劇場公開日 2020年1月17日

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「若手女優の二役が素晴らしい」ラストレター Bratscheさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0若手女優の二役が素晴らしい

2021年6月3日
iPhoneアプリから投稿

予告編を見た感じでは、もっと、ドラマティックなストーリーなのかと想像してたんですが…
穏やかな、静かな映画でしたね。

ともすれば、退屈な映画にもなりかねない程に静か。
でも、俳優陣が本当に上手で。

特に、共に二役(回想パートでの母親と現代パートの娘)を演じた広瀬すずと森七菜が、本当に素晴らしかった。

松たか子の演じた裕里は、常識的なところもありつつ、少し素っ頓狂なところもあって、おかしみのある女性。

回想パートの裕里(森七菜)は、それを踏襲した女子高生に。
現代パートに登場する裕里の娘 颯香は、屈託のない無邪気な女子高生。

広瀬すずは、回想パートでは健全な優等生キャラの美咲を演じ、現代パートでは、幼い頃から父親のDVに苦しみ、母を自殺で失った、憂いを含んだ女子高生 鮎美を演じてます。

2人とも、血の繋がりを感じさせつつも、別の人格をきっちり演じ分けてました。

しかも、現代パートでの2人の透明感といったら…
吸い込まれそうなほどに美しかった。
広瀬すずなんて、もう、大学も卒業するような年齢なのに、高校生にしか見えなかったですよ。
女優って、凄いですね。
(神木くんも、普通に高校生に見えました w)

話としては、ほんと、「目を見張るような展開」なんて、全然ないんですよ。

でも、仄かな、それでいて芯の強い愛情が、それぞれの関係性の中に感じられて、胸がじんわりと温かくなる映画でした。

Bratsche