劇場公開日 2018年11月16日

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「前作が良過ぎた。」ボーダーライン ソルジャーズ・デイ 幸ぴこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0前作が良過ぎた。

2018年11月24日
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レビュータイトルの一言に尽きる。

『ソルジャーズ・デイ』が1作目ならまだ良かったのかもしれない。冷酷無慈悲なマットとアレハンドロが少しずつ慈悲の心に芽生えていくドラマのように観れるし、特にアレハンドロの変化は著しい。可愛げないようで可愛いイサベルにも2時間を経て愛着が沸くかも。
手に汗握る緊張感が我々の視覚と聴覚を鷲掴みにし、疲れ果てるほどスクリーンに釘付けにする臨場感は1作目に引けを取らない程のもの。アクション映画によくある派手な銃撃戦より、そのシーン1つにも余程恐怖を感じる。

でも、やっぱり前作が良過ぎたんだ。前作に惚れて、ビルヌーブ監督作品でなくなってしまった事に一抹の不安を抱きながら劇場に足を運んだ私には、前作同様の評価を持つ事は出来ない。
『ボーダーライン』はメキシコ国境のボーダーだけでなく、善悪のボーダーがテーマだった。『ソルジャーズ・デイ』はその要素がまるで二番煎じ。
マットとアレハンドロの徹底した信念も見えてこないし、この2人に慈悲や情の一面なんて求めていない。むしろ見たくない。
麻薬カルテルに混乱を!という当初の目的はどんどん逸れ、最終的には「この映画は時間内にはきっと完結しない、っていうか目的なんだっけ?まぁいいやアレハンドロが生きていれば、ああ彼は一体どうなるんだ!?」という展開に流れてしまい、作品としての〆はgdgdになっている。書き込みはしないが終盤はツッコミどころもちらほら。

続編、劇場には行かなくていいかなあ。

幸ぴこ