劇場公開日 2019年11月22日

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「天晴れ!堤真一」決算!忠臣蔵 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5天晴れ!堤真一

2021年9月29日
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最初に彼を認識したのは1996年のドラマ「ピュア」で、知的障害のある芸術家(和久井映見)の相手役として。

ボソボソと喋る口数少ない青年という役どころだった。

その後 メキメキと頭角を現し 松嶋菜々子との「やまとなでしこ」での共演あたりからはちょっとした風格も漂い始める。

新しいところでは今期大河の重要な役、平岡円四郎を余すところなく演じていた。

テレビの話ばかりですみません。

映画となると、あ〜えっと。
容疑者X〜 一度死んでみた あたりが好み。

最近はコメディ要素の強い役が多いが、この作品におけるコメディの、だがしかしここぞという時の 締まりある顔と声はもう彼ならでは。

大石蔵之介 という江戸時代から綿々と受け継がれるヒーローを過不足なく、そしてさらに強烈なコメディを演じ切った彼の技量が活かされている事に感動する。

ナイナイの岡村が出てるという事だけがクローズアップされていたが、出ずっぱりという事もなく。w主演という程には思えなかった。(濱田岳の方が余程出てた)。
でも幼馴染として、何よりも大石を討ち入りへと心決めさせたとも思える事件の当事者としての役どころは素晴らしかった。

そのほかの大量の役者さんが惜しげもなく起用されている。

何より素晴らしいのは編集のセンス。

テンポもセットも堪能した。

さて。
忠臣蔵です。

吉良邸の跡地が猫の額ほどのただの空き地でしかないのはもう地元民としては周知の事実で
毎年12月には吉良祭が行われ、ちょっとしたバザールと地元蕎麦屋も賑わう。

両国橋を 仮想した四十七士が渡って来るのを外国人がカメラ持って並走してるのも毎年の事。

とは言え 昨年は もちろん無し。

つまり 忠臣蔵においては 討ち入られた側の両国(当時は川向こう 本所松坂町と言った) は まあまあ賑わい、昨今では吉良上野介もなかなか良い領主であったなどとの言い分も紹介されている。

馴染みあるネタバレ物語なので

四十七人になる理由や討ち入りが12月14日になった訳などが決算で説明されるともう口元のニヤニヤがとまらない。

荒野の向こうに幻想的に浮かぶ吉原の風景。

配信を待って見た身としては甚だ恐縮だが、非常におもしろく見させていただきましたt

asica