「字幕とタイトルが鬼門の良作」すべての終わり よんしんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5字幕とタイトルが鬼門の良作

2018年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

終末モノのロードムービーです。

子供ができちゃったもんで、元海兵隊員の怖いパパの元へ彼氏が一人で結婚の許可をもらいに行きます。
このシーンがなかなかうまく描けていて厳格なパパンと娘の彼氏とのぎこちない関係がよくわかります。
で、険悪な空気で別れたものの彼女のいるシアトルで何かが起こり、突然消息が分からなくなったとパパンの元へ向かうと、飛行機も飛ばないから今から車で向かうぞ!お前も来るんか!?と心の準備をする間もなく、苦手なパパンと二人っきりでシカゴからシアトルまでの(約3200km)旅が始まります。

物語の始まりから道中までの出来事や登場人物の心情が丁寧に描かれており、さすがネットフリックス映画、満点には遠いけど及第点は取れる作品だと思います。

問題は字幕の酷さです。
字幕だけ見ていると、突然支離滅裂なことを言い出します。
これは翻訳者が作品観ずに翻訳したんだろーなー、とハッキリわかるレベルです。
いや、そういう意味もあるだろうけど、今の場面じゃそんなこと言わないよね?っていうことを言い出します。
おかげで何度も英語字幕をみたり吹き替えを聞きなおしたりを繰り返し、しまいにはメンドいので吹き替えで観ました。
まあ、字幕や吹き替えの変更が簡単に行えるのがネットフリックスのいいとこなんですけど、こんなとこで役に立つとはw
huluやprimevideoじゃこうはいきません。

で、タイトルの「すべての終わり」です。原題は「How It Ends」です。日本語タイトルだと、なんでこんな終わり方なの???と観る人誰もが思うでしょう。しかし原題を知っていれば物語のラストが、なるほど~、と思えるんじゃないかと思います。
日本語タイトルだと、どうしても壮大な終末パニックSFを想起してしまい、エンディングで肩透かしを食らうことになりますが、原題が分かっていれば、この作品が登場人物たちの心情に重きを置いた映画であると分かるハズです。

とまあ、最後まで観て原題を知って、何を描きたい映画だったのか分かる作品でした。

タイトルと字幕のせいで残念ながら作品の質が下げられてしまっていますが、個人的にはなかなかの良作だったと思います。

よんしん