この世界の(さらにいくつもの)片隅にのレビュー・感想・評価
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更に進化した「この世界(さらにいくつもの)の片隅に」
前作「この世界の片隅に」からに更に進化した「この世界(さらにいくつもの)の片隅に」。クラウドファンディングに大勢の方々が参加されて実現したようです、映画のエンディングテロップに人々の名前が延々と流れました。購入したパンフレット1,000円を読むと、「前作は”径子さん(すずさんの夫の姉)の経糸”で、戦争中という時代と当時の生活についてのある種のドキュメンタリー的な風味があったと思う。今度は”リン”さんの経糸で、すずさん固有の内面のドラマ支配している作品になっているんじゃかないかと。(片淵監督)」。パンフレットを精読してもう一度鑑賞しようと考えています。
日本の季節
日本の季節の移ろいを、オリジナル版以上に丁寧に描き、それゆえに、そこに流れる、すずさんの時間を感じる事が出来た気がしました。
例えば、夏の赤とんぼと秋の赤とんぼは違うとか、冬景色の遊郭、桜など。
最後に出る、紅で描かれたストーリーが全部読み取れなくて。心残り。
全体的に良かった
3年前原作が好きで映画館で観てきました、あの時はカットシーンが多くて爆撃で紅入れが壊れるシーンはちょっと説明不足だと思っていました。今回はしっかりと描いていましたしお色気シーンも原作にはありませんがすみちゃんのセミヌードっぽいシーンがありました。あと営みシーンは原作よりいやらしかったですね。それと桜のシーンは良かったですし原作にはない周作さんとリンさんが会う所も少しありました。まだ細かい所は抜けていましたがね。全体的には新作を観ているような気分でした。
待望の完全版・・・だが、極限まで切り詰めた前作も良し
ほぼほぼ良かったとは思うのだが・・・
(足りないパズルのピースが埋まったとは思うが)
第1作が極限まで切り詰められていたのに対し、追加部分のなかで、やや気になる点が。
以下気になった点
1.水原に唯一の鉛筆をなくされた後の件、原作では他の男子が絡む部分は、なかったはず。
今どきの子供じゃないんだし(水原をより凶暴に見せるため?)。
そのくせ、先生が鉛筆を借してくれるシーンがない。
2.小松菜の件、径子が帰る経緯のために入れたのだろうが、その後の小松菜が出てこないので尻切れトンボの感が。
あと、原作通りにクドクド言わせるのもどうなのだろうか。後の早回し説教の件から見ると蛇足に思えた。
3.リンドウ柄の茶碗の件は原作通りのほうが良かったような?
小林夫妻が家であれこれ言っている件は小説版には載っていたかと思うが、原作には、ないのに追加する必要があるものだろうか。
4.竹やり訓練の件、長物危険!な、すずが出てくるのは、隣組のところだけなので、ちょっと説得力に乏しいような。
その前の竹やり用の竹の採取?のところで、リンの身分証とノートの切り欠きが判明するところをすずの手ぶりで表現していたが、あれこそ原作通り、すずのモノローグで良かったような。
5.桜見物の件、リンに海軍事情を語らせるのはどうしたものかと。
山本長官さえも愛人に軍事機密を話していた、あるいは兵士に対して厳罰化する一方、海軍将校の汽車内でのおしゃべりでも軍事事情が分かったと言うような話も聞くので、あるいはそれを表現したものか。
理詰めで見ると、おぉ完璧!なのだが、前作でも(エンドロールを含めて)脳内補完や想像で埋められた部分に細かい説明をされるのもどうかな?とも思う。
一番の衝撃は夜の営みか?
