ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのレビュー・感想・評価
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2大スターに釘付け
ディカプリオとブラピという贅沢すぎるキャスティング、にしては途中くらいまで平々凡々なストーリーで眠くなってしまった。ブラピとウルフオブストリートで共演していたマーゴットなので隣人と何かあるのかなーと思っていたが何もなく、そのまま、、、
その時代のことをあまり理解していなかったため、よく分からないまま、ラストシーンへ。
衝撃的な展開ではあったが、それで、、、といった感じで終わった。
不完全燃焼であったため、ネットでこの映画について調べたらシャロンテート事件のことだったと知り、一気に感想が変わった。2人の友情にも心は惹かれたが、シャロンテート事件の事をタランティーノは風化させたくなかったのかもしれない。
実は少しフィクション?
とてもいい作品だったと思うが、今回は少し作りが甘い。タランティーノ監督にしては穏やかな作品であるだと思った。まあそれでも終盤にはそれらしいバイオレンスを見せてくれた。ブラピとレオの絶妙のタッグの感じがとても良かった。
ストーリーに関しては、シャーロン・テイトを知らないと最後の事件が分かりにくい。映画観賞後にシャーロン・テイト事件を調べ、タランティーノ監督のシャーロンへの思い入れを知ってから本作の核心が分かった。かつてブルース・リーやシャーロン・テイトがいたハリウッド黄金時代こそタランティーノが理想としているように思えて現代のハリウッドへのメッセージのように思えた。登場時間こそ少ないが、マーゴット・ロビーのシャーロン・テイトの存在感が抜群だった。本作ではテイトが生きていたら.....というオチも監督の意図やかつての時代への憧れを表すものなのではないかと思った。
シャロン・テート 検索推奨
予告編だけ見て、シャロン・テートのことは知らずに映画を鑑賞。
不思議な世界観で、なにを見せたいのかわからず、最後の終わり方もお隣さんと仲良くなって良かったね?ということ?どういうこと?ある意味タランティーノっぽいけど雑すぎでは?などという感じだったが、こちらのレビューでシャロン・テートの名前を拝見。
検索してゾッとした。
史実がタランティーノ映画以上に残酷。
タランティーノ映画にしては味方に被害がないのも気になっていたが、ある意味それは史実に対する報復だったのだろうと思うとこの映画の見方が変わった。
これから見る人には、事前知識としてシャロン・テートを検索し、心を強くして見ることをオススメする。
ハリウッドを担う頼もしい2人
ディカプリオとブラピ両方好きだから必ず観たかった作品。個人的には、独身貴族で若いモデル体型の子大好き、演技キャリアは着実に重ねていくディカプリオと、家庭での存在感も大きく見せながら仕事とのバランスをうまく取っていて、でも離婚も経たブラピ。反対路線のプライベートを持つ2人だけど、ずっと第一線にいられる人気と演技力を兼ね備えた2人がそれぞれどんな役柄なのかとても気になっていた。仲良く演じられるのかな?とか。
結果、見て大正解。ディカプリオお気に入りのマーゴットロビーもまた出てるし、ディカプリオの、仕事デキるけどドラッグどんちゃん騒ぎ作品系の脚本なのか不安もあったが、実際は所々そうそうあり得ない展開もありつつ、落ち着いて心情描写を描いている作品。
そして、長年ハリウッドで第一線をはってきているからこそ、長年様々な俳優達の生き様や国を越えた関係者間の繋がりを見てきた目線で、こうして俳優達が築き上げてきた"ハリウッド"が続いてきてこれからも続くんだ、という未来を感じさせる作品。
かつてのエマワトソンのような子役の子。
お色気役としての端役出演でも満足できる、まだ一流でないからこそ無欲にハリウッドに存在する若手女優。
それすら叶わない、いつか本物の女優になることを夢見てヒッピーとして夢を抱くうち、夢を追う努力を忘れ安易にお金を稼ごうとしたり悪い仲間やドラッグに関わり堕ちていく者達。でも人々は殺しをテレビや映画を見て学びながら育つとハリウッドの影響力の大きさを示唆する。
一方、映画を見て育ち、若手監督として人脈を広げる者。そして若手俳優と若手女優の血を引く子供が産まれる予定。
キャリアを築くために、主役として次々推されている若手俳優。
かつてその推される側の立ち位置も経験しながらも、今は落ち目となりつつある中年俳優ディカプリオ。若手の引き立て役としてでも有り難く出る立場になっていくのは仕方ないがかつてとの違いを否応なしに自覚し、くさくさしている。
そのスタントマンとしてディカプリオを支えてきたブラピ。ディカプリオの仕事がないとブラピの出番もないから、アクションの腕は鈍っていないのに、実際ディカプリオの付き人としてドライバーや雑用をこなす。
ハリウッドに様々な立ち位置があって、それが各々の登場人物にうまく割り振られていて面白い。
