劇場公開日 2019年6月7日

「生涯のベストワン」海獣の子供 サンダース・ウィンタースさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0生涯のベストワン

2019年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

映画がこれほどまでのことを成し遂げられるのか、大切なことは言葉にできない、まさにその通りだと思った。これがクリエーションであるということ自体、原作者や映画製作者、それを広めようとしている人、そしてなにより、映画館に足を運んでいる人たちすべての人たちが作り上げている良心の塊が詰まった名作。
難解だと感じる部分はおそらくすべての出来事に物語性を求めてしまう我々観客側が受け手になってしまっている弊害かと。観客に主体的な意識を求める21世紀型の映画。観客が自分たちで感じ、考え、そして行動する、そのことによって完成する意味が出てくる。観客をここまで全面的に信頼してくれる映画に、携わったすべての人の、人類だけでない生命に対する真摯な態度を感じる。
あの映画をロードショー公開で見た、と後世の人たちに語るのが伝説になるのだろう、と予感させる映画。

サンダース・ウィンタース