劇場公開日 2019年6月7日

「細胞が新しくなるような映画体験」海獣の子供 hhelibeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5細胞が新しくなるような映画体験

2019年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まず、アニメーションの質がとんでもない。
序盤のルカが先生に呼び出されるっていう何気ないシーンの扇風機の質感と舞うホコリの表現に「すげー」って声がでた。
そのあとの、ルカががむしゃらに走るシーンでまた声がでた。

内容はものすごく根源的で、ほとんどアートアニメーション。
私が今まで観た映画の中で一番近いと思うのは2001年宇宙の旅(安易かな)。
私はいのちそのもので、宇宙の一部で、「私」と「それ以外」の輪郭なんて極めて曖昧だ。

観てる時はあっけにとられてたけど、観終わって映画館を出たら台風前みたいな不思議な天気で、映画の中と外だって曖昧だな、と感じた。
細胞があたらしくなるような、そんな映画体験だった。

でも根源的なものって資本社会とは相性悪いんで、ある程度心と身体に余裕がないとしんどいかも。観たあとすぐに働くのはつらそう。

hhelibe