フォードvsフェラーリのレビュー・感想・評価
全87件中、41~60件目を表示
誰しもが味わう組織との闘い
CGを使わないど迫力のレースシーンや芸達者な
キャスト陣のアンサンブルも素晴らしいが、
特に好きなのは”フォード首脳陣”に抗うシェルビーと
ケンたちの姿勢そのものだ。
経営史を学ぶなかで、ヘンリー・フォード1世が”T型車”を
生産する『機能的組織』の経営モデルはあまりにも有名だ。
(劇中にもあったが)生産・流通・販売といった
生産工程を分業し、徹底的に効率を追求する経営理論。
確かにこれにより規模の経済が発生し、フォードのT型車の
コストや価格は下がり、結果として大衆が車に乗る
「モータリゼーション」をアメリカに起こした。
今日の巨大企業フォードがあるのもこの革命の賜物といえよあら、
だが、この理論は「市場の顧客の要望に俊敏に応えられない」「組織の上位層に意思決定権限が集中する」
「各分野(生産・販売・流通)のチームの分断を起こしやすい」といった問題が発生しやすい。
実際に劇中でも「フォードは時代遅れの親父が乗る車」と
言われたり、『ケンをチームからはずせ』や
『3台同時にゴールさせろ』といった注文が相次ぐ。
そんな現場の人間の感情をまるで機械の歯車のように
ぞんざいに扱う上層部に対し一度は病のためレース場を
去った男が、情熱を取り戻して泥臭く戦う。
燃えるじゃないか!!
俺たちの大好きな『負け犬たちのワンスアゲイン』ものだ!
さすがはジェームズ・マンゴールド監督。
資本主義の権化ともいうべき大企業の首脳陣と
シェルビーらの対立を軸に、観客をうまく感情移入させて
くれる。
『下町ロケット』や『陸王』などがヒットしているように
資本主義が限界を迎え、「働き方改革」が叫ばれるようになった現代日本においても夢と情熱を持って現実と向き合う
姿は心に響く。
また、ラストのシェルビーが車を走らせるシーンも、
冒頭の医者に心臓病を告げられるシーンとダブるように
見えるが、冒頭では「生活のために新たな道を切り開いた」のに対し、ラストは「ケンと果たせなかった友情のため、
夢のためにもう一度走り出す」といった全く違うニュアンスを帯びたものに見えた。
お見事!
7000回転の世界(商売VS勝敗)
*もう一度観に行ったので修正を若干かけました
マッドデイモン演ずる元『ル・マン優勝経験のアメリカ人』のシェルビー
(病気から後に会社を作り販売等へ転向)
と、癖が強すぎるクリスチャン・ベール演じる”天才”ドライバーのマイルズが
【大企業】社長『フォード』からの依頼で
『ル・マン』優勝を目指すお話です。
フェラーリ社をアメリカ資本で取り込もうとするが
フェラーリ社長が自社の(商売より技術・芸術の)車に対する扱いにプライドを傷つけられ、フォード社をくさす…(必見です)
フォード社長、顔真っ赤を通り越して赤黒くなります
そこからフォード社はレース参加を決めます。
マッド・デイモン氏演ずるシェルビーは思ったより『は』大人だった。
自分だったらトータルでフォードの副社長を4発ぐらい殴ってる。
シェルビーは、あの手この手で会社をすかしたり騙したりトークを駆使したり
自分が培ったレーサーの経験と商売トークを駆使する人になっていた。
・・・が、
■シェルビーチームはウルサイ副社長をさりげなく事務所に閉じ込めた上・
社長をレーシングカーに優しくエスコートして乗せてドリフト三昧…社長は良い意味で泣いた…)
■レースでは効かなくなったブレーキを無理やり交換する時”コレ部品だから!違反じゃない!”とシェルビーは委員会を押し切る
■自分の所にあったナットをそっとフェラーリチームの方に転がしてフェラーリチームをアタフタさせる。
他多々ありますが、シェルビー強い。さすが元レーサー・肝が座っている。
それよりもイッちゃってるのがクリスチャン・ベール演じるドライバーのマイルズ
初登場時から『サイズ違反』と注意されたレーシングカーのリアバンパー(?)をスパナで思いっきり殴って改造
→”違反にならなくなっただろぉおおおお!!!”
