劇場公開日 2019年9月28日

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エセルとアーネスト ふたりの物語のレビュー・感想・評価

全22件中、1~20件目を表示

5.0平凡な人生をおくれることの素晴らしさ

2019年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

平凡な人生を送ることがこんなにも素晴らしく、美しいことだと描いた作品は滅多にお目にかかれない。平凡に結婚し、平凡な家を買い、平凡な仕事をして、平凡に子どもを授かり、平凡に年を取り、天寿を全うする。それこそ人生で最も大切なことだとやさしい語り口で教えてくれる作品だ。貧しい暮らしの厳しさも、老いていくことの残酷さもレイモンド・ブリッグズは隠さない。全ては人生の一部であり、そんな残酷さを隠さずとも人生は素晴らしい。レイモンド・ブリッグズが自分の両親をモデルにしたこの作品、庶民の視点から現代イギリスの歩みを振り返るものであり、それは『この世界の片隅に』にも通じる部分がある。世界は残酷、そんな世界で平凡に天寿を全うできるだけでも、確かに我々の人生は儲けものではないか。あまりにも美しい映画なので、涙が止まらなかった。ブレンダ・ブレッシンの声を久しぶりに聞けたのも嬉しかった。

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杉本穂高

4.0誰の心にも両親への思いが蘇って来るはず。

2019年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「スノーマン」「風が吹いたら」で知られるイギリスの絵本作家、レイモンド・ブリッグズが、愛して止まない両親に捧げた人生のスケッチは、別段、特別な出来事が起きるわけではない。戦前、戦中、戦後を、互いに慈しみ合い、笑い合いながら生きた夫婦の日常の積み重ねで構成されている。ブリッグズ独特の手描きタッチを、そのままアニメーションに生かした製作者たちのリスペクト。そこから浮かび上がる庶民の生活の尊さ。足早に過ぎ去る人生の時間。そして、突然の別れ。人の世の至福と残酷さが、これほどまで胸に迫るのは、エモーションを抑制した原作者の手法が、本作にも受け継がれているからだろう。見終わると、きっと、誰の心にも両親への思いが改めて蘇って来るはずだ。

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清藤秀人

4.0イギリスの街といなかの美しい景色が広がる

2023年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

幸せ

お互いおとなしそうな二人が結婚して平凡な生活を送るお話。
それのどこが良いのかわからないが、自己主張なんかしなさそうな
エセルが結婚後は自己主張し、アーネストはマイペース。
全体的にほんわかした幸せムードは画像の影響もあると思う。
とにかくうごきがスムーズ。画像自体はリアル感が少ないけれど建物や景色は素晴らしい。デズニーや日本のアニメとも違う。
出てくるイベントはすべて史実でその時代に生きているという事がよくわかる。夫婦で支持政党が違うのも面白い。
子供が大きくなったら声変わりもしていた。

亡くなったときの姿は寂しいものが有ったが後悔のようなものはみじんもない。生ききったって感じ。
特に大きな感動もないけれど見終わった後、良かったなと思わせてくれる映画。エンディングもポールの曲にあわせて楽しい作りになっていた。
それにしても、安月給の感じなのに電気自動車や大きな車を買ってたのはちょっと不思議。
それと、エセルはヘビースモーカーか?今に時代は生きにくいよ!

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Elton Shin

3.0CGが多様されているが、水彩画風で良いと思う。

2022年4月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

イギリスの普通の人の話。
普通なんだけど、死ぬところは妙にリアルだと思った。避けられない人間の運命ってことかなぁ。
戦争がクライマックスなのだろうが、その他の盛り上がりはさほど無い。普通の話。
CGが多様されているが、水彩画風で良いと思う。

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マサシ

4.0スノーマン

2022年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「スノーマン」の原作者が語る両親の物語で、心に染み込んでくる。
1928年、両親は出会い、労働者階級の二人はその後結婚する。
ロンドン郊外に家を構え、子供がなかなか出来なかったが、高齢出産で息子を得る。
そして、第二次世界大戦があり、戦後、息子は絵描きになる。
晩年は母親がボケて先に逝ってしまう。
二人の会話は教訓にあふれていて、背筋が伸びる思い。

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いやよセブン

4.5心温まる物語!

