劇場公開日 2019年9月20日

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「内気な主人公の描写が見事」エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0内気な主人公の描写が見事

2019年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

友達や親とうまく付き合えない13才の女の子youtuberの話。

「レディ・バード」の制作陣も携わってるようで、雰囲気が似たところも。
空回り。空虚感。派手な出来事は起きない……。

ただ今作はレディ・バードの年齢の女子に憧れる……ただ憧れる”だけ”の年頃の女の子の話。うーむ、絶妙。

正直、全体では期待しすぎたかなーってトコはあります。
思ったより心がバクバクと動くことはなかった。

でもじんわりと、自分の人生の軌道修正をしたくなる。
そんな映画でした。

この映画の見どころは主人公のコミュ障描写。
ネット弁慶なコミュ障には核爆発級に破壊力のあるシーンだらけで、見ながらうぎゃーーってなりました。
精神状態が弱ってる人だと離脱しちゃうかも;

パーティーで所在なくさまよう。
相手を褒めてるだけで会話が盛り上がらない。
笑顔を貼り付けて話を聞く。
たまに発言したら白ける。
親の好意を疎ましく思う。
ネットでは自己表現しまくり。

僕の映画か?と思えるほどあるあるなコトばかり。
”ちゃんと生きないと”と思わされました;

とにかく内気な主人公の描写が見事。よくここまで描ききったと。
演技も素晴らしい。
おどおどした喋り方や表情はもちろん、肉のたるみ具合や肌の絶妙な荒れ方とか……ケイラになりきってる。
幼いのにすごい演技力です。

Facebookは古いとか、youtuberとか、中1のタイムカプセルからシュガー・ラッシュの映画チケットが出てきたりとかリアルな”今”を描くのもうまい。

そんな”今”の作品なのにBGMにエンヤが使われるミスマッチにニンマリしたり;

kizkiz