アルキメデスの大戦のレビュー・感想・評価
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おもしろかったです!
冒頭から、昭和21年4月7日戦艦大和の最期のシーンでいっきに期待値が上がりました。そして期待を裏切ることなくそのまま話が進んでいき、最後は良い意味で期待を裏切られましたね。
大東亜戦争の史実を知っているとより面白く観れると思いますが、知らない人もこの映画をきっかけに興味が湧くのではないでしょうか。
キャスティングもバッチリだったと思います。
平山の説教が刺さった、良かった、萌えた。
予想外に良かった。
先に難癖付けとくと、あの数式ではあのカーブにはなりません。eのべき乗必須、エクセルでも描けるのは誤差関数(erf)あたり。大阪の造船所では二階微分と口走ってましたが、関係無いですね。確率密度関数か、χ二乗分布あたりが当てはまる関数だと思います。
以上、無駄にオタクな突っ込み終了。
柄本祐も、浜辺美波も、菅田将暉も、初めて良いと思った!櫂直の天才ぶりに惹かれ、尊敬して行く田中が可愛い。しかし女子の顔、測る?触れたくなるでしょ、唇とかに、普通。
全てを見越した上で、大和を設計した平山に心打たれます。戦争しない選択を、国民は許さない。いや、それを認めない人が多い令和の日本。平山がお説教してるみたいに聞こえる、櫂直に向かってでは無く、日本人に向かって。
ここが、凄く良かった!
平山の事務所、「カメ止め」の浄水場ですよね。賭ケグルイでも使われてましたが、映画の聖地化してます?
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(7/28追記)何故「アルキメデス」なのか?
◆「詐欺を明らかにする」
アルキメデスの功績として有名なのは「金の王冠の純度」を、体積を計測することによって明らかにした件です。
あるとき、シュラクサイのヒエロン王は金の王冠を作らせて神殿に奉納。そこに、職人が金を抜き銀をを混ぜた、との告発。ヒエロン王はアルキメデスに職人の「詐欺の事実を明らかにすること」を命じます。それが難しい作業であった背景は、神殿に奉納されてしまった王冠を、壊したり傷づけたり溶かしたりしてはいけないこと。要するに、混ざりものの証明のために「必要な情報が手に入らない事」。
アルキメデスは、水を一杯に浸した甕に王冠を沈めて体積を測った、と言うのが一般的に広まっている逸話ですが、現実には表面張力の影響で正確な計測は不可能。「重さと軽量についての歌」と言う作者不詳のラテン語の詩の中では「アルキメデスは王冠と同質量の純金を用意。天秤に王冠と純金を掛けてつり合いをとり、そのまま、全てを水中に沈めて行った。純金と銀を混ぜ込んだ王冠に働く浮力には差がでるため、水中では天秤が傾く」。
◆「二重帰謬法」と「方法」
アルキメデスの10数冊の著作は二つに大別されます。「図形の求積に関わるもの」と「梃の原理や浮力の原理に関わるもの」。「図形の求積」に関しては、その証明法として「二重帰謬法」を用いました。一般的に、数学の授業で見慣れた数々の図形、「円に内接する多角形」は、まさにこれに相当します。
また「方法」という著作の中では立体図形の重心を求める方法を記していますが、その方法として紹介されている事例は、放物線を回転させてできる回転放物体の体積や重心を求める際、「中心を通る軸に沿って立体を切断」します。
見る前は「アルキメデス数学じゃ大和のダメさは証明できない。ニュートン力学は必須」くらいに考えていましたが、視点が違ってました。ちゃーーーんと「アルキメデス」だった!
7/28更に追記
(数学が苦手の方のための蛇足的な解説)
櫂少佐は「積算じゃなくて...」とつぶやきます。
積算、つまり、材料費や加工に必要な費用、人件費、設備投資など、「量」として計測が可能な「物理量」を元に計算を行い、結果を積み上げて建造費用を算出する。ただし、この方法では情報が不足し過ぎているし時間も無い。
そこで「統計的に推測する」と言う方法に転換します。「過去の実績から、建造費用と何らかのモノ(ここでは鉄の総使用量)の関係を見出し回帰式化する」。櫂少佐は「鉄の総使用量と建造費用には相関がある」と発言します。この関係を数式化したものが「回帰式」で、会議の場で櫂少佐が黒板に書いたものです。
単純な関数、f(x)=ax+b を例にすれば、f(x)が建造費、xが鉄の総量。計算していたのは代入計算。
黒板に書いたグラフから推測すれば非線形回帰で、指数分布関数と言うのが必要になり、櫂が黒板に書いたような計算式には成り得ませんが、そこは重要では無いと思います。
戦争映画と思って観ちゃダメです!