(まさか入るとは・・・原作よりなまめかしい)
笑い8号泣2
もう3年も経つのですね。
前作のストーリーのまま、ストーリーが追加されています。新しい続編?の形。
観る前は3時間は長いなー、追加分だけ見せてくれればいいのに、、、と思っていましたが、結果大満足。
なんとも愛くるしいすずさんにまた会えてよかった。3年経つと、大筋のストーリーは覚えていますが、詳細は覚えていないことにびっくり。このシーン好きだったなぁ、ここからが辛くなる、と思いつつ。全編、楽しめた。
「この世界の片隅に」は戦争映画。もちろん、悲惨さは教訓らしきものもあるのですが、普通の生活をしていた普通の話。戦争中でもこんなに楽しいことがあったのか、みんな強い。と再確認。
ネタバレしないはんちゅうで、、
終戦後の3回目の台風で、家を破壊された後「死人が出ているかもしれないから不謹慎かもしれないけど、神風が1ヶ月遅い!」と笑い合える強さに感動。
広島=原爆、豪雨災害
という、負のイメージが強いけど、みんな強く生きている!というメッセージを感じた。
賛否両論出そうな展開ですが、それでも伝えたいメッセージだったのだと思います。
千葉県の被災者も勇気付けられた。ありがとう。
良い作品でした。
オリジナル版は映画仲間が大絶賛。
TV放映はビデオで録ってたけど封印して本作を観賞。
淡い映像と緩めな音楽に加え、すずの声を担当した のんさんのまったりした広島弁が印象的。
戦時中の悲しい話なのにそのまったりした映画作りが逆に色々と考えさせられました。
登場人物それぞれに色んな人生があってみんな世界の片隅で一生懸命に生きているんだなぁ。
呉の美しい風景が素晴らしい。
一度は行ってみたい。
すずの故郷の草津は行ったことあります(笑)
本作はクラウドファンディングで資金調達したのかエンドクレジットに投資者の人達の名前がでるんだけどその人数が本作のファンの多さを表してして驚きです。
自分の名前探すの大変そう( ´∀`)
もうひとつの片隅と、世界のその先の未来
もうひとつの白木リンの長めのエピソードが加わって、物語の厚みが増したように感じる。
世界の片隅は、それぞれ、世界の中心でもある。
亡くなった人は戻ってこない。
ただ、悲しみを糧に、人は背中を押されて、生きていくのだ。
失った右手も戻ってこない。
でも、いつか左手が右手の代わりをするかもしれない。
リンこそが、すずの実家でスイカを盗み食いしていたあの子なのかもしれない。
それでも、逞しく生きていたリン。
でも、戦争は、そんなささやかな人の人生も奪い去ってしまった。
晴美も、哲も、兄もそうだ。
俳優の仲代達矢さんが、ずっと秘めていた戦争の苦い思い出を話していた。
東京の空襲で逃げ惑っていた時、小さい女の子が、怖くて道の端にうずくまっていて、仲代さんは、こんなところでうずくまっていたら、焼夷弾で死んでしまうと、その子の腕を取って、駆け出したのだそうだ。
その時、背後に焼夷弾が落ちて、それでも必死に走って走って。
ふと気がついて、後ろを振り返ったら、女の子は既にいなくなっていて、自分は、女の子の手だけを握り締めていたと。
仲代さんは、怖くなって、その手を放り出して、また、駆け出してしまった。
仲代さんは、せめて、その手だけでも持ち帰って供養してあげたかったと、戦後70年以上も後悔し続けていた。そして、戦争は絶対ダメだと固い信念を話していた。
その子にも未来があったのだ。
消えてしまったもうひとつの片隅の未来。
でも、世界は続いていく。
悲しみを超えていく。
ただ、戦争が未来を奪うようなことがあってはならない。
そんな程度のことは、僕達の、そして、世界のささやかな願いであって欲しい。
完全版
本作品を長尺版と呼ぶのではなく、完全版と私は呼びたい。
リンさんのエピソードが加わって、話に深みが増しました。
ぽつりぽつりと絞り出すような台詞、ゆっくりゆっくりと今の心情を語る唄、悲しい現実がたんたんと描写されており、どんな反戦映画よりも心に響く出来映えです。
ラストの戦災孤児のシーンは生きていくことへの物凄い希望を感じます。
このような稀有な素晴らしい映画を年末に観られて最高でした。
【反戦邦画の傑作、魅力を増して再降誕。その理由は多々あるが、すずとリンさんの関係性が細やかに描かれたシーンを始め、追加されたどのシーンも今作に深みを与えたからなのは間違いない。涙が溢れます。】
前作が2016年11月に公開され、余りの素晴らしさに感動を抑えきれなかった記憶が強く、今作は”30分強長くなっただけだろう”と思っていた私が浅はかでした。
前作とストーリーは(当たり前だが)同じなのであるが、観終わった後の感動たるや・・。