開発と折衝のシェルビー・ドライバーのマイルズ。この2人、底の底では一緒。
マッドが控えめかつ存在感もガツンと演じているからこそ
ベール氏が演ずるドライバーのマイルズの良さががさらに光り輝き良かった。
シェルビーばかり書いてしまったが
マイルズもまた本当に良い。
とにかく、レースの熱い部分と何とも言えない演技が観ていてたまらなくなる。
純度の高い”天才ドライバー・マイルズ”の切なさが全編にちりばめられている所が見ていてやりきれない。
観ているこっちがこぶしを震わせてしまったが、パートナーや家族のおかげで若干の救いはあった。
マイルズの家族ががっちりとマイルズを愛して信じている所が良い
妻も息子も父・夫マイルズを大切に見つめているシーンが随所にある。
もう言いたい事が多すぎてまとまらない
この手の”天才”は家族(特に妻)の理解がないパターンがあったので、事実に即しているならとても良い家族だ
レースシーンもエンジンの爆音が心地いい
マイルズの繊細なドライバーテクニックの見せ方も気持ちいい
観ている方は「もっと速くもっと速くもっと…」と前のめりになる中
『7000回転の世界はマシンが消え、肉体だけが残り、時間と空間を移動する』
この世界を疑似体験させてもらったのは感謝です。
最後、実話に即しているから、観客の思った通りにはならない
現実で(創作に満ち溢れた映画の様な)夢を見せるのは難しい
寂寥たる思い
最後の最後には解釈によっては光も見せていますが寂しかった…
そんな感じでした。
vs.フォード
チームだったりプライドだったり技術の壁だったり、色々なドラマを軸に描かれてるけどメインは経営側vs現場の思惑のぶつかり合いでした。
車の弱点をどう克服するかの解決法が大笑い。
凄くアメリカ映画的で好きだけど現実に実行すると如何なものか…でも好き。
ドアの治し方とか映画よりも映画的。
灼熱に赤く光るローターはカッコいい❗
ゴールの逸話は背景を知ると中々に苦い。
何しろフェラーリの影が薄くてクライマックスが弱いのが難点。
いい奴ほど早く逝く。
クリスチャン・ベイル演じるマイルズのキャラが個人的にすごく良かった。
優秀なドライバーだが、"扱いづらい"ことで有名。又の名を "ブルドッグ"
フェラーリは全機リタイアし、フォードの勝利がほぼ確定してもなお、エンジンとブレーキの磨耗を顧みずスピードに飢え、自己ベストを更新し続けてみせた。
ー7000回転の世界
速さのあまり重力が消失
残った感覚は自分の体だけー
極度の興奮状態で本能むき出しの状態にある彼が最後に下したのは、"チームプレイ"という理性的な選択だった。
さらに3台同時ゴールで同率一位を飾ることで、マイルズは同年に三冠を達成し伝説になるという約束だったが、それが口車に乗せられただけだとわかった時、彼は怒りに身を任せることはなかった。
また来年がある、さあ忙しくなる、改善の余地はたっぷりある、と。
1966年のルマン
力作。
クリスティアン・ベイル
マット・デイモン
上映時間二時間半だが、ルマンは二交代制ではあるけど昼夜ぶっ通しの24時間の耐久レースだ。二時間なんてなんてことはない。
映画で興奮する感覚は久しぶりの気がする。
心拍数が上がる気がする。
ドラマ部分も男の友情、夫婦の情、親子の情、組織の中の個人など深いものがいろいろ詰まっている。
タイトルどおりの映画。
ルマンでの勝利に賭ける男たち。