2020年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

スノーマンの作者が両親の人生を描く。
優しいイラストのタッチが
二人の幸せだった人生を物語っています。

二人は出会い、結婚をして、
家を買い、息子レイモンドを授かる。
第二次世界大戦の過酷な時代の中でも、
アーネストのユーモアで、
明るい家庭を築いていく。

その後、いつしかレイモンドは巣立ち、
二人は老いて、死を迎える…
最期はとても切ない。

しかし、一つの映画として、
二人の一生を見てみると、
決して、不幸な最期ではなく、
幸せな人生だったに違いない。

その思いが溢れるほど伝わってくる
素晴らしい映画でした!

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うさぎ

4.0人生は素晴らしい

2020年7月23日
PCから投稿

絵本の絵が動きだしたような
ロンドンの街並みのシーンに感激しました。

ご両親の普通の人生ではありましたが
その時々の社会情勢や世代ごとのドラマがあり、
人生は何て
ドラマティックで素晴らしいものなのだろう
と改めて感じさせられました。

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アツコ

4.0最初の出だしが好き。

2020年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

思い出にふけるようなコメントがあって、なお面白みを感じるアニメ映画。確かにその通りで、今の日本文化ではたたかれそうだけどそれをあえて映画化したのが海外のすばらしさ。

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フェイト8@精神障がい持ちです。

5.0普通の人生、その尊さ

2019年11月4日
iPhoneアプリから投稿

とても良作でした
家族を愛おしく思います

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イロネギ

3.0絵本の絵柄がグリグリと動くアニメーションが面白い

2019年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

絵本「スノーマン」の作者の親の話。

普通の親なのでドラマチックな人生ではないし、出来事も淡々と起こり、そしてサラッとこの世を去る。
250%の日常モノ。
そんな人達でも戦争は降り注いだのだなぁ、とか考えました。

絵本の絵柄がグリグリと動くアニメーションは面白い。
懐かしさと最新の融合。

ストーリーはホント普通の話。
ごく一般的なイギリス人夫婦ってこんなんだったんだろうなぁ、と。
ここまで普通な物語もなかなか無いです。
誰かのアルバムを覗き見した気分。

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kizkiz

4.5普通の夫婦の生き様

2019年10月30日
iPhoneアプリから投稿

1928年から1971年までのロンドンで、カップルが夫婦となり、子どもを育てて、亡くなるまでの「普通の暮らし」を描くアニメーション。

家財・照明・調理器具が時代とともに変わっていく有り様や、第二次世界大戦における戦争の対応(防空壕・ガスマスク)、朝鮮戦争での徴兵、歳をとり若者と価値観が乖離していく姿など、実に細やかな描写が素晴らしい。

『この世界の片隅に』にも似た、「時代」と「生きていくこと」を見事に描ききっておりました。
おすすめの作品です。

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コージィ日本犬

3.5☆☆☆☆ 『この世界の片隅に』たった2人でヒトラーと戦った夫婦の物...

2019年10月19日
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☆☆☆☆

『この世界の片隅に』たった2人でヒトラーと戦った夫婦の物語。

戦後は。少しだけ上流階級に憧れがあり、ちょっとだけ見栄っ張りな母親と。労働者としての誇りを忘れない父親との間に、ほんの少しだけの差異が生じるものの。寄り添いながら生涯を全うする。

地味だけど、絵本調の色彩も良くて素敵なアニメーションでした。

2019年10月19日 岩波ホール

* 但し、日本人としてたった1つだけ気になったところが…。

広島に原爆が投下された事に対して父親は。

「たった1つの爆弾で10万人も死ぬなんて」と嘆く。

しかし母親は…。

「これで戦争は終わるわ!」…と一言。

やはり世界的に見ても。広島・長崎に対する原水爆の投下に関しての意見は、我々日本人とは隔たりがあるのだなあ〜…と。

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松井の天井直撃ホームラン

4.5淡々と語られる濃密な物語

2019年10月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

ごく普通に見える人生の中に、20世紀のイギリス史がさりげなく組み込まれ、淡々としているけれど、濃密な絵と内容でじわりと感動させられた。
物語の原点、幸せの原点みたいなものを非常に強く感じた映画。

