劇場公開日 2019年1月19日

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「風と共に生きる」ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄 atararuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0風と共に生きる

2019年11月8日
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鑑賞方法:映画館

岡本太郎が見て感じた沖縄の姿
そこに暮らす人々のドキュメンタリーこの手の話 私は好きだなぁと
その当時に、忘れられた日本がある沖縄(岡本談)と述べられていましたが少し違うと感じました
縄文時代くらいまで遡れば似ているのかも知れないけど やはり独特だなと
あの時代にあって強い自然崇拝や神女ましてや風葬がなされていたことは意識の根幹が全く違う 日本であって日本に含めたらいけない尊厳がそこにはある気がしました
フボー御嶽 何もないということ その意味、深さや見えないモノに対する拠り所、恐れ、空が生み出す無は精神へも繋がっているのだろう やたらと物に頼る日本と全く違う印象
琉球音階もまたそう 独特
イザイホーは1978年が最後 やせた土地の為出稼ぎに行く男達に代わり家を守る女達 圧倒される儀式 久高ノロが岡本太郎を受け入れた理由は果たして?ヤボな推測はいくらでもできるけれどこのお二人くらいになると目と目が合った瞬間に波長が合ったとか言葉にしない方が伝わることがあるといった感じだったようにも思える私的には
祭の踊りに三線に乗せる唄 心がカタチや動き言葉や音に成る そうすることで想いを空へと解き放つ 映像中に唄われた詞にも風が出てきた 思わず聴き入ってしまった素直な気持ちになれる唄
風葬 チベットの鳥葬でハゲタカに〜を観たことがあるけれどこれまたその風習に驚いた ここでも風だ

沖縄といえば海かと思いきや観ていてずっと風を感じていた
愁いを含んだやさしい風

写真や古き映像の中 息衝いていた集落の人々の根底は失われることなく
今も次の世代達に受け継がれている気がしてならない
それは何も儀式を行うとか風葬をすることではなくそれこそ
その土地、場所で風を感じること 見えないモノを大切にし何も無いとこで自分自身と向き合うことそれに他ならないのではないかと
思った

☆井浦新ナレーションはすっと入ってきて映像の邪魔をしない 心地よい耳触りの声でした

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atararui