とても良かったけど史実と違うところがチラホラと
マットデイモンとクリスチャンベールのダブル主演!!ってことで期待し過ぎたのか、ちょっと肩透かしを食らった気分。 映画的には十分面白いし、往年のレースカー(ほぼCGだけど)を観れただけでも大満足なんだけど、マットデイモンがどうしてもキャロルに見えなかったんだよね。なんでリーゼントにしなかったのかなぁ。
ケン・マイルズを演じたクリスチャンベール、ヘンリー・フォード2世を演じたトレイシー・レッツ、エンツォ・フェラーリを演じたレモ・ジローネの演技は、もう本人にしか見えないってくらい素晴らしかったです。 FordのV8、FerrariのV12サウンドをレース場と同じ・・・とは言わないけどもっと大音量で聞きたかった。 ちなみに劇中に登場する副社長=レオ・ビーブは憎まれ役として脚色されてしまっているけど、実際はあんな人じゃありません。 ゴールシーンも実際とはちょっと違う。
クリスチャン・ベールがはまり役
久しぶりに良い映画を見た
クリスチャン・ベールの演技が素晴らしい。
好みはあるのでしょうが、是非字幕で楽しんで頂きたい。
また、出来る限りレーサーとその周囲に視点を絞っていたのも良い。ダブル主演とは言われていますが、マット・デイモンも役柄上最低限の出番で抑えていたのも良い。
結果が解っていても、クライマックスにはしっかりと高揚感が得られるし、爽快感もある。
何度も見返す映画ではなく、一度見ればそれで満足できる映画だからこそ、見終わった直後の今は☆5
圧倒的臨場感!!映画館で観るべき映画。
勝利に掛ける男たちのドラマであったり、二人の男の友情と信頼の物語であったり、大企業体質とはみ出し者たちの戦いであったり、家族のありかたを問い直す場面であったり。
この映画には、語っても語り足りないほどの多くの魅力が詰まっている。多分観た人によって、心に刺さったシーンは違うんじゃないかと思えるくらいに随所に感動や興奮のポイントが詰め込まれていた。観る人の立場や考え方によって印象が変わる、鑑賞後に語り合いたくなるストーリー。
その中でも私がこの映画の上映期間中だからこそ伝えたい、この映画の魅力がある。それは、「圧倒的な臨場感」だ。
この映画のレースシーンはCG無しで作成されていて疾走感と迫力が凄まじく、また音響にもこだわりが感じられ、自分がまさに時速200kmオーバーのレーシングカーの運転席にいるかのような臨場感たっぷりの音が感じられた。
この臨場感はおそらく映画館の大画面大音量でしか体感することはできない。DVDやブルーレイが発売されたとしても、自宅のテレビではこの感覚を味わうことはできないだろう。
是非とも、この映画は上映期間中に映画館へと足を運んで鑑賞して貰いたい。
身も竦むような7000rpmの世界を体感してください。
ル・マン24時間レースの裏側が観れた(^-^)
迫力の映像でした! 24時間て大変ですよねえ、交代で運転して、みんなで協力して、本当にチームプレーなんですね! ドライバーやスタッフの人が合間に飲食してるの初めて観ました(^-^) 夜はオーナーは帰っちゃうとか、実際はそうですよね(笑) フェラーリだってカッコいいはずなのに本当に悪役に見えました、でも本当に憎たらしかったのは味方にいましたね(笑) 最後のゴールに関しての提案の時、「もしかして・・・」と思ったら本当にやりやがった! クリスチャン・ベールよかったなあ・・・
面白かった!