『感動が増したと思われる理由』
・すずが、周作とリンの関係に気付き、悶々とする気持ちを抱える場面。秀作の裏表紙の切り取られたノートを見つけたすずの表情。”りんどう柄”の意味。
・二葉館にリンを訪ねたすずがリンと同じように働くテルと窓越しに交わす会話。そして、雪面の上にすずが書く南国の絵。
後半の場面でのテルの持ち物の使われ方。
・二葉館の前で再開したすずとリンの会話。病院での診察結果に、悄然とするすずにリンがにっこりと笑いかけ、語り掛ける台詞の素晴らしさ。
・戦中、束の間の花見を楽しむ北條家。そこで、すずとリンは再び会い、桜の木の上で語り合う言葉とリンがすずに渡したモノ。
<前作の素晴らしさは色褪せないが、今作は登場人物たちが戦時に懸命に生きる姿の表現が更に深みを増しており、深く魅入られた作品。
167分は、あっという間に過ぎ去ったが、この素晴らしき作品の記憶は長く残るだろうと思った作品。
前作公開時以上にきな臭い空気が世界に蔓延する現在、心に沁み渡りました。>
原作既読、前作鑑賞済み。 リンさんのエピソードが加わることで、足ら...
原作既読、前作鑑賞済み。
リンさんのエピソードが加わることで、足らなかったピースが埋まり、すずさんの人物像がより深堀りされ、艶やかさが増して、前作では少し子供っぽかったすずさんが大人っぽくなった。
原作を読んでいるのでわかっていたことではあるが、それでも目で見、声や音を聞くとワンシーン、ワンシーンがさらに意味あるものとなり、重層化され前作とはまた違った感動が残った。
哲の存在がすずさんにとっても周作にとってもより大きなものとなり、彼のその後の人生のことを考えてしまった。さらにリンさんだけでなくテルちゃん、小林夫妻、知多さんのエピソードが物語に加わることで、さまざまな人の生き様が世界の片隅にあるのだということを示しているのだろう。
3年の時を経て、傑作がさらに深化を遂げた。
説明しすぎなのが残念
原作もそうですが、通常版も、細かいところをあえて言葉で説明しないですよね。人物がその場であったことをそのまんま喋るからいい。だから原作は何度も読み返しては新たな発見があるし、通常版も、原作を読んでから見ると、カットされた出来事もちゃんとあったことなんだ、とわかるわけです。
というところで、原作屈指の名場面であるりんどうの花の秘密に気づいてしまうところ〜周作さんの過去が明かされるところですが、ちょっとつまらなかったなぁと。あれは観客も一緒に気づいて、すずさんと一緒に固唾を飲みながら帳面を見つけなくてはならない。(原作では帳面は紙の特徴がわかりやすく、表紙を見たときにあの紙とわかるのです)
周作さんがすずさんを嫁に迎えた理由も明かされましたが、想像通りでした。ということは原作のセリフのないコマだけで全て説明されていたわけで、それを急に説明口調で言う必要はないよなあと。
周作さんとリンさんの再会シーンも何故セリフを入れたんでしょう。すずさんからは見えないし聞こえないはずです。(気づきながらも見ようともしないシーンだから)
通常版でのポリシーであった、すずさんの知らない事は描かれない というお約束が破られており、内容が大人っぽくなったのに説明は子供向けか?とガッカリです。
と言う文句も期待値が高すぎたからで、そのあたりが原作準拠の丁寧なつくりだったらもう5点満点じゃ足りないくらいの点だと思います。
あっという間の3時間。
なにがあってもひたすら生きていくしかないんだ、と。戦争、敗戦、そのとき人々は何を感じたんだろ。普通が幸せって事がノンの声のトーンでさらに強調されてる気がする。長くなって前作よりさらに良くなってた。
それでも生きるとしか。
当時の日本人の、生命力の強さに圧倒される。
手がなくなっても、両親や、家族が亡くなっても
家、街、何にもなくなっても生きる。
そういう、無名の人々の上に、今の日本がある。
凄すぎるとしか。
そして、現在の生活のありがたみ。
言葉にすれば、軽くなってしまう。
あいすくりいむ、
自分の記憶の中では、
一緒に食べに行って、正しい形わかって、
ウエハも、わかって、正しい絵を渡してた。
どっかのレビューの受け売りだけど、
この映画、嘘のようなホント。信じられないホント。
より原作とセットに
かなり原作のシナリオとシンクロしているので、より両方セットで楽しめるようになったと思います。前作を観て満足されている方にどこまで訴求できるか、活劇ではないので普通に薦めたときにピンときていただけるのか。エンドロール見逃したかもですが、前作の海外展開のためのクラウドファンディングはクレジットになかった気が。参加したものとしてちょっとさびしかったです
いい意味でも悪い意味でも、100点!
