劇場公開日 2020年1月17日

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「美しく残酷な世界。」ラストレター seluroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5美しく残酷な世界。

2020年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

最初は、あの住所も書かずに一方的に手紙を送りつけるゆうりの行動に違和感を覚えたが、人間とは時に滑稽なものである。
この映画は、気づくとどんどんと話がひろがっていき、過去と未来を行き来しながら展開していく美しい物語だ。岩井俊二監督の映画をこじらせ、などと評するひともいるけれど、果たしてそうだろうか。
ひとというものの、身勝手さとえぐみ、優しさ、不合理さ、世界というものの酷いほどの美しさを丁寧に描いていると私はおもった。このような行間のある映画というものは、この先作り手も受け手も減っていくのだろうか、とおもう。物事の表面ではなく深みをこんなふうに凝縮して描けることが、やはり映画の醍醐味なんだなぁ、すごさなんだなぁとおもった。
連続もののドラマでは逆に描くことのできない、映画だからこそ伝えられる感覚が確かにここにある。
役者さんたちが、みな素晴らしかったのですが、広瀬すずさんがとても素敵な女優さんだなと気付かされた作品でもありました。森さんのテーマ曲の歌声もとても綺麗でした。ほぼ予備知識なしでみたのがよかったです。

seluro