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SH

3.0絵本のページをめくるように

2019年10月6日
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鑑賞方法:映画館

世代や階級によって価値観が違う部分と普遍な夫婦の愛情がしみじみ伝わりました。

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zita

3.5想像を膨らます

2019年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

市井の人々が当たり前に営んでいる生活、その生活が壊される戦争について、当時の人々の作り物ではない生の声が聞けたように感じました。今も戦争を経験していない人間が戦争を美化し庶民を騙して金儲けをしようとしていますが、今作の様な作品があるだけでは駄目で、鑑賞する私達も想像を膨らませ、先人達の言葉に耳を傾けないとまた同じ過ちを繰り返すだけだと思います。

そして、エセルとアーネストの様な普通の庶民である世界中の先人達に思いを馳せたら、なんだかとっても温かい気持ちになりました。

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ミカ

4.5自分もこんな人生送れるかなー、と。

2019年10月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

激動の人生を過ごしても生を受け老いていくんだなー、と。この二人のように人生で寄り添えるパートナーと出会えると良いんだけど。
それと映像が最高。ブリックスの淡い線の感覚や色彩感覚が絶妙なバランスで融和してる。いい作品だった。

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peanuts

4.0愛が深い優しい気持ちになれる映画

2019年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

作り手の愛情を強く感じました。
絵本のタッチに近づけるために新しい技術を開発する意気込み、原作への愛が深い人たちが大切に作った作品で、それだけでもいとおしいです。

日本人が憧れる上流階級の英国ではなく、ごく一般大多数の労働者階級の夫婦がすごすその時代のごく普通日常を丁寧に描いているのをはじめてみました。
使っているもの、言葉、所作、普段目にする映画では描かれない様子が新鮮で。『物語は細部に宿る』とはこのことかと思いました。

そして物語はやさしくて愛しくて。
悲しいけれど最後の時に夫を忘れても初恋の思い出に戻るお母さんに愛情の深さを感じて泣いてしまいました。
事件性も派手さも奇抜さもない、昔の上質な文学に触れた気分です。
そして見終わった後、親に友人に連絡取りたくなりました。

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ちいまめ

3.5絵本をアニメ化する意味

2019年9月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作絵本(あるいは、グラフィックノベル)に、あまりに忠実であったので、びっくりした。
動きを付け、シーンを補完しているだけで、絵や台詞は、本質的には変わらない。

初見の人は、原作の内容を堪能できるだろう。
ロンドンの庶民の平凡な人生は、万国共通の人間的な共感を呼び、社会風俗の生き生きした証言になり、戦争という「普通じゃない時代」ではドラマチックでもある。
しかし、前日に図書館で、原作を読んで予習した自分は、複雑な気分であった。「映画館に来る必要があったのか」と。アニメ化する意味は何か? と考えてしまった。

アーネストのロンドン訛りっぽい台詞が聞けるが、労働党びいきな描写は最小限に抑えられている。
また、品のない表現や、ヒトラー・スターリン・ユダヤ人・中国人といった言葉の使用は避ける傾向がある。

制作陣は、原作のラフスケッチ風の絵柄(“ルック”)の再現に苦労したらしい。色彩はほぼ完璧で、一部の背景も忠実だが、全体的には良くも悪くも、原作より緻密できれいだ。
キャラクターは手描きとのことだが、動くがゆえに、さすがにラフスケッチ風とはいかなかったようだ。なお、動きは3D的であり、動く絵本ではない。

映画を先に見ると、描き方がラフで動きのない原作を読んでも楽しめないかもしれない。
しかし、原作を先に読んだ自分には、このアニメ作品が、妙に“のっぺり”と引っかかり所がなく思えて、正直なところ退屈してしまった。
エセルもアーネストも、一般観客向けに、どことなく無難なキャラに丸められ、お国柄も今一つ伝わってこない感じがする。
ポールのエンディングの歌も、平凡だった。

また、なまじ原作を先に読んでしまうと、アニメ化による何かの“プラス要素”を期待してしまう。しかし、本作は忠実な再現を優先するあまり、アニメならでは、という魅力には乏しい。
むしろ、原作絵本を知らない方が、率直に本作品を味わい、感動できるのではと思った。