冒頭5分で涙が出てきた。
3年前に前作を観た時の、何とも言えない感動がドバーッとよみがえって、涙が止まらない。
小学校の場面で、水原哲との追加シーンが。
なくてもいいけど、あるとないとでは、後々のエピソードの深みが違う。
リンさんやテルちゃんのシーンもそう。
より原作に近くなっている。
が、満足できたかというと、正直微妙。
前作が100点だとすると、本作も100点です。
120点ではなかった。
追加シーンの全てが、期待の範囲内で、新たな驚きや感動は少なかった。
過剰に期待してしまったからかも。
とはいっても、100満点中100点の作品であることは間違いない。
初見の方には自信をもってお薦めできる。
前作視聴組の方は、気楽に観た方が良いかも。
描ききってくれてありがとう!
うちはぼーっとしとるけえ、前作と同じ作品にはとても思えんかった。
とすずさん風に言いたくなる。
前作と比べながら観てしまうかな?と思っていましたが、むしろドラマ版を思い出しながら観てしまいました。ドラマ版の方が前作よりも原作に忠実なのでしょう。
そして、今回さらにいくつものエピソードを盛り込んで、この世界の片隅で強く生きていく人間のたくましさをより緻密に描けていた気がします。
戦争を知ってる世代も戦争を知らない世代も、日本中の老若男女に見てほしいなあ。この作品を知って欲しいな。
この世界にそうそう居場所はなくなりゃせんよ。
リンさんの言うように、自分の居場所は案外なくならないものなのかもしれない。
どんな悲惨なことが起きたとしても人は案外逞しい。
居場所はある。
例え死んでしまっても誰かの心の中には居場所があったりするものなのかもなあ。
日本のアニメはほんと素晴らしい!
オリジナル版よりも深く掘り下げられた分、すずさんの心情とかがより生...
オリジナル版よりも深く掘り下げられた分、すずさんの心情とかがより生々しく感じられます。
個人的にはオリジナル版の方がテンポも雰囲気も好きです。
素晴らしい作品だが、
やはり168分は長いかな。うーん。
試写会やブルーレイを含めて、前作は10回ほど見ているが、あれはテンポも含めて1つの完成形だったと思う。
もちろん今回りんさんのパートを中心とした追加部分についても、違和感を生じることなく完全に作品に溶け込んでいるし、原作を大切に思う観点からすると必要な追加なのは分かるし、おそらく片渕監督の考えもそうなんだろうと思う。
もちろん今回の完全版はとても素晴らしい作品です。
ストーリーを知っていても、あの不発弾のシーンでは目を背けてしまいそうになるし、玉音放送を聞いた直後のすずさんの激しい憤りにはこちらも辛くなります。
個人的には、二つの別の作品だと思いつつ、すずさんやりんさんに会いに、この完全版も何回も見る事でしょう。
PS
上映時間が長い事に加えて、少し色っぽいシーンも増えましたので、お子さんにはオリジナル版を見せてあげた方がいいような気がします。
現に自分が見た上映回にお子さん連れで見にきている方がいましたが、後半は完全に飽きてしまったようで、物を落としたり、隣の親御さんに「まだ?あとどのくらい?」と聞いていましたので…
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