「2199の皮を被ったゴミ」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章「新星篇」 masahさんの映画レビュー(感想・評価)
2199の皮を被ったゴミ
こんなものは2199の続編ではない。
良い続編というのは前作にリスペクトが感じられるもの。世界観もきちんとつながってなければならない。
然るにこの2202では設定を根本的に改竄してしまった。
2199はオリジナル第一作に大変なリスペクトが感じられた。その上で緻密な設定、正確な科学考証、過去の名作SFへのオマージュも散りばめたセンス溢れる傑作だった。アホ毛や水着回など萌え要素を入れて批判される所も確かにあるし、後半は少し作画崩れやシナリオを端折ったような所も見受けられたが、星雲賞を受賞したのは伊達ではない。
一方、2202なる珍作は、その続編を名乗りながらも受け継いだのは上っ面のみ、手間暇掛けて作り込まなければならないところはちゃっかり頂いて制作コストを浮かせておきながら、作品の魂は受け継がずそれどころか踏みにじる暴挙に出た。
カラクルム級250万隻って何? ふざけてるの? あれに何人乗ってるの? 兵站はどうなってる?
例のタコ足はあの構造だと自重で崩壊しそうです。中の惑星は重力でくっつかないの? 誰も科学考証してないの?
メカはとにかくデカくてたくさん出しとけばファンが喜ぶと? ファンなどその程度で満足する幼稚な連中とバカにしてますね。
2199のガトランティスはマゼラン雲に侵入を図る蛮族だったはずですよね。移動する征服帝国でしょう? モンゴル帝国がモチーフだったでしょう? 設定をそのまま活かせば大帝国間の攻防を描いた壮大な宇宙叙事詩になったはず。その後も同じ宇宙史の中で様々な物語を展開できる基盤になり得た。それがあの無理矢理な人造人間設定に矮小化されてしまったせいで、せっかく構築した世界観を見事にぶち壊してくれました。
昔のヤマトは新作を作るたびにご都合主義で設定を変え、前作の感動を台無しにして、次第に嘲笑の対象になって衰退してしまった。2199はその負の連鎖を断ち切る絶好のチャンスだった。それなのにまた2202で愚かにも悪しき伝統を蘇らせてしまった。次回作も決定したそうだが2202路線なら必ず先細りになる。ヤマトが動いてさえいれば何でも喜ぶ無邪気な年寄りファンしか付いてこないだろうから。
願わくばマトモな制作陣でリブートして、2199の正統な続編を作り直してほしい。
五反田様
つたないレビューにコメントありがとうございました。返信遅くなりまして失礼しました。
当方もアラフィフにつき旧作は1作目から完結編まで公開時にすべて映画館で鑑賞しています。当時もっとも感動したのは2作目です。アニメージュの増刊号も持ってますよ。
ゆえに2作目のリメイクとなる2202には多大な期待をしていました。私は2199が非常にツボにハマったためその路線での続編を待望していたこともあり、2202の出来には辛辣にならざるを得なかったことお許しください。
一部のファンが熱心に2202の作り直しを要求しても現状では難しいと思います。ビジネスとして旨味が無いと会社は動かないでしょう。こんな2202でも映画館に通いホイホイ円盤購入する人々が一定数いて儲けが出ている以上、路線変更する理由がありません。
こういう人たちを「ヤマトが動いてさえいれば何でも喜ぶ無邪気な年寄りファン」と称しました。口汚く申し訳ありませんでした。
現状2202で誰も見向きもせず大ゴケすれば路線変更の可能性はあったのではないかと思うと断腸の思いです。
2199は巡り合わせの奇跡が生んだ傑作だったと思います。同じような幸運が何度も続くと思うのが期待のしすぎだったかもしれません。2205へ続く現行路線がいずれ行き詰まり原点回帰されるまで、2199を繰り返し観ながら気長に待っています。
ご意見納得なのですが、ジジイは、ヤマトが動けば納得してる人、ゼロですよ。正直こだわりと思い出が一番詰まったシリーズが2202対応のさらばのシリーズですから。むしろアホ毛や水着、萌え回がないと円盤買わない若い衆散見される症状でしょう(笑)
あとヤマトの生まれた70年代の設計は、結局、赤と自由主義陣営と日本の構図ですからモンゴルではないかと思われます。
結局、西崎息子さんの設定というより松本零士先生の奥には戦争反対がひそんでいます。ミリヲタに見えるかもですが、本物の戦争をまたいで生きて来た世界観が根底に見えないとヤマトではないかと思います。
2199対応の1作目は、人類愛地球愛と星間戦争の果てに、打ち滅ぼして生き残ってみたが不毛だった事のハザマに古代が苦悩します。
2202対応の2作目のさらばは、レビュー主様もメッセージ通り不枯の名作です。ここで宇宙愛にテーマがひろがります。もしよかったら当時の映画雑誌やパンフレットの中身、西崎親父さんの当時のインタビュー記事などご覧日本なったことがなければ是非お目通し頂けたらと思います。
ホンモノを作るには、モノ言う株主に我々ファンがなり、クラウドファンディングでも募って今のアニメ業界のノリを抑え込まないと名作はリメイクすら生まれないのだと思います。
機会を伺って2202は、リメイクのリメイクをやるべくファンが束になって動かないといけないと思います。