劇場公開日 2019年12月20日

「私たちが物語から受け取るもの」ブレッドウィナー たまこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0私たちが物語から受け取るもの

2020年4月29日
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後半、父と兄の名を呼ぶ主人公の必死さに泣いてしまった。
まだ大人ではない少女が立ち向かわなければならない現実はとても過酷だ。
守られて、可愛がられてよい歳だろう。
男に咎められないように生きなければならない、自分の身を守る術がないとは、どれほど不安な日々だろうか。

最終的に物語は一応の結末を迎えるが、私は権力(武力)の恐ろしさに身が竦む思いだった。
この現状は、個人の身の振り方だけでは改善できないものだと思ったからだ。

個人の力では、銃を持った権力者には太刀打ち出来ない。
でも、主人公は「怒りではなく言葉を伝えて」と言った。
最後、花が育つシーンがあったが、映画を見た私も種をもらった気分になった。
大事に育てていきたい。
(そして色彩が本当に綺麗だった~)

たまこ