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Imperator

5.0一番世界成長した時代に生き抜いてきた二人

2019年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「スノーマン」の絵本作家レイモンド・ブリッグズが自分のの両親をモデルにした作品の映画。最初あれ?アニメでないの?っていう出だしからびっくり。両親の出会いから最後に至るまでのストーリーも映像美もとっても丁寧に描かれていました。イギリス女性らしく?プライドが高い様子が垣間見れる奥さんの姿もちょっと笑えました。第二次世界大戦当時の苦難中でも庶民の立場で明るく懸命に生きてきた夫婦。イギリスの「この世界の片隅で」という感じかと思いきや、それだけでなく、その後の高度成長時代までずっと描かれていて、あぁ1920年代後半~1970年代の時代が一番大きな変化があった年代だったかもと改めて思いました。多くの電化製品などの普及でかつてないそして現代にもない程の成長し続けた世界経済。新たな製品で需要がいっぱいだった当時。現在では何でも品物ってあるし、もうこんな経済成長は今後ないかもしれないとも感じられました。苦難を乗り越えて生きてきた当時の人達が一番世界の成長を感じられたかもしれませんね。エンディング曲のポール・マッカートニーの歌声も良かったです。試写会当日は私の誕生日でした。素晴らしい映画の鑑賞をバースディプレゼントとして下さって本当に嬉しかったです。大感謝です。

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さっちょ

5.0人類皆夫婦(^^)

2019年9月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

イギリス人も日本人もおんなじ。

ささやかな生活の中に、たくさんの幸せを感じながら生きていることを、このアニメで教えてもらいました。

時は1930年代、牛乳配達員のエセルと、メイドのアーネットの出会いから、物語は始まります。

時代の流れが目まぐるしく動く中、二人の生活も多種多様に変化していく…。

そんな時代の中、変わらない二人の愛がとても素敵でした。

牛乳配達員としての誇りを胸に、配達一筋で働くエセル。

そんな、真面目な彼に時に意見し、時に従い支えながら家庭を守るアーネット。

ヒトラーの独裁制がスタートし、徐々に戦争の影が忍び寄る時代。

しかし、その生き方は実に生き生きと輝いて見えました。

時代は変わっても、市民の生き方は簡単に変わるものではなく、みな慎ましやかに暮らしいる。

これまでイギリス=誇り高い貴族のイメージがありましたが…。

この映画でそんなイメージががらりと変わりました!

こんなにも普通な暮らしをしていたなんて!

この映画で、イギリス人の生活を詳細に学ぶことができました。

お茶や食事の仕方、掃除、洗濯、仕事、進学、子育て、全てにおいて感じたのは、普通であるということ。

日本人と同じように、家電を揃えて仲睦まじく一家団欒を続けている光景。

夫は新聞を見ながらブツブツ文句を垂れ、妻は隣近所に見栄を張りつつ、息子の成長を心配している。

世界共通、どこにでもある光景がこのアニメでもたくさん感じられました。

こういう何気ない日常を描いた作品って、意外に少ない…。

しかも、その描写をアニメで詳細に描いていることにびっくり!

細い線と淡い色合いは、絵本そのもの。
まるで絵本が動いているかのように感じられました。

また、音楽もすごく豪華!

ポールマッカートニー氏が、書き下ろした楽曲がエンドロールに流れるという奇跡。

どうやら、彼はレイモンド氏の作品のファンのようで、この映画の音楽も快く引き受けてくれたとのこと。

素晴らしい画報と、豪華な音楽という、贅沢な仕上がりに感動しっぱなしでした!

今回、試写会の後に林望さんを迎えてのトークイベントがありました。

林さんはイギリスの生活にとても詳しく、その細かな描写がとても緻密に描かれていることを解説してくださいました。

イギリスの階級制度のこと、労働党と保守党のことなど、様々なイギリスの暮らしの仕組みについて分かりやすく話して頂き、より作品の世界を深く理解することができました。

イギリス英語の表現や、生活様式など、興味深いことばかり…。

30分のトークイベントでしたが、もっと色々と話を聞いて痛かったです(^^)

心が優しくなれる絵本を書くことの多いレイモンド氏が、大人向けに描いた今作。

これはきっと、彼が両親のことが大好きだったからこそ、二人の幸せな姿を残しておきたかったのではないでしょうか?

私も、こんな理想の夫婦になれたらいいなと思いました(^^)

今日は本当にとても素敵な作品をありがとうございました!

幸せなひと時でした(^^)

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ガーコ