車もレースも特に興味はなく、ただの堂本光一さんのファンです。この人がアンバサダーでなければ、絶対見なかった映画ですが、面白かった‼️ 久しぶりに映画館で観て良かったーと思える映画でした。たぶん、車マニアの方はもの足りないかもしれないストーリーですが、レースのシーンは手に汗握り、家族愛あり、男の友情ありで2時間半、あっという間でした。最後は泣きました(。>д<)
モータースポーツファンから見たレビュー
某BESTIAにて観賞。結論から申し上げますと、大変すばらしい映画でした。以下、映画ファンとモータースポーツファンの二点からの感想を述べます。
まず、この映画は非常に完成度の高いものです。ストーリーの起伏により二時間半という上映時間があっという間に過ぎ去っていく映画でした。また、映像と音響が見事にシンクロしたレースシーンの迫力は実物に迫るもので、これこそ映画館で観賞すべき作品であると言えます。過去にもル・マンを描いた映画には、かのマックィーンの『栄光のル・マン』がございますが、こちらはあまりにもレースを忠実に描き切ってしまい、決して万人に受け入れられる作品ではありませんでした。一方、この作品はより人間ドラマの部分へフォーカスをしながらも、決してモータースポーツの姿を描くことをおろそかにせず、二つを非常にうまく融合させた作品でありました。
次に、いちモタスポファンとしての感想です。私は『フォードvsフェラーリ』は単にレースだけを描いた映画ではないように感じます。物語の終盤、主人公のケン・マイルズは譲歩し3台同時ゴールを演出しますが、これこそがモータースポーツというものを象徴しているのではないでしょうか。確かに、いちレースに注目すれば、モータースポーツはドライバーの個人競技であると言えます。しかし、モータースポーツの勝利とは、その車を作り上げ走らせ続けることに貢献したすべての人間の勝利であります。車の設計から始まり、レース中のタイヤ交換作業、はてはルールブックの解釈まで、そのすべての歯車がかみ合って初めて勝利を手にすることができるのです。この映画でも同じです。誰よりも速く、何より24時間という途方もない時間を走り切ることができる車を作り上げた、それこそがケンにとっての勝利でした。3台同時ゴールはこのことを象徴しており、ケンやキャロル、そして関わった全員にとっての勝利なのです。だからこそ二位と知った直後、ケンがキャロルと肩を組んで「来年も勝てる車を作り上げよう」と言ったのではないかとも思います。将来、さらにレースの奥深さを知ったあとにこの映画をもう一度見たい、そう思える作品でした。
最後に、私の感想の締めとして、このような非常に素晴らしい映画へと仕立て上げてくださった役者や制作者、協力者の方々へ深く感謝申し上げます。また、今はまだ追いつけない場所へ走り去ってしまった方々にも深い敬意を表明いたします。
追伸として、史実においてマクラーレン/エイモン組が優勝となったのは、彼らのミスで追い越してしまったことによるものであり、のちにフォード社もマイルズ/ハルム組を同時優勝とするよう協会へ依頼したが認められなかったということをここに記します。
ドラマ、レース部分のバランス加減が良く分を刻むごとにのめり込める一...
ドラマ、レース部分のバランス加減が良く分を刻むごとにのめり込める一級品。相棒へのリスペクト、苦さと屈辱、残された家族への思い様々な感情が混ざり湧き溢れる男の立ち姿にはかなりやられた。
最速フォードGT40🏎
自動車大手、BIG3に数えられるフォードが、
最速のフェラーリ倒しに、ル・マン耐久レースに
挑む物語。
史実を基に、映画化するのは大変だったろうなぁと
思いながら鑑賞しました。
疾走する、レーシングカーの挙動や爆音!
赤くなったブレーキングキャリパー等、
CGを駆使してよりリアルな、レースバトルが
見応えだった❗️
本物のレーシングカーもあったかもしれない
マットデイモンやクリスチャンベールの演技力も
良かった!
鑑賞していくうちに、vsフェラーリ🏎でない事に
気づく。
マットデイモン達レーシングチームvsスポンサーの
フォード副社長一派💦
フェラーリ🏎はある意味噛ませ犬かのよう
次から次へと無理難題をかましてくる、
副社長一派を観ていたら、フォードが
嫌いになりそうに…😅
現実社会でもありそうな、
利害関係等、しがらみを抱えた中でも
奮闘する主人公達に熱くなりたい人必見です!