求めて貰えているならば望まぬ役でも進んでやらねば、減ってきた仕事の中で貰えている仕事を大事にして爪痕を残さねば、とわかっているのに、自信もなくなりくさくさした気持ちをアルコールで紛らわし、自爆状態のディカプリオ。これではまずいと踏み止まるために出し切る演技をする。
でも、昔の作品での頑張り、葛藤しながらの今の作品での演技、見てる人はちゃんと見ていてくれていて。イタリア映画のオファーがあったり、褒めてくれる監督や子役がいたり、そういう事がモチベーションに繋がっていく。
この1人の中年俳優の様々な深みある感情が、ディカプリオの演技を通す事でじわじわ伝わってきて、どっぷり感情移入する。
ディカプリオは、①下降気味中年俳優②その中年俳優がその時その時の感情を重ねながら演じている西部劇スターやアクションスター③下降気味中年俳優の、周りには見せられない1人の時の焦りや不安を抱えるオッサン
の混ざり合う三役を演じ分けているわけで、本当に本当にプロフェッショナル。わざと、わざとらしくキモくやりすぎに演じたり、演技上手い人がダメな演技をとても自然に演じてる。
ブラピも、日影の身ながら必ずディカプリオに忠実で、誘惑に流されない誠実さがとても素敵。最後まで見せ場がなかなか来ないけど、ブラピの不潔は感じさせない男くささ、素の状態から滲み出てるとしか思えない、表情や目から溢れ出る優しさが最高。
最後、ヒッピーが復讐に来ても、「奥に1人寝てるだけ」と、庭にいるディカプリオを徹底して守ろうとする。そして、スタントやドライバーどころか、完璧なガードマン。先行き長い若者のヒッピーをこんなにしなくても、、ってくらい無残にボッコボコに。怖いけど頼れる。飼ってる犬もすごい。
でも結局、ディカプリオに忍び寄った子はディカプリオがかつての当たり役の時に練習して使っていた火炎放射器で自ら退治。
「努力してきた経験は裏切らないし、ピンチを救う」このメッセージが伝わってくる作品。そして、上り調子の時に出会って結婚した妻とより、ずっと昔から下火な頃も支えてくれてきたブラピとの男同士の仕事やお金の垣根がない、友情の深さも嬉しい気持ちになる。
それぞれの人生の歩みを示唆するかのように、それぞれの靴が映るのが印象的。
ディカプリオは歩んできた道にしるしをのこす踵にカッターがついたカウボーイ靴。
若手女優の子は真っ白ブーツ。
ブラピは普段はテキトーなサンダルなのに、ヒッピー相手に本気出す時だけブーツ。
ディカプリオのむさくるしい顔と、本気の時だけ繰り出す澄んだまっすぐの青い目の使い分けをこの作品でも見られる。
ブラピは誰かを男親のように支える役がよく似合うし、歳をとっても503EdwinのCMの頃と変わらずGパンが似合う。
2人とも深みのある人生なのが、作品からだけでも、彼らとはこんな無関係なところにいる私にも伝わってくる素晴らしい歳の重ね方で、どんどん魅力が増していく理想の歳の重ね方。
こんな私にも多大な影響を与える映画の作品達を、これからも牽引していってくださいという願望と、きっとこの2人が映画界にいる間は素晴らしい作品が作られ続けるという希望も合わせ持てる作品。
本来は、妊娠中の若手女優シャロンテートが狂ったヒッピーに惨殺された、シャロンテート事件、を思い起こしながら、ひしひしと迫る事件当日に向かって時系列を追って見ていく作品のようだけど、シャロンテート事件を全く知らずに見た私には、惨殺被害者としてのシャロンテートではなく、未来に希望を抱き明るく生きている若手女優としての姿が印象に残った。
映画愛に溢れたタランティーノ監督自身も、シャロンテートの最期よりも希望に満ちた歩みがフィーチャーされるように世間のイメージを塗り替えたかったんじゃなかろうか。
そして、作品内で、何の罪もないシャロンテートとお腹の子の未来を惨殺したヒッピー達をそれはそれはしっかり成敗。ハリウッドの古き良き時代が失った1人の女優生命を、現代に生きるタランティーノ監督がその立場を利用して、作品内での敵討ちと追悼。きっとシャロンテートは天国から感謝していると思う。
50点
ブラピかっこいい
2人とも老けた印象w
内容はヒッピーとか
ホンマにあった映画やんなぁ
実話かなぁー?と
調べながら見た
バードマンっぽいなぁと、
自由なブラピと世間の目を
気にするデカプリオ
あの時代のリアルなハリウッド
やはり、タランティーノは
めちゃくちゃやな
キルビルからすきくないw
映画(フィクション)だから出来ること
Amazon Prime Videoで鑑賞(レンタル,字幕)。
シャロン・テート殺害事件はウィキペディアで読んだ程度の知識しかありませんでしたが、その時代性、残虐性、異常性に戦慄しました。それをクエンティン・タランティーノ監督が見事エンターテインメントに料理。あの頃のハリウッドが秘めていた表裏へのオマージュが籠められた大作が生まれました。
落ち目の俳優、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)とそのスタント・ダブル、クリフ・ブース(ブラッド・ピット)の友情物語がいい感じ。二大スター共演も胸アツ!
