劇場公開日 2019年1月11日

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「ミレニアム的ではないが雰囲気は良かった」蜘蛛の巣を払う女 つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ミレニアム的ではないが雰囲気は良かった

2024年1月31日
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鑑賞方法:DVD/BD

雪と氷に包まれた白銀のストックホルムで繰り広げられる黒と赤の攻防。
とても面白かったし、評価を星4にするつもりでこのレビューを書こうとしたら、頭の中を駆け巡るのは悪かった部分や不満点ばかり。いいこと書きたい、ほめたいのに、浮かばない。なぜか。

ショットやカットのカッコ良さやスリリングでダイナミックなアクションといった良かった部分が、とてもハリウッド的な単なるアクション映画のようであったからだと思う。
オリジナルのミレニアムは、バイオレンスとひりつくサスペンスと多角的に展開するミステリーが面白さだった。そのすべてを担うリスベットのキャラクターも魅力だった。それらが足りなかったのも原因だと思う。

本作のリスベットがダメだったとは言わないが、なんかちょっと違うんだよね。
暴力的な場面が絶対必要とは思わないけど、リスベットの過剰殺傷は彼女のキャラクターを形作る上であった方がいいし、見た目的にもトラウマを抱え精神に問題がある天才ハッカーのようではなかった。

つまり、ミレニアムシリーズの一篇としてはイマイチだったけれど、それを無視したハリウッドのアクションサスペンスだと考えればなかなか面白かったのだと思う。

ミレニアムシリーズを初めて観る人か、これはこれと割りきって観られる柔軟な人は楽しめると思う。

とりあえず、いつも放置プレイのドMなミカエルと武闘派の天才ハッカーは最強ってことだけはわかった。勝つのは常に天才と変態。

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つとみ