不完全燃焼
マイルスもシェルビーも魅力的でレースシーンは
映像も音響も迫力がありますのでIMAXなど大画面
高音質の劇場での鑑賞がお勧めです。
事実に基づいたストーリーなので仕方ないのかも
しれませんが、もう少し脚色しても良かったと思い
ます。
最後まで観て感じたのはフォードは結局の所自動車
レースについて何も理解していなかった事、形の上では
フェラーリが負けていますがフォードは勝者ではない。
マイルスがもしもあのまま突き抜けたて勝っていたなら
歴史は変わっていたかも知れません。
それがフォードが本当の意味で勝者となる道だったと
思いました。
でもクリスチャン・ベールの演技は最高でした。
自動車レース??!!!!
マッドデーモンの画が個人的には気に入りまして。(笑)
サクサク感とそこそこ迫力ある動画。(笑)
それでいて古典的なレース映画から進化させている感がありまして。
ディズニーなのか、最後は、すこし抑え目で。(笑)
音楽とかあまり印象にないけれど。
エンジニア的な、セールス的な、ビジネス的な。なんかそんな感じ。(笑)
サクサク展開が早くて。
車からの映像も迫力があって。
エアレースとか続編でやって欲しい。(笑)(笑)
なんか、そんなかんじ。(笑)(笑)
ル・マンレース??!!
車のお話。(笑)
お金がなくなった、メカニック兼ドライバー!!!??
子供と奥さんのなんかいろいろ。(笑)
飛行機でブーーんとかのシーンもあって。
なんか最後、スピードを落として、同時で負けちゃうシーンに少し、胸熱で。(笑)
お金のない旦那さんの奥さんは大変なのか??
イタリアの生真面目??なメカニックと。
アメリカのやんちゃなビジネスマンと。
最後はマクラーレンで。
テンポがサクサク。
VFXとかもなんかそこそこ。(笑)
長い割にはそこまで長く感じなくて。
楽しい映画??というか。まあ、なんかレトロなのに、ごつごつではなくて。
個人的にはいい感じでした。(笑)(笑)
車に興味がなくても楽しめた
堂本光一さんが宣伝してたので観に行きました
カタカナの羅列が「人の名前」なのか「チーム名」なのか「自動車ブランド」なのか「地名」なのかまったくわからなかったけど楽しめました
途中の子どもがルマンの地図を広げるところで、ルマンがどういうコースか知らなくてもわかりその後のレースシーンで「今あのあたり」とかがわかってそこがよかった
ものすんごいエンジン音で、映画館で観るからこその面白さだと思います
ただフォードvsフェラーリというより「vs嫌味なアメリカのビジネスマン」な気もしたし
フォードの人間相手のほうがイラッとくる映画でしたw
(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾題名で損してるよ!良い映画!
題名がフォード対フェラーリでそのまんま。
三流映画のネーミング。本当に損してる。確実に損してる。
でも良い映画。フォードがフェラーリを倒す映画ですがドライバーのケンとチーム監督シェルビーの友情と男の意地を描いた映画。地道に車を仕上げていくケン、フォードの商業的チーム運営に反抗しながら難しいチーム運営をするシェルビー。男たちの友情に涙。
ルマンで独自の路線をとるケンがシェルビーの最期の命令を聞いてとった行動は、、、、。
泣きです。ケン悔しかっただろうになぁ、彼はチームプレーに徹したんだろうなぁ。
いや、ケンは7000回転のマシンの向こうに見える世界を見たんでしょう、満足だったんだろう。
最近面白い映画ありましたか?スターウォーズ?
この数ヶ月★4つけた映画がありませんでした。久々に面白かった。
良い意味で心臓に悪い。
作り込みの丁寧さに引き込まれ、終始ハラハラしながら観ていました。
主演の2人のお芝居も素晴らしく、
願わくば、ずっと先まで2人の友情を見届けたかった。
熱い熱い、お話です。
走り屋たち
カーレースを題材にした作品は抵抗を感じる時がある。
レースシーンは興奮するが、車好きやカーレースに詳しくないと心底楽しめない。ちなみに自分は、車やカーレースの事には全く疎い。
本作も序盤はそうだった。車好きには堪らん車種名、専門的な用語も飛び交う。
が、車やカーレースの映画である以上、それらはあって当然。
それに、本題に入るなり、どんどんどんどんエンジンが掛かってきた。
経営不振にあえぐフォード社。
大手フェラーリ社と競合案を持ち掛けるも、他社とのダシにされる。
舐められたフォード社は、レース参戦を決意。即ち、
ル・マン24時間レースで、フェラーリ社に勝つ!