悩むダルトンを支え続けるブース。ある意味おっさんずラブ的な要素に我知らず萌えたりしながら観進めていくと、マンソン・ファミリーに遭遇したところから不穏な空気が…
そして訪れたシャロン・テート(マーゴット・ロビー)殺害事件当日。その日の彼らの動きを時間ごとに追い掛けながら、迫り来る悲惨な事態へのハラハラから画面に食い入っていたのですが…忘れていましたよ、この監督のやり口を。
歴史改編なんてお手のものだってことを。だってフィクションなんだし。マンソン・ファミリーの一味が標的としたのはシャロンではなかった。そこからバイオレンス炸裂&伏線回収でテンション上がる。まさに映画だから出来たこと!
※修正(2023/10/03)
ブラピとディカプリオが同じスクリーンに
ブラピとディカプリオがこんな風に共演するなんて昔から見てきている世代にはそれだけで大興奮じゃないでしょうか。
そこに今をときめくマーゴット・ロビーまで!
豪華ですよねほんと。
シャロン・テートの事件がモチーフになっていると聞いたので、最後はあの凄惨な事件が起きるんだよな…と思い観ていたらまさかのクリフ無双からのリックの火炎放射器…笑
笑わせてもらいました。
他にも面白い場面がありましたが、冗長に感じるところも。
ハリウッド愛に満ちた映画なので、思い入れのある人が観たらもっと違う印象を持つのかもしれないです。
わかりにくい
60年代のハリウッドが舞台。
落ちぶれた俳優を演じるディカプリオ。
専属でスタントマンしてるブラピ。
要所要所で笑えるシーン、
ディカプリオがファック発言連発、
最後の若干バイオレンスシーンなど、
面白い部分はあったけど
予備知識が無いと正直ストーリーについていけない。
時代背景を知ってる人やアメリカ人なら楽しめるのかな?
メソメソしてるレオがかわいいったらない。
わたしは97から99年に高校生だったんです。その頃友達の間では、ブラピとレオさまとブラッドレンフロ(故人)が、かっこいい映画スターだったんです。
休み時間にSCREENかロードショーを回し読みして、きゃーきゃーゆって、じゃがりこ(流行ってた)食べてたんですよ。
そんなプラピとレオさまの共演…ルーズソックス時代のわたしに伝えたいです。
まぁ成人してのちは特にブラピにもレオさまにも熱をあげてはいないのですが、揃うとなると感慨深くて。
マンソンファミリーによる妊婦殺害事件をなぞる話でもありますが、そちらはあまりよく知らないので、何とも言えません。
元テレビスターのレオさまですが、映画もヒットせず、テレビでは悪役しか回ってこない。マカロニウエスタン(イタリア製の西部劇)出演はプライドに触る(やったけどね)。頑張ってセリフ覚えたのに本番で飛んじゃって、ぎゃー!
