劇場公開日 2019年9月20日

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「宇宙を舞台にしたSF人間ドラマ」アド・アストラ みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0宇宙を舞台にしたSF人間ドラマ

2022年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

SFスペースアクションだと思って鑑賞したが、全く違った雰囲気の作品だった。壮大な宇宙を舞台にして、仕事、家族、夫婦という普遍的なテーマが綴られていく。静かな雰囲気の大人向きの良作である。

本作の主人公は、凄腕宇宙飛行士・ロイ(ブラッド・ピット)。彼は、仕事のためなら家庭を顧みない仕事第一主義者である。そんな彼に特殊命令が下される。地球は地球外からと想定されるところからの攻撃で甚大な被害を受けており、その犯人を特定せよというもの。彼の父親クリフォード(トミー・リー・ジョーンズ)は、地球外生命体探索中、海王星で消息を絶っていた。彼は、様々な妨害に逢いながら、手掛かりと父親の行方を求めて、海王星を目指していくが・・・。

月、火星、海王星という壮大な宇宙を舞台にしているので、観客受けの良い派手な作品にすることは出来たはずだ。しかし、スピード感ある刺激的なシーンは控えめにし、敢えて派手さを求めないのが本作の特徴であり、作り手の揺るぎない自信を感じる。主人公の独白のようなナレーションを交えながら、物語は、夫婦、親子、仕事という普遍的なテーマを中心に展開されていく。シリアスな現代劇を観ているような雰囲気がある。

全体的には、台詞、ナレーションが多く、ストーリーの進行速度は遅い。緩慢な感は否めない。しかし、テーマを考えれば、丁寧で誤解を生まない正攻法のやり方であると感じた。その分、テーマに対する観客の理解度は深くなるだろうと納得できる。

序盤では、極めてクールだった主人公が、様々な出来事を通して、徐々に感情的になっていく。人間らしくなっていく。そんな主人公の心の変化をブラッド・ピットが好演している。そして、主人公は、今まで、仕事のために犠牲にしてきた夫婦愛、家族愛の大切さ、人間は一人では生きられないこと、に気付いていく。

本作は、主人公の人間としての原点回帰までを描いたSF人間ドラマである。

みかずき
LaLaさんのコメント
2022年9月2日

みかずきさん
こんばんは(^^)/
昨夜は
コメントをありがとうございました。
投稿をお待ちしていますね。
さて、この作品のブラピ
宇宙物は初との事で
撮影も楽しめたことでしょう。
私もレビュー済です(´▽`)

>仕事、家族、夫婦という普遍的なテーマが綴られていく
静かな雰囲気の大人向きの良作である。
同感です⭐
父親の存在を求めて・・
海王星へ・・宇宙空間の映像が綺麗でしたね。

LaLa
NOBUさんのコメント
2022年9月1日

今晩は
 今作は、私の好きな静的SF映画の良作でしたね。
 (その代わり、途中から寝息多数で、五月蠅い奴がいる辺りには、持っている飴玉を4回投げました。(で当たると静になる・・。入場率10%ならではの地方劇場でしか出来ません。))
 暗い中ですが、私の技です。(近くに居れば摺り足で近付いて行って”鼾が五月蠅い、寝るんなら外で寝ろ。”と言うのですが・・。ホント、すいません・・。)
 こういう作品、又見たいなあ。では。

NOBU