劇場公開日 2019年9月27日

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「深い」惡の華 茉恭(まゆき)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0深い

2020年4月2日
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原作既読。ゆえに嫌な予感しかしなかったので、上映中はスルーした。
でも朝ドラで伊藤健太郎の演技力を垣間見て、
これはイケるんじゃないかと思って観てみた。

変態の定義は様々だけど、
思春期に覚醒するものもあれば、思春期限定のものもある。
この主人公は振り切ってはいるものの、後者な気がしてる。

誰かの喜ぶ顔がみたい。
誰かの幸せを願う。
これらは、マゾヒズムの基本姿勢ではあるけれど、
基本的にマゾヒズムは根がポジティブでなければいけない。
相手から跳ね返ってくることを計算している実にあざとい生き物である。

では、仲村はどうかー
彼女こそマゾヒズムの定義に該当すると思っている。
一見、サディズムに感じるかもしれないが、
サディズムとは、相手を傷つけたり罵ったりすることを快感とするものではない。
自分で自分をとことん追い込んで、破滅へ導くことに心酔する生き物である。
だったらそれじゃないかと思うかもしれないが、
サディズムは相手の都合など考えない。
極論としては、相手など誰でもいいのだ。
つまりあの大きな事件の後でも、必ずやり遂げる。
もっといえば櫓から突き落とすような慈悲深いことなどしない。
あくまで相手は自分の破滅するための道具であり、
相手の都合などどうでもいいのだ。

結論としてこの二人、
もっと言えば主要キャラの4人全員、
マゾヒズムと言って問題ない気がする。

にしても、
にっこり笑っていれば可愛いし、容姿も素晴らしい玉城ティナの、
しゃくれ顎の最もブスな角度を狙って撮った監督すごいと思ったし、
好青年を演じさせればあの世代に敵なしの伊藤健太郎の腹を
若干のブヨにさせたのも狙いなのかもしれないけれど、
骨格が原作とはちょっと違うけれど、まぁいいかの範囲。

ただこれを、思春期でもない、SM嗜好でもない、
ただのからっぽ自覚の人たちが観たら、
どう思うかは解らない。

仲村の、
「下の方の、中の方がモヤモヤする」が、
どういう意味なのか、なかなかに解りにくいかもしれない…。

茉恭(まゆき)