オロオロ、イライラしてるレオさまが可愛く思えました。
特にめちゃ意識高い子役女子に話をしていて泣いちゃうところ。
弱さは隠さずぼろぼろこぼして見せて、カッコ悪って自己嫌悪するかもだけど、弱さを出せる人の方が絶対強いってわたしは思うの。
だから大丈夫って、子役ちゃんに憑依したつもりで励ましました。
プラピは飄々としたスタントマン兼レオさまの付き人。わんことのラブラブトレーラー暮らしは嫌いじゃないです。成功してなくったって、十分楽しいってゆうスタンスも、いいよね。目指しやすいし、劣等感湧かないし。
それでいてブルース・リーより強いし。
マンソンファミリーはポランスキー邸の前の住人への憂さ晴らしで現住民を襲撃したらしいけど、映画ではさらに矛先がレオさんちに変わっています。で、最強付き人プラピがボッコボコにし、レオさまは映画の小道具の火炎放射器で対抗し、サバイヴします。
いやー、グロいけどめちゃ楽しいシークエンスでした!
そしてマーゴットロビーは生きていたってゆうお伽話。よくできてるなぁと思いました。
わたくしはエクステンデッドバージョン?を見ました。冒頭とエンドロール後にCMとか劇中劇のシーンがいくつか添付されています。
そのうちの1つがアップルタバコ(うろ覚え)なんですが、映画の冒頭でのアップルタバコのCMにはジェームズマーズデンがでてるんです。なので、きゃグレン(アリーマイラブでの役名)でてるん?と、ワクワクしましたが、このCMのみ出演でした。そりゃないぜ!
50から60年代の映画や、その頃のアメリカの俳優に詳しいともっと楽しめたのでしょう。わたしは門外漢ですが、そこそこ楽しめました。
ダコタファニングもちょっとだけ出てきます。
予備知識必須
この映画はなかなか観るタイミングがなく、大きな映画館ではほぼ上映終了しており残念に思っていたら、小さな映画館でムーブオーバー上映するとのことでダッシュしました。基本的に映画はあまり予備知識を入れずにその鑑賞中に感じたものを大切にしたいとドヤ顔で思っていたのですが、この映画は予習必須でしたね。お恥ずかしながら、私はテートさんの事件を知りません。そこの映画館では劇場の方の手作り予習チラシを作って下さっていて、それを上映前に読みました。事件について、加害者(ヒッピー)について、あと当時の時代背景や、監督がタイトルに込めた思いについての解釈など、読みやすい文章でとても有難かったです。
お陰様でテートさんが平和に過ごしているところをひやひや観られましたし、最後も予習なしで観るより、監督が観客に望むだろう気持ちを持って観終えられたと思います。ほんと、こんな終わりだったら幸せだったなぁ。
ブラピさんは序盤まともなこと言う人やん!と思ってたのに後半ぶっ飛んでましたね…笑
タランティーノ監督作も多分初めて観たのですが、これがタランティーノ流なのですね…ぐろい笑
昔からのファンは閲覧注意だと思う(ネタバレあり)
レオナルド・ディカプリオもブラッド・ピットの共演とくれば、やはり見に行くのはタイタニックだ、デビルだ、という時代からのファンだと思うがそのころからのファン層と言うのはわりと真面目系の少女だ(った)と思うので、この映画の終盤の戦闘シーンはちょっと
受け入れないのではないかと思う。この2人が良くこの映画に出たな~(この脚本にOKしたな)と思ってしまう。
中盤の「落ち目のスターは悪役に回るもんだ」というセリフが、こういう形で回収されるとは。
まぁ良くも悪くもこの監督らしいとは言えるが、
むかしむかしハリウッドに
1969年のハリウッドが当時の制作状況を中心に語られてくの。街の様子やヒッピーカルチャーにも触れながら、本筋からみたら無関係じゃね?って引用も多いんだけど「タランティーノ1960年代が好きなんだなあ」と思いながら観てた。
