劇場公開日 2019年9月6日

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「そんな馬鹿なが最も当てはまる」アス Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0そんな馬鹿なが最も当てはまる

2022年9月1日
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赤い衣服に身を包んだ目的が謎の集団が襲い来るという、ジェイソン・ブラムが好みそうなネタで攻めてきた本作、まさに新世代のホラーに相応しい作品だと思う。 奇をてらった作品の中でも本作のレベルは桁違いだ。本作で描かれる人権を無視した異常な実態に驚かされるや否や、それに巻き込まれた人物による更なる衝撃。「そんな馬鹿な・・・」思わずそんな言葉がこぼれてしまった。
序盤は「赤い服の人」第1号の存在や主人公の生い立ちを含めてかなり王道なホラー的展開からスタートする。ここでも主人公夫婦の友人として登場するリッチな白人一家にやや嫌味的な事を言われ、もはや白人の心には常に巣食う様にも思える白人至上主義を感じ、迎えた夜。家にやってきたヤツらの登場から物語が激しく動く。
殺害シーン等があるためR-15+指定だが、コメディアンの顔も持つジョーダン・ピール監督のこだわりで、どこか喜劇を見ている様なテンポとノリで進んでいく。恐れおののく様なシーンでも怖くしすぎないところが返って怖い位だ。ヤツらの行動にどこまで自由が効くのかはイマイチ分からない所だったが、特性を生かした撃退方法などの観客の感情を高ぶらせる様な上手い演出の数々で2時間ノンストップの面白さを味わうことが出来る。 皆で手を取り合うシーンが挿入された冒頭のテレビコマーシャルから伏線が貼られており、それらも分かりやすく描かれている為、理屈っぽくなることも少なく、純粋に楽しむことが出来る作品たろう。

Mina