劇場公開日 2019年3月29日

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「日本語タイトルは・・・・」記者たち 衝撃と畏怖の真実 Golgo14さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5日本語タイトルは・・・・

2019年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

国家権力の情報操作とそれに盲従するメジャー・マスメディアの危険性と悲劇を描いた作品。

史実に基づく映画の宿命で、盛り上がりに欠け、クライマックスもなくエンターテインメントとしては単調。

無能なブッシュ(子)・策謀家チェイニーVP・野心家の国防長官ラムズフェルドの悪人トリオによって捏造された情報にミスリードされたメジャー・マスメディア、世論、同盟国。それに敢然と立ち向かう小さなメディアとその記者たち。

ロブ・ライナー監督の熱意は理解できる。だけど「スタンド・バイ・ミー」や「ア・フュー・グッドメン」などから、最近この作品や「LBJ」などのような社会派に脱皮しようとしているがまだまだ甘い。
オリバー・ストーンやマイケル・ムーアだったらどう描いただろうかと想像してしまった。

ウッディ・ハレルソン演じる記者の妻(ユーゴスラビア出身)の、「過度の愛国教育のおかげで私の祖国は分解してしまった」というシーンを世界で潮流になりつつある祖国第一主義を食い止めるためにももっとフューチャーすべきだった。
そして裏も取らずに記事を書いたNYタイムズの女性記者をもっと糾弾すべきであったし、タイムズの謝罪文をもっと大きく取り上げるべきであった。

翻って我が国で森友学園用地疑惑をスクープしたNHK記者が上からの圧力で配転され、さらに退職しなければならなかった事件(情報操作)を映画化する勇気のある映画会社や監督が出てくるか疑問である。 それだけでもアメリカの懐の深さを実感する。

池上彰氏が日本語監修をされているのだから、日本語タイトルは「フェイクニュース 衝撃と・・・・」の方が良かったのでは。

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Golgo14