ストーリーの中心は落ち目の俳優ブラッド・ピットとそのスタントマン レオナルド・ディカプリオなんだけど、二人が緩い感じでうまいんだよね。
ブラピの撮影シーンでハリウッドの様子がみえてくんだけど、ブルース・リー出てきて「グリーン・ホーネットかあ」とかやってくの。
ディカプリオがヒッピー娘と知り合って、それがマンソン・ファミリーの一員でって話が進み出して、ディカプリオが単身でコミューンに乗り込むところがカッコいいの。遠巻きのコミューンメンバーから罵詈雑言浴びるんだけど、その中を悠々と歩くんだよね。ふつう恐いだろと思うんだけど、そんな素振りが全くないの。「帰るか」ってとこで、タイヤにナイフが刺さってて、「やったのはお前か?」からボコボコにしてタイヤ交換させるあたりも最高だね。
ブラピの方は落ち目だから悪役しか来なくなっちゃって、それでも頑張ってやって、8歳の女優に認められて涙を流したりしてんの。この8歳の女優も良かったな。
そんな感じで観てると、マンソン・ファミリーのポランスキー邸襲撃が始まんのね。でも映画の中で狙われるのはブラピの家で、ディカプリオ、犬、ブラピがマンソン・ファミリーをやっつけちゃう。ここのやっつけ方はお待たせしましたタランティーノですって感じで激しくていいよ。
ラストはブラピがポランスキー邸の人達と話すんだよね。あの人達は、史実だとこの日に亡くなってるのかな。「こっちが史実なら良かったのに」っていうお伽噺的な終わり方でしんみりしたな。
アメリカの人は「1960年代のハリウッドだ」って細部みても「ああ、あの時代だ」って思いながらもっと楽しむんだろうな。マンソン・ファミリーによるポランスキー邸襲撃の話とか知ってた方が面白いけど、全く知らなくてもお話になってて、そこもいいなと思ったよ。
懐かしのアメリカとハリウッド映画
予告編で観た、映像の色彩! 懐かしのアメリカ! 1960年代のリアルな記憶はないが、とにかくこれは観なきゃ! と公開初週に映画館へ。
事前には何も検索せず。でも、作中で何度も不穏なフラグが立ってたので「確か、ポランスキー監督って何かの事件に巻き込まれたはず」というぼんやりした記憶とともに鑑賞。
ラストの鉄柵の黒黒さ。「あそこから彼岸」と、今年大ヒットした別作品のセリフを思い出し。どなたかの「レオ様があの世へ遊びに行く」というレビューに共感。
ブラピの佇まいが本当に!かっこよかった。数々のハリウッド映画で観てきた、主役俳優の見本だ。まさに。
タランティーノ流のファンタジー
1960年代のハリウッド黄金期
実際に起こったチャールズ・マンソンのカルト教団によるシャロン・テート殺害事件を背景に二人の少々ピークが過ぎた俳優とスタントマン友情と絆を描いている。
タランティーノと言えば本編の内容とはまーったくといって関係の無いどうでもいいやり取りの連続。これが良いという人もいれば苦手な人もいるだろう。
目まぐるしく周りが変化していき次第に神経をすり減らしていくものの栄光にしがみつこうとするレオとは対照的に我が道を突き進みながらもレオを支えるブラピ。
その時が迫るにつれてどことない緊張感に襲われながらもどこかワクワクさがあり最後は綺麗なフィクションとしてまとめられていた。
期待ハズレ
・続編でもないのに、映画を観る前に予備知識が必要なのはどうなのか。
・ラストに女性に対する過剰な正当防衛というか暴力シーンがありますが、ヒッピーだから
許されるんでしょうか?それともタランティーノだから許されるんでしょうか?
少なくともクリフ・ブースは合成麻薬でラリって相手をボコボコにしたのは、
私は共感できませんでした。
・当時の事件をまったく知らない日本人の若い世代が共感できないのは当然として、
こんな描き方をして、亡くなったシャロン・テートさんとその遺族は果たして
喜んでくれるのでしょうか?
・この作品の161分という上映時間は適切だっただろうか。
Damn good!