戦争映画は正直苦手です。でもここのところ「ちょっと番宣しすぎじゃないの」ってくらい露出が高まっている菅田将暉さんが後半のローテク部分(冒頭の戦闘シーンのようなCGによるハイテクに対して会議での人間対人間のせめぎ合い)が見どころだって言っていたので観てみました。確かに単調になりがちな全般のストーリーの中なかなか見ごたえがあり2時間強の長さを感じさせませんでした。戦闘シーンはある意味おまけくらいにも思えます。田中泯さんの存在感が半端なく主役を喰うくらいにも感じます。柄本祐さんも『居眠り磐音』に続き重要かつ味のある役どころを演じ明さん、時生さんとともに(そういえば嫁の安藤サクラさんも含め)柄本家大活躍の今日この頃です。角替和枝母さんもでてらっしゃいましたね。遺作になるんでしょうか?おまけみたいに書いておいて恐縮なのですが、大和の壮大さを表したCGは圧巻で山崎監督の面目躍如って感じでしょうか。結末的には哀しい流れに感じましたが、考えさせられ、いい映画でした。菅田将暉さんのここのところの活躍には目を見張るものがありますね。
追伸:浜辺美波さんは本当にお嬢様らしく美しく、櫂ならずとも測ってみたい衝動に駆られます。
つかみはOK!
冒頭に「坊ノ岬沖海戦」のシーン。
アベンジャーやヘルダイバーが次々と大和に襲いかかる。
言っちゃ悪いがカッコいい。
弾倉の装填が追いつかずまごつく25mm3連…
有名な大和の最期の大爆発。黒煙が高々と立ち上がる。
何故?冒頭にこのシーン?ってのが最後に効いてくる。
原作がまだ終わりを告げて居ないので中途半端になるのは仕方がないが良くまとまっていると思います。
めっちゃ残念なのが櫂少佐のお色気シーンが無いことね(笑)
これ前後編にしてもっとエピソード盛り込んで欲しかった。
戦争突入を想像して焼け野原になる東京を現在の景色と重ね見るシーンがちょっとしょぼかったけど概ねCGは良かったと。
舘ひろしの山本五十六はかっこよすぎて違和感。
指が無い説明はいらなかったと思うぞ。
説明ないシーンは観る人が判断する作品色なんだから。
山崎貴監督の本気度!
冒頭からいきなり戦艦大和が沈没する特撮から始まるという驚きの展開。呆気にとられて感情移入する暇も与えてくれず、銃弾砲撃で血肉が飛び散る残酷さに山崎貴監督の本気度を感じた。また、山本五十六を美化してないところがいい。
数学によって戦争を止めることができるのか?!というテーマは、ある意味間違いではないのだろうけど、国家予算の4割が軍事費に使われるという軍国主義の矛盾を告発するような主張がメインだった。山本五十六の考えもそうだったが、米英との開戦は避けられそうにもないのだ。しかも圧倒的な軍事力の差は一般市民には知られてないし、日清戦争、日露戦争で日本が勝ち続けたことから、戦争を望む声も大きい世の中。巨大軍艦を作るよりは空母を作り、山本五十六は真珠湾への奇襲攻撃をも視野に入れていたのだ。
見積の低さを暴こうとする櫂(菅田将暉)の姿は帝一とダブって見えるが、その真剣さは数学が世の中を変えるという主張そのまま、心地よいものがある。嶋田(橋爪功)や平山(田中泯)の策略を突破できるかどうかハラハラドキドキの連続。小日向艦長のとぼけぶりに笑わせてもらいながらも、圧力のかかる中で苦難は続く。そして大阪まで出向いて、造船会社社長に直談判。浜辺美波がやってきたおかげで鶴瓶師匠も心を開いてくれるのだ。
最後の最後まで会議は波乱含み。スリリングな展開には手に汗握る瞬間もあり、開き直る軍人の姿も見苦しかったりする。そして、数学が平和を導くというテーマよりも、裏テーマとして、軍事費には血税が使われてる点、軍部と巨大軍需産業との癒着、などなど現代でも起こっていることだと考えさせられる。戦争はいつの時代も同じ。勝っても負けても大勢の人間が死んでいくのだから・・・。
よく頑張ってると思います
戦艦建造のための見積もりの真偽が中心ですが、そこに力入れ過ぎではないかとは思いました。だから、戦艦、空母、やっぱり戦艦になるところや、大和建造の苦労とかを見たかったです。
もしかして、続編あるのか??