当時のレース界の絶対王者に勝つ!…というカーレース映画の醍醐味も充分だが、
弱小企業が大企業に挑む!
すでに例えられているように、池井戸潤作品のような、日本人好みの題材ではないか。
車好きでなくともカーレースに詳しくなくとも充分楽しめる作りになっていた。
その超難関レースを任されたのは…
キャロル・シェルビー。元名ドライバーだったが、心身の限界により技術者へ。
ケン・マイルズ。破天荒で問題児の天才ドライバー。
意外な気もしたが、マット・デイモンとクリスチャン・ベールの2大スターが初共演。
両者共さすが甲乙付け難い熱演見せるが、強いて言うならやはり、ベール。
非凡な人物像、感情激しい性格、今回もまた減量して挑み、いつもながらその巧演と役者魂には感服させられる。
レースシーンの大迫力大臨場感は言わずもながな。
これは本当に本当に、劇場大スクリーンで体感して!
あの速さ、夜や雨の中も走るスリリングさに、ハラハラドキドキ!
まるで自分も車に乗り、レースに参加して爆走してるかのよう。
車の事に全く詳しくないのに、掛かるエンジン音にすらしびれてきた。
撮影、編集、音響などの映画技術は超一級!
テンポよく、グイグイ引き込まれ、全てを手堅く纏めたジェームズ・マンゴールド監督の手腕は称賛モノ。
常に上質作品を手掛け続けるこの才人に、また一つ新たな代表作誕生!
本作にこれほど興奮・魅了されるのは、単なるカーレース映画に非ず。
主人公たちに次々降り掛かる問題、難題、障害。
限られた資金と時間の中でレースに勝てる一台を作る。改良、試験走行、試行錯誤を繰り返しながら。涙ぐましい技術者魂!
交代で運転し、修理や点検、休憩も挟むが、24時間を走り切る。その不屈の精神!
最終的な目的は妥当フェラーリなのだが、他にも敵が。当のフォード社で、重役たちの圧力や確執。コイツらの顔を立てる為に、俺たちは最高の車を作り、命懸けのレースをしてるんじゃない!
シェルビーもマイルズも、言わば“負け組”。
シェルビーは夢破れ…。
家庭を持つマイルズは作業場が差し押さえられ…。
両者、人生クラッシュ寸前。
そんな時に、この一世一代の挑戦。
勝てるか負けるか、分からない。
だから、挑む!
芽生える男二人の絆と友情に、熱くならない訳がない!
実話なので触れるが…、
フォードはレースでフェラーリに勝つ。競い合って勝ったというより、技術面での勝利と言えるだろう。
ここで興奮最高潮のゴール!…とならないのが、本作のミソ。
再び、走り屋のプライドを傷付けるような、会社の横槍が。
そんなもんを蹴散らし、走り屋として突っ走って欲しかったが、意外にもマイルズが選択したのは…。
その時のマイルズの表情が忘れ難い。
会社の要望通りにした。こんなにも貢献したのに、シェルビーとマイルズに突き付けられる不条理…。
さらに、
レース終わって、開発した新車の試験走行中、まさかの悲劇が…。
全く知らなかったので、ショッキングであった。
確かにこれは、単なるカーレース映画ではなかった。
仕事や家族、何の為に不可能に挑むのか。
技術者として、走り屋として。
疾走感に痛快さと爽快さ、ほろ苦さをまぶしつつ、
プライド、誇り、信念…熱い漢たちのドラマ!
2020年最初の劇場鑑賞は、見事なスタートダッシュを決めた快作であった!
全87件中、41~60件目を表示