劇場公開日 2019年12月6日

「これぞ「ザ•ルパン」の傑作! (個人的には)」ルパン三世 THE FIRST よんしんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5これぞ「ザ•ルパン」の傑作! (個人的には)

2019年12月19日
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鑑賞方法:映画館

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ルパンは子供のころ何度も何度もテレビの再放送で見ました。
「マモー」「カリ城」はリバイバルで観に行きましたし、「バビロン」やパート3はリアルタイムの世代です。
しかしちゃんと見たのは「風魔一族」くらいまでで、その後の年イチのスペシャルや映画は見たり見なかったりでした。

子供のころあんなに大好きだったルパンも、今やドラえもんやサザエさん的な、「つまらなくはないけどすごく面白いわけでもない」作品になってますよね。

アニメのルパン映画だったらまず観に行かなかったでしょうが、今回はCG作品ということで、どんなもんだろうかと、どうせそんなに面白くはないだろうと期待せずに観に行きました。
そもそも監督が当たり外れの激しい山崎貴監督ですからね。

また栗貫ルパンも、交代当初のなるべくルパンのセリフを少なくしてる感がずっと引っかかってるってのもありました。

で、いざ鑑賞。
面白かったです。びっくりしました。
ルパンがこんなに面白いなんて!

ストーリーはコテコテの展開で、ほとんどこちらの思ったとおりに進みます。
しかし脚本も担当した山崎監督、何がルパンの面白さなのかを相当研究しているように感じました。
おそらく観る人は「カリ城」を思い浮かべながら観ると思います。エンディングテーマまで含めてかなりカリ城に寄せた作りになってます。
さらに観る人は、ルパンだったらこうだろう、とか、ルパンにはこうあってほしい、と考えながら観るんじゃないでしょうか?
本作のルパンはまさにそういったルパンらしい動きと展開をしてくれます。
そしてそれがルパンの面白さなんだと山崎監督が判断したんじゃないでしょうか?

いや、まさかルパンがこんなに面白いなんて。
まさかルパンをこんなに面白くできるなんて。
ほんとうにビックリです。

私の中で、「カリ城」に次ぐルパン映画の傑作になってしまいました。
久しぶりに、終わったあと「観てよかったな~」と思えた作品です。

さすが、誰もが知っているエピソードの寄せ集めで「stand by me ドラえもん」という名作を作り上げた山崎監督です。

本作は、ルパンに目新しいストーリーを求めている人には面白くないかもしれません。
本作にはストーリー的な目新しさや意外性はまったくありません。
しかし、ルパンに"らしさ"や"定番"を求める人には非常に面白い映画だと思います。
これぞザ•ルパン、といえるほどコッテコテのルパン作品で、ルパンの面白いトコの寄せ集めのような作品です。

これは「アナ雪2」が、「アナ雪」に固定のイメージを持ってしまった人にはウケが悪く、そうでない人には評判がいいのと真逆のパターンなんじゃないでしょうか。

ただ「stand by me ドラえもん」と同じく、過去作の一番面白いトコを集めたような本作は、次回作を作るのは難しいでしょうね。

あと唯一残念だったのは、次元の小林清志さんの声がこもっててよく聞こえないことです。直前のTVスペシャル版でもそうでしたが、次元ひとりだけひねり出したような声で明らかに音質も悪くてで。
さすがにそろそろ•••。

よんしん