劇場公開日 2019年9月13日

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「耽美的な作品だけど」人間失格 太宰治と3人の女たち rato ratoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5耽美的な作品だけど

2021年7月3日
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楽しい

作品としての評価は非常に良いです。陰鬱の中にユーモアが含まれ子気味良いテンポで進んでいきます。太宰治について詳しくなくても、そういった類の邦画を求める方には評価されるべき作品だと思います。しかし、太宰治の生き様として鑑賞した場合、演出上事実と逸れる部分があるとはいえ、自害の場面だけは許せませんでした。流れに任せて仕方なく、女に無理強いされ、最期に未練がましく、という演技は、若輩ながら太宰治の研究をする身としては抵抗がありました。とはいえ、その場面を含め小栗旬さんの演技や太宰治への現代の認識を踏まえると、非常に面白い作品でした。

rato rato