建造費がおかしいなんて、すぐわかるでしょう。
他の船の見積もりがあるんだし、、。
そんなに苦労する??
本当かは知らないのですが、大和建造の技術が、後々戦後の日本の造船技術に活かされたと聞いことがあったので、そこに繋がると面白かったかなと。
まあ、フィクションですから、そこは良しとします。
脚本も、わかりやすいし、これはこれで良かったかなと。
関西人=鶴瓶さんというのは、安易過ぎるかなと。
結局、軍人
戦艦大和(?)の建造を巡る戦い、特に菅田さんと江本さんのやりとり、最後の田中泯さんとのやりとりは面白かったです。でも、結局、軍人同士のやりとりで、戦争の道に進んで行くことは間違いないのですね。
そう言う事!?
最後の最後にそう思った。
ヤマトは依り代だったのか!?
一緒に乗り込んだ三千人もの人々も依り代となってしまったのか!戦争だから?
そう言うことを考えながら、あの巨大な戦艦を作るって怖くないのか!?
日本が滅ぶのを防ぐ方法と信じて!?
怖い話だと思った。
でも、これはフィクション。
実際には、本当にこの戦艦があれば、何者にも負けないと、信じて作ったのだろうね?
改めて戦争は怖い。
戦争を起こそうと考える人は、本当に怖い人達だと思った。
変人vs.軍人。映画オリジナルの結末がなかなかうまい
昭和20年4月、大日本帝国海軍が誇る浮沈巨大戦艦大和は、米国の機動部隊の攻撃により沈没した。
遡ること、12年。
昭和8年、日本は欧米列強との対立を深め、軍拡路線を進み始める。
海軍少将・山本五十六(舘ひろし)は、「これからの戦いは飛行機が主流になる。必要なのは航空母艦だ」との信念を持っていた。
老朽化した戦艦に代わっての新艦建造の会議で、航空母艦を具申するが、対立派からは巨大戦艦の建造が提案される。
それも、設備が軽装な航空母艦よりも安価な建造費で。
安価な建造費は捏造であると感じた山本は、正確な建造費算出のため、「100年に1人の数学の天才」といわれる元帝大数学者の櫂(菅田将暉)に協力を仰ぐことにした。
が、櫂は軍嫌いの数学オタクの変人だった・・・
といったところから始まる物語で、「変人vs.軍人」の対決が繰り広げられる。
なので、華々しい戦闘シーンは冒頭の5分少々のみ。
戦争アクションを期待すると当てが外れる(そんなひとはいないと思うが)。
また、戦艦大和が沈んだことは歴史的事実なので、結末はわかっている。
どんなに主人公が頑張っても、大和は建造されるというわけで、「え、大和が造られるの?」と思うひとはいないと思うが。
ということは、物語の結果はわかっている、という映画としてはかなりのハンディを負っているわけだが、これが意外に面白い。
とにかく、主人公の変人ぶり、これに尽きる。
彼に振り回される役どころ柄本佑扮する少尉とのコンビネーションも悪くない。
軍と戦争を嫌悪している主人公が、大和建造に対して腑に落ちるラストは、映画オリジナルだそうだが、うまく出来ている。
これは、艦船設計責任者の平山少将に扮した田中泯が劇中で異彩を放っているせいもあるのだが。
というわけで、戦闘シーンの極めて少ない低予算(たぶん)戦争映画としてはなかなかの出来かなぁ(ま、中盤は、ほとんどコメディですけど)。
追記>
海軍省のロケは、都内・旧法務省だそうです。やはり、低予算。
美しいものを見たら測りたいというのが人間の本能(?)
完成披露試写会にて鑑賞。
とりあえず菅田将暉さんの滑舌の良さ、演技力に改めて感動し切りでした。田中泯さんの寡黙ながら芯の通った軍人の姿も非常にかっこよかったです。ラストの櫂との会話シーンは、狂気的な設計士と数学者の深いところでの意思の疎通にゾッとしました。柄本佑さん演じる田中のまっすぐな軍人の姿も心に響きました。計算が終わった時のあの腕の角度、最高です。
作品としては、重厚な部分と軽くしてる部分のバランスが取れていないように感じました。歴史ものとしてどっしり作られた会話に突如挟まるゆるコメディ感が気になったり、あまりにも現代らしい台詞が浮いていたように感じました。永遠のゼロや海賊と呼ばれた男では、一貫した重厚な造り、という印象を受けていたので少し驚きでした。
巨大戦艦の本当の目的を知った時、ヤマトを送り出す時の菅田将暉さんの表情見事でした...
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