この作品、リック&クリフ風に言うなら、Damn good!です。
昔々、ハリウッドで…で始まるこの作品、ハリウッドへの懐かしさ、哀しさ、バカバカしさ、全てひっくるめたタランティーノのハリウッド愛が目一杯詰まった作品です。
タランティーノの夢と郷愁を混ぜ込み、あの時代の大きな変化をお伽話のように見せてくれます。
タランティーノはシャロンに生きてて欲しかったんだろうな(とにかくひたすら可愛く描かれているし、襲われるのをリック邸にしたから)、ポランスキーの事はちょっと好きじゃないんだろうな(物凄く遠回しにちょいちょい彼を否定するようなセリフを挟んでるから)、やっぱりウェスタンが好きなんだな、ってのがてんこ盛りです。
今作でも、イングロリアスバスターズのパロディや、数々の有名作品へのオマージュも忘れない。
期待通りのタランティーノ作品です。
そしてメインのリック&クリフ。
全編通して、クリフはひたすらリックを見てる。時には優しく、時にはお父さんみたいに、時には犬のように。
だけど最後、リックがやっとクリフを見る。仕事抜きの目で。親友を。親友として。
この瞬間、男の友情に乾杯したくなります。
クリフの「I try」って返しには、きっと努力しないと友達でいられないような、自制が効かない自分自身への全てが詰まっているようで胸に刺さります。
挑発されたら嬉々として乗り、タイヤをパンクさせた報復だって容赦せず、ラリっててもとことんまでぶちのめす。
そんなクリフのI tryはリックと友達であり続けるための自戒を込めた言葉なのでしょう。オープニングのI try からラストのI try へ美しく繋がり、また明日会おうとリックが言う瞬間、スタンディングオベーションです(笑)
中盤、スパーン牧場で西部劇よろしく現実を生きるクリフと、同じ時間に映画セットの中で西部劇を演じるリックの対比も素晴らしい。
そして新しい時代を背負っていくだろうポランスキーとシャロンのカップルと、斜陽を迎えたリックとクリフの対比。
セリフを覚えるのに必死なリックとパーティに出かけていくシャロン。
常に隠と陽を対比し、それぞれが際立つように作られているのも良かった。
この時代背景を知っていれば物凄く楽しめるし、知らなくても楽しめる、そんな作品なので見て欲しいです。
空虚な試み
「歴史は変えられない。」
その圧倒的な事実に対して、それでもなおささやかな抵抗をしようとする空虚な試みのような映画だ。
「マカロニ・ウエスタン」という、監督が最も敬愛するもののひとつを武器にして、負の歴史の修正を試みる。
言い換えれば、タランティーノは、自分が大好きだったものが奪われてしまった現実の事件を、自分が大好きなものを使って、自分が大好きな世界の中だけで修正するのだ。なんと空虚で寂しい試みなのだろう。
しかしそれでも、自分自身の癒やしのために、そしてこの事件で失われたすべてのものへの追悼のために、映画のラストシーンでタイトルが画面にあらわれてこう語りかけるのだ。
「Once Upon A Time In Hollywood(むかしむかし、ハリウッドで・・・)」
語りたくなる映画
長くて眠くなるという感想もありますが、私はレイトショーにもかかわらず、これっぽっちも眠くならず、画面に あの日に向かって行く日付が出るたびに、ハラハラドキドキ 、、、
なので、wikiでこの映画のあらすじは、すでに読めますが、絶対的に読まないで観た方が良いと思います。その分、シャロン・テート殺害事件や、ポランスキー、ローズマリーの赤ちゃん…からのギャッツビー(レッドフォードもディカプリオも→ちと時代は大幅にずれますが、オマージュ的場面はありましたよね笑)、ローリングストーンズ、悪魔といった単語を紐解いて、時代の空気感を想像しふくらませておくと良いのかもしれません。
淡々とした日常、映画人とはいえ、良識をわきまえていたり、涙ぐましい努力やプレッシャーも。この繰り返し積み重ねから、怒涛のラストのカタルシスへの急展開です。
ヒッピーのいかがわしさや、シャロンの初々しさが散りばめられ、、、でもプッシーキャットも十分可憐で瑞々しかった。これも時代の空気のいたずらという事なのか?
バイオレンス場面はやり過ぎです(私は下を向いてました)。でもだからこその、やったーという爽快感、映画だから!のお決まりのような火炎放射器使い、、、ゆえに、こちらにも勧善懲悪で終わらない後味の悪さが残ります。ブルース・リーの場面も同様で、差別とかは感じませんでした。
最後、カメラが引いていき、インターフォン越しの声、遠くから見える姿は、とても余韻の残る終わり方で、あれこれ想像するほどに胸が切なく苦しくなるほどでした。どなたかも書いておられましたが「シャロンを墓から引きずり出して来れたかな?」というタランティーノ監督の言葉と、想像力に溢れた脚本には一言ため息です。
遊び心やセット、音楽は満点かと。サントラ欲しくなりますネ!
何から何まで好き
タラ様あらためて大好き。本当にこの作品をリアルタイムで観られて本当に幸せ。と思った。
タランティーノの映画はすごく好きなのとあんまりピンとこないのとありますが、本作はすごーく好きな作品で、二回観ました。もう一回観にいくチャンスを伺ってる。二回めは、あの火炎放射器が出てきた途端にニヤリとしちゃうし、たくさんの伏線に気づけて楽しい。
とにかく、粋であること。作品への愛に溢れてること。なにもかも深く深く考え抜かれていること。俳優の演技がどこをとっても素晴らしいこと。キャスティングが秀逸なこと。何から何まで好きでした。好きすぎてこんなレビューしか書けない自分がもどかしい。
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