前に「未プレイで大丈夫だろうか」と前もって調べたら「タガタメを知らなくても楽しめる!」というレビューサイトを発見。
これはと思い楽しみにしていたが脆くも希望は砕かれた。
以下はあくまでゲーム未プレイの人が見た感想なのでそのつもりで。

▼ゲームプレイ前提!
まず、各キャラクターの行動理念や立ち位置がまったくわからない。ゲームをやっていれば「彼はこういうキャラクターだ」と知っているので行動の1つ1つを自分の中で補完することができたと思われる。
しかし、未プレイだった私には急にかっこつけていたキャラが急に周りのことを考えなくなったり、
ゲームでは主人公であろう赤髪のキャラが途中から消え、そのあと何事もなく合流し、周りは誰もそれを追求したりしない。
「どうしてそのキャラがそんなことをしたの?」という疑問ばかり積み上がるが、話はどんどん進んでいく。
ゲームプレイが前提で脳内補完しろということだろうか

▼ファントムの小物感
本作はジョジョでいうところのスタンドポジションであるファントムと呼ばれる存在が反旗を翻し、人間に襲いかかる。
反旗を翻した理由は「死んでいる自分たちを勝手に蘇らせ、戦わせるだなんてふざけるな」というもの。
これは勝手な推測だが、ゲーム内で人間はファントムのことをそんな風に思ったりこき使ったりしていないのではないだろうか…。
それに作中でも青色の髪の女性ファントムが、自身を召喚した人間と師弟関係を結んでおり、お互いの心中が伝わっていてもおかしくないはず。
そんな青髪の彼女も率先して人間を駆逐しにかかる。つながりとは…。

▼力を取り戻したらきれいごとでイキる
本作の世界にはアルケミーと呼ばれる魔法の力が存在しており、人々はそれを使って様々な文明を築いてきたことがまず説明される。その後、アルケミーが謎の生命体のせいで使えなくなってしまったことにより、世界は謎の生命体によって壊滅へと追い込まれる。果たしてこのような危機的状況で人間はその生命体に抗うことができるのか…というもの。
失って初めて大切なものに気づくというのが人間の性だが、本作は失っている状態の時は疑心暗鬼になり、少し力を取り戻してから余裕が生まれたのか、そこでようやくお互いのことを思いやるという流れになっている。それってどうなんだろう…。

▼主人公という存在
また、主人公であるオリジナルキャラクターの女の子の存在が際立ってよくわからない。
情緒不安定さはこの危機的状況ならば仕方ないかと思われるが、この子じゃないとダメだという要素がまったく見えてこない。あと付けでそれっぽいことを急に挟んでくるが、流石に無理がある。

▼マクロスでやれ。これはタガタメです
河森正治氏が総監督ということもあり、これはマクロスで見たことある動きだなーというのをされた時、本当に興ざめした。これは誰ガ為のアルケミストでありマクロスじゃない。

▼台無しのラストシーン
終盤、石崎ひゅーい氏の楽曲を爆音で流しながら、とあるキャラとの別れにみんながボロボロと泣くシーンがあるが、ここまでの積み重ねで疑問の方が多いためまったくピンとこない。てか、いつの間にそんなに仲良くなっていたんだ君たちは…。

と、長々とマイナスレビューを書いたが、正直なところ私自身がゲームをプレイしていなかったせいでマイナス評価しているのかもしれない。
脳内でちゃんと補完しながら見るときっともっと違う見方ができるはず。そんなわけで個人的にはおもしろくなかったが、星は2つで。

むねりん
むねりんさんのコメント
2019年6月23日

>サトウさん
ゲームプレイ済みの方でも気になることだらけだったのですね…。
プレイヤー側の感想をいただき、こちらこそありがとうございます!

むねりん
サトウさんのコメント
2019年6月23日

私は原作ゲームをプレイしている者ですが、ほぼ同じ感想を抱きました。
原作を知っている私でさえ、あまり楽しめなかったのですから、
原作未プレイの方はもっとつまらなかったと思います。

安易でチープな展開・結末に辟易としましたが、
逆にわかりやすい感動ポイントのあったおかげで
素直に感動している方もいたようです。

原作未プレイの方の感想として、とても参考になりました!

サトウ