劇場公開日 2019年11月15日

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「さ、さらに・・・な、なんですかこれ????」殺さない彼と死なない彼女 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0さ、さらに・・・な、なんですかこれ????

2022年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この監督は天才ですか???過去に少女の心の移ろいを描いてきた監督は数多くいます・・大林に始まり、相米信二、岩井俊二・・・でもやっぱいずれも男目線です。この小林監督、もう少女そのものとしか言いようがありません・・・。特に今作品、小林作品3作目ですが出だしは一番ストレスフルで、見てて絶対評価これで下げると思いました・・でも周りの評価は高い・・ありがちありがちと思いながら見ていくと後半・・・・大号泣が待っていました!!!

それも一回ではないのです!!何回も何回も大号泣の波が来るのです。そしてそして最後に回収ではない、本当の意味の収斂がカタルシスとしてやってきます。。。。5点満点なら7点やってもいい作品です!!!

🎦シン・ウルトラマンも🎦トップガン・マーヴェリックも控える今年のラインナップで、🎦恋は光がそれを凌ぐ出来と思っていましたが、なんとそれをもしのぐ出来なのがこの🎦殺さない彼と死なない彼女・・・・もう凄すぎる。見た中でナンバーワン!!!。未見な方いましたら・・出来れば🎦恋は光を見てからこれを見て貰えたら、この監督の凄さが肌身に沁みること間違いなし。

とにかくこの作品の最初がか、なりストレスフルな展開でしたし、最後まで見れるか不安であったがそれに騙されてはいけない。その不快だったやり取りがいつの間にかじわりじわりと効いて来るための仕掛けだったと気が付いた時にはもう遅いのである。

気が付いた時にはもう完全に物語の虜に・・・・しかも押しては返す感情の海の渦に飲み込まれ、大号泣に溺れてしまう・・しかも何故こうなったのか・・・?客観的な評価が出来なくなる程飲み込まれてしまい心地よさから抜けれなくなる。

この監督の一連の映像思想はメチャクチャ哲学的でプラトン主義やネオプラトニズムにも通じる内容を持っている。まずはその辺を解明したいところだ。エロスにタナトス。光と偶像。母なる光・・・全てプラトニズムに見られるファクターである。少女たちのしゃべりがすべて舞台がかっていると思ったら実はそれは母が子に諭して言う時の口調である。ここにこの小林監督の思想の原点があるのかもしれない。

でもなぜ明治の政経出身のこの監督が、こんな哲学的表現スタイルを身に着けるまでにに至ったのか・・・庵野監督のようにルーツが見えない。とにかく今後もメチャクチャ楽しみな監督である。

mark108hello